安茂里地区の避難勧告から一夜明けて…浮かび上がる課題

記録的な大雨で、全国各地に土砂災害や浸水・河川の氾濫を及ぼした台風16号。

長野市でも、20日16時50分に土砂災害警戒情報が発表され、18時26分に安茂里や中条地区に避難勧告が発令されました。

避難勧告から一夜明けて、小規模な土砂崩落はありましたが、人命や財産に及ぶ被害がなく何よりでした。

細分化されわかりやすくなった避難地域指定

今回の避難勧告は、かなり細分化され、わかりやすくなりました。
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緊急エリアメールでは、安茂里山間部、小市1丁目、小市2丁目、小市3丁目、小市4丁目/伊勢宮1丁目/小柴見/平柴/平柴台/篠ノ井小松原/中条御山里、住良木、日下野、日高/中条山間部といった具合に地域が指定されました。

昨年6月の避難勧告では、安茂里地区は「安茂里山間部」といった大くくりでした。

災害対応システムの高度化で精度が高まっているようです。

10世帯23人が避難

土砂災害警報、そして避難勧告の発令に伴い、避難所となった裾花体育館、安茂里体育館や安茂里支所を巡り、避難住民のお見舞いを兼ねながら、避難所の開設・運営、被害状況をチェックしました。

安茂里支所隣の裾花体育館で

安茂里支所隣の裾花体育館で


二つの避難施設には、区長さんや消防団の皆さんらが駆けつけていただき、心強い限りでした。市職員の皆さんも大変お疲れ様でした。

21日0時15分の避難勧告解除までに、地元の安茂里地区では、裾花体育館(安茂里支所隣)に延べで8世帯16人、安茂里体育館(小市)に延べ3世帯7人、また伊勢宮公民館に1人が自主避難しました。

浮かび上がる課題…まずは3点

今回の避難勧告、避難住民の受け入れ態勢から見えた課題を何点か指摘したいと思います。
既に危機管理防災課には伝えてあります。

一つは、毛布や水、非常食の配送体制です。

裾花体育館に防災備蓄品が届いたのは20時30分頃、安茂里体育館には21時頃でした。
避難勧告発令から2時間、2時間半要することに。昨年の時は3時間かかりましたから多少は短縮されていますが、なかなかの時間です。

届けられた備蓄品

届けられた備蓄品


危機管理防災課によると、鍋谷田小学校の防災備蓄倉庫から、備蓄品を安茂里地区の二つの体育館、篠ノ井小松原体育館に配送したとのことですが、倉庫には非常電灯がなく、手探りに近い状態で備蓄品を揃えることなどに時間を要したとのことです。また、食料品等について市で購入し現物支給することも考えたそうですが、避難住民の人数が把握できないことから見送ったことも若干の時間ロスになったと思われるようです。

中条地区の中条会館は施設内に防災備蓄倉庫があり即対応できたとのことです。

避難住民の人数や避難の時間帯にもよりますが、危機管理防災課一本の対応から支所を中心とした備蓄品配送体制を考慮したほうが現実的であり迅速な対応が可能になるものと思われます。
安茂里地区の場合では、安茂里支所の職員より、裾花中学校の備蓄倉庫からの配送がより迅速な対応となります。支所に対応できる職員がいることが前提となりますが。
実際に、今回は、支所長の判断で裾花中学校の備蓄倉庫から非常食等を持ち出しました。

避難所となった小市の安茂里体育館のグランドに、今年度中に防災備蓄倉庫が配備されますから、区長等の判断で備蓄品の迅速な活用を可能となります。

二つ目は、指定避難所における臨機応変な対応です。

小市の安茂里体育館はスリッパもない状態で、しかも毛布等が届かず、「足元が冷える」との声が寄せられ、小市区長や消防団と相談して、体育館に隣接している小市公民館の和室(2階)に移動してもらいました。もちろん、危機管理防災課の承諾を得ましたが、「責任の所在」を問われる一幕も…。

裾花体育館の場合も、隣接する支所・公民館の和室を利用するといったことが考えられます。

マニュアルを基本にしつつも、現場判断で臨機応変に対応し、住民の安全と安心な体調管理を考える必要があるでしょう。

三つめは、非常食等の品質管理です。

裾花中学校の備蓄倉庫から持ち出した非常食はアメリカ製の輸入品ですが、「製造年月」が1998年6月、「品質保持期限」は2008年6月と記載されたもので、6年前に期限が切れているものでした。
現場では、「大丈夫なのか」といぶかる声が上がったのは当然の成り行きです。これまで危機管理防災課からは、非常食等の更新を随時行っていると聞いていましたから、更新漏れなのか、放置されているのか、今日、危機管理防災課に問い合わせました。
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担当課では、品質保持期限はいわゆる賞味期限であり、製造メーカーからは「缶の外部が腐食していない状態で、標準室温(20℃)以下で正しく保管された場合、25年間の長期保存が可能」とされていることから、「非常食としての安全性は保持されていると考え、25年間スパンの更新を基本にしているが、課題はある」としています。

この備蓄食はサバイバルフーズ(米国)のフリーズドライ製品で「25年備蓄」を売りにしているものです。
サバイバルフーズのHPへ

支所で試食?しましたが、塩味が強いものの、食材の形も維持されてなかなかの味ではありました。お腹も壊していませんが…。
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でも、標準室温20℃は、真夏の備蓄倉庫ではありえないことですから、日本の食品衛生法やJAS法、また製造物責任法に照らして考える対応が求められるのではと思います。
この点については、もう少し調べます。

避難所の開設・運営に関しては、災害の態様や規模によりますが、より迅速な避難所の運営、避難住民の安全確保、体調管理の面から、地元との連携のあり方、役割分担のあり方を再検討していく必要があると感じています。

これからの課題です。