改革ネット…市長選予定候補に公開質問

10月22日に告示される長野市長選挙まで3カ月を切りました。
信濃毎日新聞は23日、「告示まで3カ月、予定2氏 態勢つくる夏」の見出しで、出馬を表明している加藤久雄氏(現職)と土屋龍一郎氏(新人)の動きを追う特集記事を報じました。
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両陣営ともに市長選挙に臨む具体的な政策を発表していません。
市民の間の関心事としてはまだまた低い状況で、政策論議はこれからといったところでしょう。
また、共産党系の団体の動向も定まってはいない状況にあります。

本格化するのは盆明けでしょうか?

私自身は、現市政に対し是々非々で臨んでいるとはいえ、4年前の市長選挙では現職を推してはいませんから、ある意味、批判的なスタンスで臨んでいます。
できれば、野党共闘を柱に幅広い市民が結集できる対抗軸を提起できないものかと他力本願的に思案し続けていますが、現実的には”なかなか…?!”といった状況です。

こうした中、市議会の改革ながの市民ネットとして、活発な政策論議が展開され、市民の選択と負託に応えられる選挙戦になることを願いつつ、それぞれの予定候補者の抱負、重要政策への考え方を公開質問の形で問うことにしました。

8月10日までに回答を要請していますが、改革ながの市民ネットとしての市長選対応の検討の素材としたいと考えています。

新たな出馬表明があれば、さらに対応したいと考えてはいるところです。時期の問題は残りますが。

公開質問状をアップします。PDF版はこちらです。

かなりボリュームがありますが、私たちの基本的に考えを示したうえで回答を求める形にしています。

片や現職、片や新人ということもあり、各論にはあまり踏み込まず、問題意識・考え方にウェイトをおいた質問にしました。

なお、重要政策すべてを網羅するものではないことを付記しときます。

長野市長選挙予定候補者に対する公開質問状…はじめに…

市長には、人口減少、少子超高齢社会の本格化、格差と貧困の拡大という現況に立脚し、未来に向かい、市民一人ひとりが幸せを実感し、安心な暮らしを享受し続けることができる市政運営とリーダーシップが求められています。

平成28年度長野市まちづくりアンケートでは、「特に力を入れるべき施策」(行政施策の優先度)で、「安定した雇用の確保」が8年連続でトップに、そして、「バスや鉄道などの移動手段の確保」「子育て支援の充実」「介護予防の充実、介護サービスの充実」「医療体制の整備・充実」「商店街などの商業の活性化」と続きました。この傾向は基本的に変動していません。

こうした市民の声、要望を行政施策の優先度を図る重要な物差しと位置づけ、市民から見てメリハリの利いた政策・施策展開が求められているところです。

地域における安定雇用の創出とそれを支える地域循環型産業の構築、暮らしやすさ・住みやすさを広げる生活・都市インフラの充足、医療・介護の充実による健康寿命の延伸、次代を担う子どもたちの学びと育ちを支える教育の再構築、子育て・子育ち支援の拡充、貧困の連鎖を食い止める総合的な支援策、災害に強いまちづくりの具体策を提示し、市民生活に活力と元気を実感できる市政運営が展開されること、とりわけ、行政と市民は対等であり「協働のパートナー」である関係を深く認識し、「市民自治を醸成する風通しの良い市政運営」「地域重視の現場第一主義」を誠実に実行する基本姿勢が問われるところです。

また、地方分権・地域主権の時代、市民が主役となる市政を実現するためには、情報公開と説明責任が不可欠です。特に政策・施策の形成過程における市民参画を重視し、市民の理解と合意形成に謙虚に心を砕くことも市長の資質として問われています。

私たち長野市議会「改革ながの市民ネット」は、迫る市長選挙に向けて、活発な政策論議が展開され、市民の選択と負託に応えられることを願い、予定候補者に公開質問状を提起することにいたしました。

ついては、8月10日までに、率直で真摯な回答をお寄せいただくことを願うものです。

なお、回答内容は市民に公開するとともに、改革ながの市民ネットとしての市長選対応の検討の素材とさせていただくことを申し添えます。

長野市政に臨む基本姿勢と重点政策に関する15の質問

あなたの公約のキーワード、最優先する政策課題は何ですか

これからの市政運営にあたり、あなたが市民に最も訴えたいことは何ですか。予定候補者として掲げる公約のキーワード、最優先する政策課題、及びその理由等をお聞かせください。

税の使い方…何に重点投資しますか

長野市政の政策・施策は多岐にわたりますが、私たちは、市民が納得できる税の使い方として、雇用確保、医療・福祉・介護、教育・子育て支援、公共交通の維持確保、災害対策を重点にした政策・施策展開が必要であると考えます。

