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公共施設マネジメント【焼津市編】…特別委の視察より➋

 1月20日に訪問した焼津市の報告です。
 掲載している資料はスキャンのため、見えづらくて済みません。カラーバージョンの資料が入手できれば差し替えます。

焼津市

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 静岡県のほぼ中央、駿河湾に面し、カツオ・マグロの遠洋漁業基地として栄える。
 人口143,249人、面積70.31㎢、人口密度2,004人/㎢。 

 焼津市の視察テーマは、既に策定されている公共施設等総合管理計画の概要、公共施設マネジメント基本計画と第1期公共施設再編プラン・個別再編プランの概要と課題。
 全国的に先駆けて公共施設マネジメントに取り組む自治体である。
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 総務部資産経営課の松本さんから説明を受ける。長野市の公共施設の状況と対比させながら、焼津市の取り組み状況をお話しいただく。全国に講演に出かけている”ツワモノ”である。
 全国からの視察が相次ぎ、視察受け入れは焼津市内の宿泊を条件にしているとのことだ。
 さいたま市から移動し焼津駅前のホテルに宿泊。海の幸も堪能させていただいた。

公共施設マネジメント=施設の「縮充」

 松本さんの報告・説明から印象に残っている点をまず列記する。

 前提条件として、焼津市の公共施設床面積は一人当たり2.76㎡で全国同規模の14万人台自治体の3.25㎡より低いことである。
 もともと山間部がなくコンパクトなまちづくりが可能となっている自治体の取り組みであることに留意が必要と思われるが、マネジメントの意義と手法に共通する問題意識は学ぶところが多い。
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 その上で…、
 一つに、公共施設マネジメントにおいて、よく「総論賛成・各論反対」といわれるが、総論の理解がされていないことの反映、従って総論=公共施設マネジメントの意義・必要性の情報共有に重きを置くとする。市民シンポジウムも必要性と課題の総論で行っているそうだ。

 二つに、資産管理から資産経営への転換。公共施設マネジメントは単純な面積圧縮ではなく、「縮充」(縮小しながらも充実させる、必要なものにしていく)の視点を強調する。機能を重視し市民サービスの充実を図る発想である。「縮充」という視点は市民の合意を得ていく観点からも面白い。

 三つに、職員の意識改革と庁内の一体的な推進体制の構築が重視されている点である。そのために統合型公共施設データベースを構築し、全公共施設の維持管理費の「見える化」、利用人数や供用年数など各施設の評価の「グラフ化」、工事時期や作業工程の調整の効率化を実現している。

 四つに、公共施設マネジメントは市行政の責任であり行政で考えるべきとする点。計画づくり及び個々の施設再編について市民参加が組み込まれておらず、総合管理計画もパブコメが実施されていない。トップの判断・リードによるものと思われるが、必要性に応じベストの案をつくっているという自負の表れなのであろうか。市民に対しては広報・周知に重きが置かれている。

公共施設マネジメント基本計画(H26年3月策定)

 建物系公共施設に限定される計画で、施設白書に基づき、「供給」「品質」「財務」の三つの視点から施設評価を行い、課題解決に向けた施設再編プランを位置づける。
 再編プランの具体化を通して、モデル事業の実施や包括業務委託による「機能の最適化」、施設総量を30年間で18%削減し、約180億円のコスト圧縮を図る「総量の適正化」、設備台帳の整備等による「維持保全の最適化」、3つの最適化を図るとする。
 ➡焼津市公共施設マネジメントのページへ
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◆3次にわたる施設評価
 1次評価は、資産経営課が行うもので、劣化度や利用状況、財政負担の定量的要素でマトリックス化する。

 2次評価は、施設所管課が行うもので、公共性、有効性、代替性の定性的な要素で評価。

 3次評価は、施設所管課で、それぞれの施設について、建物と機能の視点から、現状維持か、改修・更新か、処分・廃止かをまとめるものとされる。
 その上で、建物については保全計画を、機能面では再編プランの策定につなげる仕組みである。

