「復興計画」素々案…市議会全員協議会で質疑

「安全・安心」「生業」「賑わい」…三つの再生を柱に「復興計画」策定へ

長野市では行政内に復興局を創設し、災害復興の本格化を目指し、「復興計画」の策定に着手しています。

1月には「復興計画」作りを議論する検討委員会(委員長=松岡保正・長野高専名誉教授)が開かれ、被災者の意見を計画に反映させるため、浸水被害の大きかった市内6地区(長沼・豊野・古里・篠ノ井・松代・若穂)の住民自治協議会(自治協)役員6人が委員として参加。

「安全・安心」「生業」「賑わい」の3分野の「再生」を基本方針に掲げ、「地区別計画」も策定することに。計画期間は2020~24年度の5年間で、年度内に計画をまとめる考えです。

「復興計画」素々案の説明・質疑…市議会全員協議会で

2月5日、市議会全員協議会で「復興計画・素々案」が示され、質疑を行いました。

SBCニュースより

素々案では、被災者の孤立防止に向けた巡回訪問や被災児童生徒の通学支援、農家や事業所の再開・継続支援、被災地の地域公民館の復旧費用や地域活動への財政支援を盛り込むとともに、千曲川堤防決壊地点での「河川防災ステーション」設置の検討や被災者向けの「災害公営住宅」整備などを新たな施策として打ち出しています。

しかしながら、千曲川の抜本的な治水対策については、「国・県と連携して総合的に推進する」との基本的な構えを示すにとどまり、国が取りまとめている「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」の具体的な事業等の書き込みについては「調整中」とされています。

また、重要な「地区別計画」も、「公的サービス等の復旧・機能回復」や「治水対策」は「調整中」とされ、未完成のたたき台といった段階です。

市では、議会の意見や検討委員会での意見を踏まえつつ「復興計画・素案」には具体策を盛り込む考えを示しています。

改革ネットで4点、意見と要望

全員協議会では、「復興計画素々案」の説明を受け質疑を行いました。

会派は5分、無所属議員は2分といった限られた質問時間であること、また素々案が骨格的なたたき台であることから、改革ネットとしては、具体的な施策展開については素案段階の質疑とすることとし、理念・基本方針に基づく素々案の作り方・視点の補強という観点から、質疑を行いました。幹事長の私が質疑しました。

SBCニュースより。私が質問・提案している場面。

1点目は、安全・安心が実感できる具体的な地区別計画の策定についてです。

地区別計画は一番肝心な治水対策などが「現在調整中」とされ、未完の段階です。復興に向けた基本方針に基づく施策・主な取り組みと整合性をとり、地区ごとの個別特異性を踏まえた復興のまちづくりの方向生を具体的に盛り込み、被災住民にとって安全・安心が実感できるまちづくり像を示すものにすべきと指摘しました。

ボリュームのある復興計画案だけに、地区別計画を見れば「すべてがわかる」内容に豊富化することを求めました。

2点目は、ボトムアップの復興計画とするために「被災者アンケート」の声、意向を十分に踏まえた計画とすることです。

市では、半壊以上の被害を受けた約2600世帯を対象に「被災者アンケート」に取り組んでいます。また、市民を対象に「避難行動等に関するアンケート」を無作為抽出で取り組んでいます。

被災6地区で取り組まれている意見交換会での意見を踏まえることはもとより、被災者アンケートの結果を十分に分析し、計画に盛り込むことを強く求めました。

一日も早い復興計画の策定が求められていることは理解していますが、3月までに計画策定という時限にこだわり、住民の声の反映が不十分かつおろそかにならないよう釘を刺すものです。

3点目は、ボランティアとの連携による復興という視点を一つの重要な柱として打ち出すことが必要であるということです。

「素々案」では「賑わいの再生」の中で「関係人口の増加」や「ボランティアとの絆の継続」とボランティアについて触れられていますが、極めて不十分だと受け止めています。

今後の復旧・復興過程においても、NPOをはじめ災害ボランティア、復興ボランティアの取り組みが重要ですし、ボランティアセンターの継続的取り組みも重要です。

復旧の大きな原動力となったボランティアの力が復興においても不可欠であるという問題意識、視点を打ち出す必要があると指摘しました。

4点目は、計画の推進体制についてです。

「素々案」では、「災害復興本部による総括のもとに、復興局復興推進課を中心に庁内各課と連携し、横断的な連絡調整、総合的な進捗管理を図る」とされています。

被災地では、住民自治協議会が中心なって意見交換会が取り組まれ、長沼や豊野地区では恒常的な「復興対策委員会」等の設置が進められているところですが、被災地ごとに、住自協の役員にとどまらず被災者の意見も集約できる「復旧・復興対策協議会」(仮称)といった組織を特別に立ち上げ、住民とともに計画づくり、そして計画の進捗管理ができる仕組みを構築することが必要ではないか、また、こうした被災地区の取り組みに対応し、庁内にソサイチごとの特別なプロジェクトチームを作り、意見集約・進捗管理を行っていくことが必要ではないかと提案しました。

「素案作成の中で検討」との答弁…素案段階でしっかりチェック

答弁は、おおよそ「意見を踏まえ素案のまとめ段階で検討する」というものに尽きました。

この日の午後には、「復興計画検討委員会」が開かれ、地区代表の皆さんからは「具体性」を求める厳しい意見が相次いだようです。

2月中に取りまとめられる「素案」が、意見を踏まえた内容になるのか、しっかり検証し、被災者の皆さんにとって生活再建、生業再建に向け安心と希望につながる指針となるよう、さらに取り組みを強めたいと考えます。

2月21日に再度、全員協議会が予定され「復興計画素案」について説明・質疑を行うことになっています。