とくに、教育への投資、公共交通への投資、医療・介護への投資をカギとし、また、納税民主主義の観点から、政策決定過程への市民参画、情報公開も課題であると考えます。

また、公契約において税金等が有効に使われ、地域経済の活性化につなげていくことが重要です。

ILO94号条約(公契約における労働条項)を重く受け止め、地域の公正労働基準が担保される公契約にしていくため、公権力的な規制を規定しない他市の公契約条例及び長野県の契約に関する条例等を踏まえ、市の公共工事や委託事務の品質確保、ダンピング受注の排除、労働者への適正賃金の支払い等を担保する長野市公契約条例の制定が必要であると考えます。

あなたの考え方を伺います。

不可避な人口減少にいかに対応しますか

人口減少が進んだとしても、いかなる自治体においても、最終的担い手として、住民生活の基盤となる公共サービスを提供する義務があり、公共サービスをいかに確保できるようにしていくのかという視点が必要です。地域の資源を生かしながら、若い世代の生活を支えて子どもの数を増やし、地域が継続していくことを中心に考えていくべきでしょう。

人口減少に歯止めをかけるため、移住・定住の促進、働き続けられる雇用環境の整備など必要な手立ては講じることは重要です。

しかし、過疎地域、中山間地域でも住み続けられる環境を如何に再構築するかがより大切であると考えます。

人口減少を積極的に受け止め、過剰な都市間競争・自治体間競争を脱却し、人口減少時代に軟着陸し住み続けられるまちづくりへの転換が問われていると考えます。

あなたの考え方を伺います。

格差と貧困にどのように臨みますか

右肩上がりの経済成長時代は既に終焉しています。一方で、非正規雇用の拡大、長時間労働・過労死、ブラック企業の問題、子どもの貧困など、所得格差の拡大、新たな貧困の拡大が社会問題となっています。

経済成長に固執せず、市民生活に広がる格差と貧困に光をあて、総合的な格差・貧困対策が求められます。

あなたの考え方を伺います。

医療・介護の充実、健康寿命の延伸にどのように取り組みますか

介護が必要になっても、住み慣れた自宅や地域で可能な限り自立した日常生活を続けたい、これが市民の切実な願いです。そのためには、 住宅、医療、介護、福祉、生活支援等を切れ目なく保障する仕組みが必要です。

しかしながら、「地域医療・介護確保法」による「地域包括ケアシステム」の構築は、国の責任を後退させ、市民負担の増大とサービスの削減が懸念される状況にあります。

また、「自助」(自らが働いて自らの生活 を支え、自らの健康は自ら維持する)と、「互助」(家族や親族、地域の助け合い)を基本とし、医療保険や介護保険などの「共助」で対応できない場合のみ生活保護等の公的扶助や社会福祉などの「公助」を補完するという方向を示しています。これでは社会保障のセーフティネットが脆弱になってしまいます。核家族化と過疎化が急速に拡大する中、「自助」や「互助」を基本としたシステムが成り立つのか、疑問です。

さらに団塊世代のすべてが75歳以上の後期高齢期に入り、一挙に医療・介護需要が増大し始める 「2025年問題」への対応も求められます。

地域の特性を重視し、真に住民の生活を支え、誰もが、地域で安心して生活が続けられるよう市としての医療・介護施策を強化し、あわせて住民の自発的な地域支援活動を醸成していくことが大切であると考えます。

あなたの考え方を伺います。

求められる子育て支援先進都市の具体策は何ですか

「質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供」、「保育の量的拡大・確保、教育・保育の質の改善」、 「地域の子ども・子育て支援の充実」をめざす「子ども・子育て関連3法」に基づき、「子ども・子育て支援新制度」が実施されています。

子ども・子育て支援の強化は喫緊の課題です、国による財源確保が大きな課題として残っているとはいえ、幼児教育や保育の質の向上、保育士・幼稚園教諭等の人材確保や労働環境の改善など、自治体が率先して取り組むべき課題となっています。

待機児童ゼロとされる長野市にあっても、子育て世代が要望する「経済的負担の軽減」の声にしっかりと耳を傾け、保育料等のさらなる軽減策をはじめ、子育て世代の要望に応えていくことが重要です。

若者世代の結婚・出産・育児を支える総合的な支援策も重要です。

また、子どもの放課後の安全・安心な居場所づくり事業である「放課後子ども総合プラン」は平成30年度から有料化される予定となっています。
私たちは、有料化について、保護者の所得格差、居住する地域特性により、放課後の安全な居場所を子どもたちから取り上げてしまうことにつながることから反対してきました。

