12月議会…課題と論点【その4】「慎重な憲法論議を求める請願」、修正のうえ可決

 12月議会で、9月議会定例会に長野地区憲法擁護連合(護憲連合)から提出され、継続審査となっていた「慎重な憲法論議を求める請願」が、一部修正のうえ、全会一致で可決し、意見書を国に送付することになりました。

 裏舞台になりますが、請願の「衆参の憲法審査会においては、多様な意見を踏まえ、厳に慎重に論議すること」「国民的議論の動向を見据え、拙速な憲法改正発議を行わないこと」を求める”肝”の部分は活かされており、市議会のとしての意見を表明することの重要性に鑑み、新友会の提案を踏まえ、請願団体と協議し、請願の文章の「請願趣旨」の部分について一部訂正に応じたものです。

 紹介窓口議員として、最大会派との協議、請願団体との協議を進めてきました。

 ★請願趣旨から削除された記述
 「一方で多くの世論調査で憲法改正を求める意見は減少傾向にあり、「安倍政権での憲法改正」については否定的なものが多数となっています。憲法改正が国民的な要求となっているという状況とは到底言えません。」

 ★請願趣旨から削除・訂正された記述
 「「国権の最高機関」として厳格な憲法尊重擁護義務を負う国会が、拙速な審議によって憲法改正を発議することが許されないのは当然のことです。」➔「国会には、慎重な憲法論議が求められます。」

 憲法改正問題について、長野市議会として慎重な論議を求める民意・良識を示すことができたものと受け止めています。

 本来であれば、9月議会で請願修正協議を整え、可決すべき事柄であったと思いますが…。

 全会一致で可決した「意見書」は下記の通りです。

慎重な憲法論議を求める意見書

 本年7月の参議院議員選挙の結果、憲法改正を主張する会派の構成が衆参それぞれの3分の2を超えたことから、憲法を巡る議論が活発になっています。憲法第 96 条が、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議できると定めていることから、憲法改正発議の条件が整ったとの主張もあります。

 言うまでもなく憲法制定権力は国民にあり、憲法改正の発議が立法府の特別多数に委ねられているのは憲法改正手続の一部にすぎません。このことは、最終的な憲法改正の是非が国民投票の結果によって決することからも明らかです。

 さらに、国家権力の恣意的運用を排するための権力制限規範としての役割が憲法の本質であることを踏まえれば、国会には、慎重な憲法論議が求められます。

 ついては、衆参の憲法審査会の審査においては、各界各層の多様な意見を踏まえ、厳に慎重に論議するとともに、憲法問題については国民的議論の動向を見据え、拙速な憲法改正発議を行わないことを強く求め、下記事項について、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出します。

1 衆参の憲法審査会の審査においては、各界各層の多様な意見を踏まえ、厳に慎重に論議すること。

2 憲法問題については国民的議論の動向を見据え、拙速な憲法改正発議を行わないこと。

平成 28 年 12 月 16 日

衆 議 院 議 長
参 議 院 議 長 宛

長野市議会議長 小 林 義 直

 しかしながら、今議会に「9条の会」から提出された「安保法制の廃棄を求め、併せて、南スーダン派兵の自衛隊の即時撤回を求める請願」は、残念ながら賛成少数で否決となりました。

 同趣旨の請願を長野地区護憲連合で提出する予定でいたのですが、議会前段、私自身が相次ぐ不幸で、なかなか相談協議をまとめる余裕がなく見送ることになりました。

 国内初となったオスプレイ墜落事故の発生、そして、米軍側は事故の原因究明・安全確認ができないまま、訓練飛行再開を打ち出しています。

 許されないことです。
 
 県内及び長野市上空でのオスプレイの低空飛行訓練に予断を許さない状況のもと、「オスプレイの配備・訓練中止を求める請願」の提出等と合わせて、引き続き、「自衛隊PKO部隊の南スーダンからの撤退を求める請願」提出を3月市議会に向け、準備を開始する予定です。

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