値上げラッシュ【その3】…水道料金、平均5.49%の引き上げ

値上げラッシュ【その3】は、ライフラインである水道料金の引き上げについてです。
安全・安心な飲料水、蛇口をひねれば…そのコストは避けて通れないと思いつつ、現段階での私見をまとめました。
水道蛇口写真

水道料金…平均改定率5.49%の引き上げへ

水道料金の改定を審議してきた長野市上下水道事業経営審議会は、H29年度から4年間の市の水道料金について、平均5.49%引き上げるべきとする答申をまとめました。

市は答申を尊重し、次を内容する料金改定案を3月議会に提案します。

➊H29~32年度の4年間を新料金算定期間とする。
➋平均改定率は5.49%とする。
➌資産維持費の算定に用いる資産維持率を年0.25%から年0.50%に設定する。
➍水道料金に占める基本料金の構成割合を30%から35%にするため基本料金を改定する。推量料金は据え置く。ただし、基本料金の割合を段階的に4割にまで引き上げる。
➎別荘用水道は下水道と合わせ、使用中止を認める。
➏H29年6月1日から新料金を適用する。

この改定案では、一般家庭に多い口径13ミリで、1カ月に15立方メートル使った場合、いずれも消費税抜きで現行の2,345円が2,505円(160円アップ)に、30立方メートルでは4,860円が5,020円(160円アップ)に値上がりすることになります。

新料金算定期間の4年間で12億8,200万円の増収を見込んでいます。

50年先を見据えた、建設改良費の財源確保のための料金引き上げ

実は、今回の改定は、水道事業が単年度で赤字になっているからではありません。

市上下水道局では、今後50年間の経営見通しを初めて試算し、50年後には給水人口が半減し、厳しい経営状況を迎えることが想定されるとし、老朽化する水道施設の更新や耐震化を早急に進めるには、将来の建設投資に備えた財源を確保する経営基盤の強化が必要であるとしました。

現行料金だと給水収益は57億9千万円が50年後には37億5千万円に減少すると予測するとともに、収益的収支が10年後には1億7千万円の赤字に転落すると見込みます。

老朽化した水道管の更新費用などには年22億円かかるとし、企業債(借金)残高を抑えつつ、基本料金の収入比率を高めていかなければならないとの考え方に立っています。

つまり、50年スパンで将来を見据え、老朽管の更新や耐震化に必要となる建設改良費の財源を今から確保していくための料金改定ということです。

公共施設マネジメントの観点からインフラの更新・整備も大きな課題であることから、上下水道局の問題意識は共有したいと思います。

負担側から見て持続可能なのか

しかし、今回の改定にとどまらず、4年ごとに計画的な料金引き上げが見込まれていることから、果たして、水道料金を負担する側からすると持続可能な制度設計になるのかが懸念されます。

水道料金の収入と借金で水道事業を維持していく構造から、県の関与による水道事業の広域化や、国策としての市町村水道事業の維持する新たな仕組みに転換させていくことが求められるのではないかと考えます。

市民感情で言うと、犀川北の市水道利用世帯と犀川南の県水道利用世帯との負担の格差が広がります。同じ市民でありながらライフラインである水道料金の負担が違うのは不公平ではないかとの声は必至でしょう。

県水道の市への移管、水道料金の格差なき平準化と抑制に向けた取り組みが問われていると考えます。

実施時期の再考の可能性を探りたい

今回の水道料金の改定はやむを得ないと考える一人ですが、水道事業の現状と課題について広く市民に理解を求めていく手立てをしっかりと講じることを求めたいと思います。
議決されれば、新年度の4月~5月に検針に合わせて料金改定のリーフレットを全戸配布する計画も示されてはいます。

しかしながら、水道料金の値上げのタイミングについては、再考を促せないものかと考えます。

放課後子ども総合プランや国保に始まり、値上げラッシュが予定される今日、また、可処分所得が上がらない一方、介護保険や医療制度において受益者負担が増大していることを考えれば、一時に負担を集中させるのではなく、ある程度平準化できないかという問題意識です。

赤字に転落していない中での、新しい視点に立った料金改定であることから、市民の十分な理解を得る努力も求められます。

1年から2年をかけて、ごみ回収の有料化の際に行われた区単位の出前講座の手法を用いて、丁寧な合意形成を図るべきではないでしょうか。

蛇口をひねれば、安全で安心な飲料水が提供される、当たり前になっていることなのですが、しかし、そのコストもしっかりと考えなければならないと思います。

これまた、ご意見をください。

三回シリーズで「値上げラッシュ」問題を取り上げました。

議決責任を果たしていくうえで、一議員としての私見をまとめたものです。
改革ネット・会派の中での協議はこれからです。