全ての子どもたちに、生活・遊びの場であり学習の場である放課後の安全な居場所を保障するため、有料化方針の見直しはもとより、「放課後子ども健全育成事業」と「放課後子ども教室事業」を一体的に進める「長野市版放課後子ども総合プラン」の制度設計の見直しが必要であると考えます。

さらに、子どもの権利保障を推進するために「子どもの権利に関する条例」を制定することも重要です。

あなたの具体的な考えを伺います。

教育の機会均等、子どもの学びにどのように取り組みますか

現在、市教育委員会では、学力向上策を体系化し、「自立した18歳」をめざす人間像とする「しなのきプラン29」を踏まえつつ、「活力ある学校づくり検討委員会」(諮問機関)を設置し、小・中学校における少子化に対応した新たな学校づくりの在り方、学校の規模、配置及び通学区域について検討しています。

義務教育課程において、人口減少による児童・生徒の減少を見据えた学校の在り方を検討するもので、市街地、中山間地域のそれぞれの地域特性を考慮しつつ小中一貫教育・連携教育の在り方の基本方針をまとめることになります。

公共施設見直しの対象の一つでもある学校施設は、地域コミュニティーの核であることに注視し、安易な統廃合に偏ってはならないと考えます。

そのうえで、子どもたちの教育の機会均等を堅持しつつ、「小1プロブレム」、「中1ギャップ」、「高1クライシス」と言われる、環境変化に対応できる切れ目のない学びの連続性、こどもの発達段階に応じた教育課程の再構築が重要であると考えます。

また、雇用が劣化し格差が拡がる中で、子どもの貧困の問題が顕在化しています。本人の責任ではない生まれ育った環境によって、人生のスタート以前の段階から不利な条件を押し付けられ、学習や医療、就職の機会など当たり前の権利を奪われることがあってはなりません。世代を超えて格差を再生産し固定化することにつながる教育の場の格差をただし、全ての子どもたちに公平な学習の機会を保障することが絶対に必要です。

「一人ひとりは違い、かけがえのない存在として平等である」―憲法、教育基本法、子どもの権利条約等を貫く「子どもの最善の利益」の考え方に基づき、地域の特性に応じた教育再編が急務となっています。

新たな市長任期中には新しい学習指導要領が移行期間を経て全面実施されることになります。

活力ある学校づくり、小中一貫教育の在り方、子どもの貧困に関する考え、また新学習指導要領に対する考え方を伺います。

歩いて暮らせる公共交通優先のまちづくり、渋滞解消にどのように取り組みますか

「衣食住」に加えて、「交通」の確保は、地域の再生に必須の課題です。交通政策基本法や改正地域公共交通活性化・再生法や改正都市再生特別措置法、改正中心市街地活性化法により、コンパクトなまちづくりとともに公共交通ネットワークの再構築に関する施策の策定・実施が自治体の責務に位置づけられました。

特に地方都市においては、公共交通ネットワークの縮小やサービス水準の一層の低下が懸念される一方で、人口減少社会において地域の活力を維持し、強化するためには、まちづくりと連携して、地域公共交通ネットワークを確保することが喫緊の課題となっています。

あわせて、ノーマイカー運動の再構築をはじめ、自治体の政策誘導による公共交通利用促進策の具体化も待ったなしとなっています。

長野市では、公共交通ビジョンに基づき、地域公共交通網形成計画が策定されます。

地域公共交通の活性化・再生に向けたあなたの考え、公共交通の利用促進、渋滞解消に向けた具体策について意見を伺います。

ユニバーサルデザインによるまちづくりにどのよう取り組みますか

「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(通称・ハートビル法)と「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(通称・交通バリアフリー法)が統合され、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称・バリアフリー新法)が施行され10年余となりますが、市民生活におけるさまざまな障壁は依然として解消されていません。

今日、ユニバーサルデザインの観点から高齢者・障害者等の弱者を区別せず、全ての市民が利用可能な環境づくり、まちづくりの促進が求められています。

あなたの考えを伺います。

公共施設の再配置・長寿命化にどのように取り組みますか

「公共施設等総合管理計画」(再配置計画及び長寿命化計画)の具体化には、市民の理解と合意が不可欠です。

コスト論に偏る安易な施設の廃止・統廃合、民間移譲にはより慎重な検討が必要です。

施設の統廃合の検討においては、市民ワークショップ等の手法がとられているところですが、全ての施設を対象とし、ゼロベースでの市民ワークショップ等の手法を充実させ、市民との十分な合意形成を図ることが重要です。

