「サンマリーンながの」の利用料金引き下げ…議決を経て10月実施か

長野広域連合のごみ焼却施設建設に伴い新装オープンした健康レクリェーション施設「サンマリーンながの」の利用料金が見直され、引き下げられることになります。

今議会で条例改定案の議決を経て、10月からの実施を見込むものです。

H30年3月に、長野市の新たなレジャープールとしてオープンした同施設は、「料金が高すぎる」」との声が相次ぎ、議会としても「利用者の声を聴きながら利用料金体系の見直し」を求めてきました。

条件付きで大人1,220円⇒810円、小・中学生610円⇒400円に

見出しが料金改定の柱となるものですが、夏季(7月1日~8月31日)を除く平日の昼間で利用者の少ない時間帯(午後1時から午後6時まで)に限定される見直しです。条件付きの利用金引き下げ案です。掲載資料は7月22日の政策説明会時のものです。

このほか、トレーニングルームと温浴施設のセット券(1回券810円)の販売やプール・温浴施設・トレーニングルーム・スタジオの月間利用券(高校生以上でスイミング月間5,680円、フィットネス月間3,240円)の販売、利用時間制限の緩和(延長料金400円/時の条件付き廃止)などの料金体系の工夫により利用者・収入増を図りたいとしています。【上図参照】

また、親子割引(1割~2割の範囲内)の検討もするとされています。指定管理者との協議待ちです。 

見通し甘い収支予測の抜本的な見直しへ

そもそも、同施設の収支予測では、年間30万人の利用者を見込み、利用料金も2億880万円を見込むものでした。

しかし、現実はH30年度実績で利用者は18万人にとどまり、年間で7,852万円の赤字となっています。

高い利用料金設定で、過大な利用者数の見込みと収支予測により、このままでは立ち行かないぎりぎりの状況に直面しているということです。

H30年12月からH31年3月までの利用料金の割引試行で利用者が約1.5倍に増加し、1日当たり平均収入も増加したことを踏まえ、かつ、利用者の「高すぎる」という批判と議会側からの強い見直し要望等を受けて、今回の見直しになったものです。

栃木県上三川町のレジャープールや新潟県長岡市の競泳プールなどで、月間利用券を導入することで約10年で収入が5倍から10倍に増加している事例などが利用金体系の見直しの背景にもなっているようです。

課題残る見直し案

料金体系の見直しで利用料金が引き下げられることは大歓迎です。新しい施設も利用者が増えなければ意味がありません。

しかしながら、子どもたちが集中するであろう夏休み期間(実施は来年度)は通常料金であることはさらに見直しが必要であると考えます。せめて、小・中学生及び高校生は夏季期間であっても400円の料金で水泳を楽しめるようにしたいものです。

さらに、今後の収支予測では、5年間で3%の収入増を図り、赤字幅を2600万円までに縮小する考えが示されました。大風呂敷にならないことを願うばかりですが、月間料金やセット料金の導入効果を見極めつつ、利用しやすい施設に絶えず見直していくことも重要な課題でしょう。

今議会、条例改定議案は経済文教委員会に付託されます。条例案をしっかり吟味し、会派として意思統一を図りながら、利用者の皆さんの声が反映されるよう、なお力を尽くしたいと思います。

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