福島原発…注水・冷却の成功を祈る

 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では、消防、自衛隊、原発作業員などによって核燃料の冷却作業が進められている。決死の覚悟による過酷な任務だ。心から敬意を表したい。19日には、電源復旧作業が進み、ケーブルがつながって1、2号機で通電できるようになった。残りの4基も早ければ20日に仮設ケーブルとの接続ができる見通しだとされる。電源が復旧し、冷却水を供給して核燃料を冷やせるようになると、現在の危機的状況を何とか切り抜ける道筋がみえてくる。

 原子炉は、地震や事故の場合に「止める、冷やす、閉じ込める」ことが大前提となる。地震で4つの原子炉は「自動停止」したものの「冷やす」装置が機能せず、12日に第1号機が、14日に第3号機が水素爆発で建屋を損壊し、また15日に第3号機が爆発で圧力抑制室を損壊し、そして同日、定期点検で停止中の第4号機も爆発を起こし、放射能を含む蒸気や高濃度放射能を外部に放出、周辺住民が被曝するなど、「閉じ込め」ができない事態となった。30㎞圏内の住民は避難または屋内退避となった。原発の「安全神話」は吹き飛んだ。原発政策の根本的な見直しが必要である。

 とはいえ、今日、喫緊に求められていることは二つだ。何としても炉心溶融によって放射性物質が大量に放出される大爆発を食い止めること。そして、住民の安全確保である。

 福島第一原発の危険度は「レベル4」から「レベル5」に引き上げられた。米国の科学者は「レベル7」の段階だと警鐘を鳴らしている。とにかく、注水・冷却作業が成功し、原子炉が暴走する最悪の事態が回避されることを祈るしかない。

 18日、県知事に万が一の事態を想定し、甲状腺がん発生を抑止する安定ヨード剤の確保と病院・教育機関等への配布、恒常的かつ定点調査となる広域モニタリングの実施、広域避難体制の確立、被爆した人々へのスクリーニング・除染などの救急・医療体制の確立、放射能被害を最小限するための対処方法の県民周知などを緊急に要請した。そして、核燃料輸送事故を想定する「放射能物質事故災害等対策指針」を、近県での原子力発電の大規模事故を想定した防災計画として再構築することを求めた。

 この「指針」にしても、「応急活動マニュアル」「専門的治療施設の把握」「放射線防護服の準備」「防護資機材の整備」など課題としては挙げられてはいるものの、具体化はされていないのが現状だ。

 15日~17日、私が所属する市議会の福祉環境委員会の審議においても、所管となる保健所におけるヨード剤の確保、市内モニタリングの実施、市民病院における検査・除染・治療体制等について準備状況や可能性について質したが、基本的に県と連携して取り組むといった総論的な対応の域を超えない段階だ。放射能対策の課題は、はっきりしている。できることはやりきる具体を早期に確立できるよう、強く働きかけたい。