「市民総元気予算」と命名されたH30年度予算案

長野市は15日、総額1,499億5,000万円のH30年度一般会計当初予算案を発表しました。

2月23日から始まる3月市議会定例会に提案されます。

対前年度当初比で12.1億円、0.8%増です。

「市民総元気予算」と命名…

「市民総元気予算」と銘打ち、健康・予防の推進や福祉の充実、「ながのベジライフ宣言」と「カンバックtoながの」を合言葉に、子どもから高齢者まで、全ての市民の皆さんが、元気で、ともに活き生きと暮らしていける“ながの”を実現する予算と位置付けました。

市側の説明では、財政規律を堅持するため、歳出の過度な増大を抑制しつつ、国・県の補助金などの財源を最大限活用し、財政調整基金(貯金)の取り崩しを4.4億円削減したこと。そして、市債(借金)についても、世代間の負担の公平を調整することが適当な事業以外は、できるだけ発行抑制に努めたことがポイントとして強調されています。

H30年度当初予算(案)【概要版】
H30年度予算(案)のポイント

【信濃毎日新聞より】

【信濃毎日新聞より】

三つの「よぼう」のキーワード

また、予算編成のキーワードとして、「予防」「呼ぼう」「輿望」の三つを挙げました。

「予防」は健康づくり「ベジライフ宣言」、「呼ぼう」は「カムバックtoながの」につながるキーワードでしょう。

「輿望」とは市民の声を聴く、いろいろな意見を聴くという意味で、行政だけでなく市民と共に、市民の声を聴きながら一緒に進めていくという意味あいを込めて、三つの「よぼう」にしたと説明されました。

約1500億円というなかなか実感がわかない予算案をわかりやすく解説したい、見える化したいとの問題意識は理解するのですが、でも、三つ目の「輿望」という言葉は一般的ではありません。大辞林では「世間の人々から寄せられている期待。衆望」と説明され、 「輿望を一身に担う」という表現になるそうです。でも、やっぱり、わかりづらい!!です。

新規事業・拡大事業の効果を厳しく見極めたし

スローガン上では、加藤市長2期目の問題意識を色濃く反映したものとなっていますが、「健康づくり」と「魅力ある産業・安定した雇用づくり」という視点から、具体的な政策・施策の展開において新規事業がどれだけ盛り込まれているのか、あるいは既存の施策を二つの視点から連携させつつ魅力ある施策として拡充されているのか、しっかりと検証して、3月議会の議案審査に臨みたいと思います。

とくに、健康づくりに関しては、「守る健康」施策の拡充と、「創る健康」という視点から食習慣・生活習慣の改善にとどまらず、総合的な健康行政の展開の必要性を痛感します。

例えば、山口県宇部市の「健康づくり推進条例」の制定による市を挙げた施策展開、2月に会派で視察した静岡県藤枝市の「“健康・予防日本一”ふじえだプロジェクト」や「健康マイレージ」の取り組みは参考にしたいものです。

公共施設の再編・維持に向け「基金」が造成

公共施設の縮減や統廃合などの本格化に備え、特定目的の「公共施設等総合管理基金」がようやくスタートすることになりました。「ようやく」というのは、公共施設の維持管理に必要な財源として基金を設置し備えることを、公共施設白書の策定時から提案してきたからです。

市役所第1庁舎や市芸術館建設のための基金を廃止して積立金を引き継ぎ、初年度は24億300万円を積み立てることに。3月議会に基金新設のための条例案が提案されるとともに、積立金はH29年度一般会計補正予算案に基金分として盛り込まれました。

基金積立金の目標と使い方については、まだ「バク」としているようです。H30年度中にまとめられる個別施設の見直し方針を踏まえ、必要経費や活用方法を検討するとしています。要チェックです。

元気が削がれる負担増も

新年度では、放課後子ども総合プラン(児童センター・こどもプラザ)の有料化、介護保険料の引き上げ(基準額で5,670円に、180円、3.3%の増)、さらには、国民健康保険事業の県単位化により、H30年度は保険料が据え置きされるものの、H31年度、H33年度にそれぞれ0.30%(一世帯当たり4,300円)引き上げを盛り込んだ「第1期財政健全化計画」が策定されました。

市民負担の増については、国の制度設計によるものが多く、自治体の取り組みとしてはやむを得ないものがあることを否定するものではあませんが、「市民総元気予算」の掛け声が、市民の心に響くのか、いささか疑問が残ります。

様々な市民負担の増に対し、市独自のセーフティネットの拡充が問われていると考えます。