◆毎年見直しを図る施設分類別の再編プラン
 H27年度~H36年度までの10年計画で毎年見直しを実施。
 第1期再編プランは、施設の多機能化・複合化により既存施設を最大限有効活用できるよう、用途や旧市町の枠組みを超えた再編とするとされる。

◆3年ごとの劣化度調査と保全実施プログラム
 施設の劣化度調査を共通マニュアルに基づき3年ごとに実施、保全実施プログラムとして工事の優先順位を決め、財政の査定なし(保全実施プログラム枠の範囲内)で予算化していく仕組みである。

◆施設の利用状況調査
 マネジメント基本計画の策定にあたり、市民アンケートを実施。
 個々の施設についての市民の利用状況、1年間の利用回数⇒利用していない人の割合などを調査。

 利用を必要としない多くの市民と利用を必要とする少数の市民、双方の意見が重要であるとされる。
 例えば、総合体育館は72.3%、公民館は約75%~80%の市民が利用したことがない結果となっている。
 利用率の低い施設の検証の材料とされ、受益者の「適正な負担」につなげるものになると思われる。

公共施設等総合管理計画(H27年3月策定)

 公共施設マネジメント基本計画の上位計画として策定。総務省が求める計画である。
 メンテナンスサイクルの構築を重点とする。

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公共施設マネジメント対策本部が統括

 焼津市の公共施設マネジメントは、総務部資産経営課・公共施設マネジメント担当が主管する。
 
 庁内の統括本部として、市長をトップとする「公共施設マネジメント対策本部」が設置され、そのもとに副市長と施設所管課長で構成する「公共施設マネジメント検討委員会」が、さらに施設ごとの再編を検討する「検討部会」が位置づく。

 長野市の場合は、総務部行政管理課内の公共施設マネジメント室長が担当する段階で、全庁横断的な統括体制の構築が求められる。

 職員研修も、東洋大学の根本教授や名古屋大学の常川教授の専門的な知見の習得をはじめ、秦野市・宮崎市・流山市・倉敷市などの先進自治体の取り組みをテーマに、H24年度から計画的に取り組まれている。
 長野市も流山市の寺沢室長を招き研修会が行われているが、計画的・系統的な取り組みが求められる。

産学間連携による公共施設等統合データベースの構築

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 データベースのシステム整備は、インフラ保全事業に取り組む「オリエンタルコンサルタンツ」(東京)と名古屋工業大学との共同事業で、市との協定により進めらたもので、市の負担はないとされる。

 公共施設のマネジメントから、固定資産台帳データとの統合を図り、公共資産の管理システム、さらに運用システムに発展させる考えだ。
 
 こうしたシステムは必須であろう。長野市の取り組みのチェックが必要だ。

複合化・多機能化の取り組み

 小学校と公民館との合築、文化ホール・図書館・記念館等4施設の複合化、中学校音楽室の地域への夜間開放など学校施設の有効活用に取り組まれている。

周辺自治体との広域連携

 既に焼津市と藤枝市の間で施設の相互利用が図られている。市外の利用者料金との差額を広域事務組合が負担する仕組みを導入している。

 また、焼津市と隣接する藤枝市・島田市の志太3市で、統一した条件で広域公共施設白書の策定に取り組み、広域的施設の再配置等の調査研究、公共施設の相互利用のための連携協約の活用の研究を進めている段階とされる。

 長野広域連合にどのように対応できるのか、連携中枢都市圏構想の具体化にあたっての相互課題として検討できないのか、調査研究が必要である。

公的不動産の民間活用ニーズ調査

 施設再編に伴い余剰となる土地や建物について、民間企業としてどんな活用が可能かを探るニーズ調査を実施している。21の対象施設に対し20箇所で関心が示されているとする。成果はこれからのようだ。

 一方で、跡地の公的利用については、地元の要望が強く客観的に良い活用にはなっていないとされる。

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