12月議会代表質問より➐…公共交通優先のまちづくりを

昨年12月議会定例会での代表質問の続編です。

歩いて暮らせる公共交通優先のまちづくりについて質しました。

コロナ禍のもと、公共交通を担うバス事業者にあっては、高速バスや貸切バスの収入が激減し、路線バスの維持・継続が極めて困難となる厳しい実情にあります。既に深刻な利用者減、収支の悪化により、不採算路線の廃止や減便が相次ぐ中、市民の足であり、都市インフラである公共交通をいかに持続的に維持し活性化させていくかが喫緊の課題となっています。

地域公共交通を活性化・再生させる目的で策定された「長野市地域公共交通網形成計画」の具体化は遅々として進んでいません。かねてより、コロナ禍で拍車がかかる公共交通崩壊の危機を訴え、抜本的な対策の必要性を指摘してきましたが、極めて不十分な施策展開にとどまっています。

少子高齢社会の進展により、歩いて暮らせる公共交通優先のまちづくりの具体化が問われてきている中、今日、コロナ禍により、その課題解決はより緊急性が高まっています。便利な公共交通網の再構築、利用促進、公設民営化の検討、コロナ禍での交通事業者への継続支援などについて、問い質しました。

BRT導入、もう2回バス乗車運動など早期に具体化を

現行の地域公共交通網形成計画の具体化において、南北交通軸へのBRTの導入、地域が主体となった公共交通の検討、公共交通の日の設定、もう2回バス乗車運動の実施などがR3年度の重点施策とされているが、進捗状況はいかがか。

また、エコ通勤、オフピーク通勤の協力を呼びかける「ながのスマート通勤応援事業」=パーク・アンド・レールライド社会実験の状況はいかがか。エコポイント制度などインセンティブがなければ効果を上げることができないと考えるが、合わせて見解を伺う。

市内南北交通軸へのBRTの導入については、令和元年度から調査研究しているが、道路状況や乗換え拠点など課題が明らかになってきたことから、今後は、より実現性の高い公共交通システムを含め、南北交通軸のバス路線の在り方について、事業者とともに検討を継続していく。

地域が主体となった公共交通の検討では、小田切地区乗合タクシーのフルデマンド化を参考に、中山間地域における輸送システムについての見直しを検討している。

公共交通の日の制定及びもう2回バス乗車運動は、来年10月のバス共通ICカードKURURUの導入10周年を機に、さらなる公共交通利用促進のキャンペーンの準備を進めている。

次に、パーク・アンド・レールライドの実施、社会実験につきましては、市内の事業所にお願いしたところ、現時点では6名の申込みがある。インセンティブの導入についてはKURURUカード新規購入時に特典としてポイントを付与する取組を実施しており、さらなる事業効果の向上に向け、先進事例の研究を行っていく。

 ➡下表は「R3年度の地域公共交通網形成計画の実施計画」より抜粋。網計画の施策メニューと主な取り組み。

「R3年度の地域公共交通網形成計画の実施計画」本編

法改正を踏まえ、実効性ある地域公共交通計画を

現在、地域公共交通活性化再生法の改正を受け、これまでの「公共交通ビジョン」「地域公共交通網形成計画」を踏まえた「地域公共交通計画」の策定が進められている。改正法では、まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの形成促進に輸送資源の総動員という考えが盛り込まれた。輸送資源の総動員について、バス路線や鉄道路線に加え、福祉輸送やスクールバス、タクシー相乗り、貨客混載などを総合的に組み合わせた公共交通網の再構築が問われる。考え方を問う。

公共交通ビジョンの将来像を実現するため、令和2年の地域公共交通活性化再生法の改正で位置づけられた地域公共交通計画の策定に取り組んでいる。

地域公共交通計画では、従来の公共サービスに加え、地域の多様な輸送資源を計画に位置づけることと定量的な目標を定め、年度ごとに評価するなど、より実効性の高い計画となるよう定めていることから、現在、市内における交通手段の洗い出しを行っているところ。 これまでに得られた調査データでは、住民が主体となった運行システムなど様々な手法があることが判明している。また、既に実施しているスクールバスへの混乗方式に加え、現在、新たに利用者の減少が著しい中山間地域において、AIを活用した新たな交通システムの検討を進めているところ。調査で判明したデータや、新たな交通システム等の取組を計画に反映していきたい。

路線バスの公設民営化、検討に着手を

松本市では公共交通網の公設民営化の具体化に向け検討されている。本市では市内2事業者による自主路線の運行が市内公共交通網の基盤となっていること、その路線バスの維持存続が危ぶまれる現況に鑑み、公設民営化という手法検討に着手していく局面であると考えるがいかがか。

松本市における公設民営化の具体化に向けた検討状況を注視している。本市においても、公設民営方式と呼べる市営バスや地域循環型バスなどの運行があるが、市が関与する度合いも様々であることから、市民の利便性を確保する中で、公共性に十分配慮し、実情に応じて判断していきたい。

交通事業者への支援、継続・拡充を

コロナ対策としてバス・鉄道・タクシーに対する運行支援が行われているところだが、移動需要の回復がなかなか見通せず、エッセンシャルワーカーである運転手は100万円を超える年収の減となる負担と犠牲が増大している。こうした現実を重視し、臨時交付金を活用した支援のさらなる継続・拡充を求めるがいかがか。

これまで、市内のバス事業者、鉄道事業者及びタクシー事業者に支援を実施してきている。バス・鉄道の利用はコロナ禍前の8割ほどまでは戻ってきているが、依然厳しい状況。さらに事業者を支援するため、12月補正予算に予算計上したところ。今後も、新型コロナの感染状況を見据えながら、維持確保に向け、国・県と協調する中で引き続き支援ができるよう検討していく。

それぞれ、公共交通の重要性は認識しつつも、交通崩壊に危機に備える具体的で明快な答弁が得られたとは言い難い状況です。公共交通ビジョンをはじめ法定計画である「地域公共交通網形成計画」で公共交通の維持再生に向けた施策を掲げながら、具体化が図られず、「絵に描いた餅」状態になっているからです。時間があれば再質問で取り上げるところですが適いませんでした。突っ込み不足となった点は反省課題です。新市長の公共交通に対する問題意識が希薄であるだけに(失礼ですが)、改めて公共交通の今日的意義を共有し、「検討」段階から「実行」段階への移行を確かなものにしていかなければなりません。

 公共交通対策特別委員会の委員も務めていますから、特別委の中でも積極的に政策提言していきたいと思います。