また、公共施設マネジメントにあたり、資産活用の視点から、財政、予算執行と連動した一元的な庁内推進体制を構築することも重要です。

あなたの公共施設のあり方に関する考え、総合管理計画の具体化にあたっての考えを伺います。

中心市街地と中山間地域の均衡ある発展にどのように取り組みますか

市は国認定の中心市街地活性化基本計画に基づき、この10年間、中心市街地に大きな投資をしてきました。しかしながら、権堂地区をはじめ、賑わいの創生は依然として課題を残しています。

とりわけ、権堂地区再生計画の見直しによる大型商業施設を含む再開発事業の在り方は市民の大きな関心事です。大型商業施設ありきで安易に税を投入していく考えは是としません。中心市街地全体を俯瞰した商業施設のあり方を抜本的に検証することが優先されなければならないと考えます。

中心市街地活性化に偏った投資ではなく、中山間地域との均衡ある発展を重視した投資こそが求められます。

あなたの中心市街地活性化、権堂地区再生の在り方、中山間地域との均衡ある発展についての考えを伺います。

災害に強いまちづくりにどのように取り組みますか

地震の続発、深刻な風水害の発生の中、災害に強いまちづくりも喫緊の課題です。

長野市では、「地域防災計画」を国基準の見直しに伴い必要な改定を行ってきているところですが、災害時における避難の周知徹底と安否確認体制の確立が大な課題となっています。

日常的な防災意識の向上が求められるところですが、全世帯配布されている地震・洪水・土砂災害のハザードマップの周知とマップを活用した防災訓練の実施など、平時からの備えが重要です。

また、防災備蓄倉庫の設置と備蓄品の拡充、耐震化促進計画に基づく公的施設の耐震化、特定建築物及び一般住宅の計画的な耐震化を促進するとともに、避難所施設の配置と態勢の見直しも、予算の前倒し確保とともに課題となっています。

災害被害を減少させる手立て、災害に強いまちづくりについて、あなたの考えを伺います。

市民との協働について、どのように考え、どのように取り組みますか

都市内分権の考えに基づき、住民自治協議会が発足して10年を迎えます。自発的な住民の自治活動が基本とされているにもかかわらず、担い手不足が課題となる住民自治協議会の現場には、「行政の補完、下請けになっている」といった「やらされ感」を指摘する声が少なくありません。

住民自治協議会の成熟度を高めるため、財源・権限をさらに住民自治協議会に委譲し、また住民自治協議会の財政運営において自立の観点から住民主体による活用の自由度を保障し、「やりがい感」につながる真の住民自治組織への移行を支援していくことが重要です。

また、住民自治協議会が主体となってまちづくりを進めるため、「まちづくり・自治基本条例」を策定し、市民との協働の質を高めていくことが重要です。

あなたの考えを伺います。

憲法遵守、人権確立、男女共同参画について、どのように考え、どのように取り組みますか

「地方自治は民主主義の学校」です。住民自治と団体自治を包含する憲法第92条の「地方自治の本旨」、地方自治法第1条の「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」とされる自治体の果たすべき役割に真摯に向き合うことが重要です。

今日、国策により、日本国憲法の理念が大きく捻じ曲げられようとしている時だけに、地方公共団体及び市長には、憲法第99条の憲法尊重擁護義務に基づき、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の憲法理念を守り活かすことが問われています。

また、障害者差別解消法、部落差別解消推進法等により、あらゆる差別を許さず、人権を確立していくことも地方自治体の大きな役割となっています。

市内では、いまだに深刻な部落差別事象が後を絶たず、障がい者等への差別、合理的配慮の提供の欠如も、依然として大きな問題となっています。

さらに、男女平等、男女共同参画社会は多様性を認め合う社会の基本です。市行政における政策決定の場への女性参画、女性職員の登用をはじめ、住民自治協議会における女性の参画促進が求められます。

いずれも、市行政が率先して取り組むべき課題となっています。

市行政において憲法理念を活かすこと、人権確立、男女共同参画について、あなたの具体的な考えを伺います。

二元代表制に基づく市長と市議会の関係について、どのように考えますか

市議会は、二元代表制のもと、議決権を有する市政の意思決定機関です。市議会と市長は、相互に対等な関係にあり、市政運営の両輪として緊張ある関係を保持し、相互の理解、協力の上でそれぞれの職責を果たすことが重要です。

議会としての職責を果たすためには、市政の監視及び評価に耐えうる情報の速やかな開示と提供が不可欠です。市長の基本姿勢として、議会軽視は市民軽視に他ならず、厳に戒められなければなりません。

あなたの市議会との関係にかかる考えを伺います。

以 上