12月議会…課題と論点【その3】二つの施設の利用料金見直しに賛成

 12月議会定例会は16日、最終日に追加提案された国家公務員の給与改定に準じる職員人件費など1億6千万円余を追加する長野市一般会計補正予算案や教育委員・農業委員等の人事に対する同意案件を含め、53議案をすべて原案通り可決し閉会しました。

 市側から提案された議案には賛成・同意しました。

 議案の議決に関して、12月議会の課題と論点【その3】としてまとめます。
 【その3】の内容は予告から変更しました。

拙速な憲法改正発議を行わない…慎重な憲法論議を求める請願、全会一致で可決

 9月議会から継続審査となっていた「慎重な憲法論議を求める請願」は、請願趣旨を一部削除・修正したうえで、総務委員会で採択され、本会議では全会一致で可決しました。

 長野地区護憲連合が提出した請願で、紹介窓口議員となり、可決に向けて努力してきた案件です。議会を跨ぐことにはなりましたが、請願事項そのものには変更・修正はなく、最大会派の合意を得られたことから可決となったものです。

 安保関連法=戦争法の廃止を求める請願がことごとく否決されている中で、少しは長野市議会の良識を示すことができたと思います。
 ➡12月議会…課題と論点【その4】「慎重な憲法論議を求める請願」、修正のうえ可決

「南スーダンからの自衛隊撤退を求める請願」等は否決に

 しかしながら、市民から提出された「新任務を帯びた自衛隊PKO部隊の南スーダンからの撤退を求める内容の請願」をはじめ、「子どもの医療費窓口無料化を求める請願」、「医療制度や介護保険制度において自己負担額の増額の中止を求める請願」等を不採択とすべきとした委員会委員長報告には反対しました。請願そのものに賛成したということです。

 いずれの請願も、賛成16人、反対が22人(議長を除く)という結果です。賛成は改革ネット7人、共産7人、無所属2人です。
 最大会派=新友会と公明党の数の壁を打破することは容易ではありません。

老人憩の家・温湯温泉の利用料金引き上げには賛成

 老人憩の家の利用料金を150円から200円に引き上げる条例案や、温湯温泉湯~ぱれあの利用料金で高齢者60歳以上の入湯料金を250円から350円に引き上げる条例案には反対しませんでした。

 これまで、利用料金の引き上げ問題については、過度の負担増から利用が滞り市民活力の減退につながらないよう、凍結等を含め慎重な対応を求めてきています(賛否は議案ごとに異なりますが)。

 しかし、会派としての統一的対応を勘案し、この二つの議案は「やむを得ないもの」と判断しました。

 お叱りもあろうかと思います。ご意見をいただれれば幸いです。

老人憩の家利用料金200円に…審議会で市の提案220円を縮減

 入浴施設がある老人憩の家は市内に10施設あり、60歳以上の高齢者の皆さんの交流・憩いの場となっています。

 浴室利用料金はH22年7月に120円から150円に引き上げ、3年毎の見直しでは、H25年度は料金改定を見送り、H28年度において、市はコスト計算に基づき220円を社会福祉審議会に提案しました。

 しかし、審議会は負担の急激な上昇を緩和するため200円とする答申をまとめ、答申に基づく提案となっています。
 「改定後の利用状況を検証し、見直しの妥当性を確認したうえで、3年後に改めて利用者負担の見直しを検討する」という付帯意見が付きました。

 H27年度の延べ利用者数は10施設で約18万人で、実利用者数は約11,000人(内、約8割が施設近隣地区の利用者)と推計され、年齢区分では65歳以上の利用者が94%、70歳以上は78%くらいです。週1回以上利用する割合は65%となっています。

 また、利用料金について200円までを許容する割合が33.3%(アンケート結果)であったとされます。

 入浴関連に要するコストは5,742万円で、実費コストに基づく料金は一人あたり318円、コスト計算にあたっての基準に基づく料金は227円と試算され、入浴関連以外のコスト8,962万円、一人あたり497円(魏俊コストでは323円)分は無料で運営されているものです。

 市内の類似する入浴(温泉)施設の利用料金は、大人料金で、温湯温泉湯~ぱれあ、松代荘、鬼無里の湯、信州新町のさぎり荘などが510円。豊野のリンゴの湯、保科温泉、戸隠の森林囃子(もくもくばやし)などが410円に設定されています。

 老人憩の家は施設の性格が異なりますが、市が提案したコスト論に基づく値上げ案が抑制されていることなどを踏まえ、やむを得ないものと判断しました。

 H29年7月から新料金が適用されます。
 料金改定後の利用状況を検証し、今後の対応を考えたいと思います。

温湯温泉…60歳以上の高齢者料金の改定、250円を350円に

 もう一つの利用料金見直しが、温湯温泉湯~ぱれあの60歳以上の高齢者の利用料金を現行250円か350円に引き上げるものです。

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 H18年4月にオープンした「湯~ばれあ」は、15年間のPFI事業(民間の資金とノウハウを活用する手法)で整備された「健康増進・温泉施設」で、開業初年度から目標5万人を大きく上回り15万人を超える皆さんが利用しています。
 ➡【参考】温湯温泉「湯~ぱれあ」HP

 しかし、大人料金510円であるのに対し、60歳以上の高齢者料金を150円とし、特段の配慮が施されています。
 しかも、60歳以上の高齢者の利用が約85%を占めることから、経営的にはH27年度で420万円の赤字となっています。市はPFI事業者にサービス購入量として1億1,468万円支払っています。

 経営改善に向けた検討の中で、高齢者料金について340円(改定率1.36倍)、350円(改定率1.40倍)、360円(改定率1.44倍)の3案が検討され、老人憩の家の利用料金改定率1.33倍を考慮するとともに、PFI事業者=指定管理者側にも経営努力(100万円以内の赤字解消)を求める観点から、350円の改定案が提案されたものです。

 市では、H32年度にはPFI事業期間が終了し、通常の指定管理施設として運営することを見据え、高齢者利用が90%近くを占める状況を踏まえ、さらに検討する方向性を示しています。

 この値上げ案もやむを得ないものと判断し、条例案には賛成しました。

 この議案を審議した経済文教委員会(委員長を務めています)では、「次回の料金見直しにあたって、高齢者料金の設定や類似施設との料金の統一性を考慮し検討するよう」求める意見を委員長報告に盛り込みました。
 ➡「経済文教委員会委員長報告」…長野市議会HPへ
 

【その4】に続く

 ➡12月議会…課題と論点【その4】「慎重な憲法論議を求める請願」、修正のうえ可決