市民と議会の意見交換会…4つの政策テーマで

5月27日、長野市議会主催で「市民と議会の意見交換会」を開きました。

災害対策、観光振興、公共交通、水道事業広域化など市議会の4つの特別委員会の調査研究テーマに沿った分科会方式で、オンライン参加を含め57名の市民の方に出席いただきました。ありがとうございました。

私は所属する「公共交通対策調査研究特別委員会」の委員として、「利用しやすい公共交通について考えよう」の分科会に参加。4分科会の中では一番参加者が多く定員18名一杯の申込がありました。

R4年度のまちづくりアンケートでは、「防災・減災対策の推進」がトップで、2番目に高かったのが「バス・鉄道など利用しやすい公共交通の構築」。市民の皆さんの関心が高く、要望が強い政策課題であることの表れです。

参加いただいた市民の皆さんと

今年の参加者の特徴は市街地の皆さんが多かったことでしょうか。赤ちゃん連れのママさんの参加は画期的でした。

芹田地区住民自治協議会の皆さんからは、モビ(KDDIとウィラーが展開するデマンド交通)を活用した地域内乗合タクシーの調査研究が報告され、この調査事業に関わる信州大学准教授からも、新しい交通に仕組みの必要性が提案されました。

事業者の立場で参加いただいた県タクシー協会会長を務める「つばめタクシー」社長(6月1日付で長電タクシーと統合)からは、コロナ禍によるひっ迫するタクシー事業の現状が訴えられるとともに、「モビ」デマンド乗合タクシーに対し、持続可能性や運行エリア外・周辺住民との不公平さなど疑問も投げかけられました。

また、医療生協に関わる市内市街地北部在住の方からは、交通空白地域で循環バスの模擬導入実験の取り組みが紹介されました。

買い物や通院にもっと便利な公共交通をとの要望が多く出され、福祉自動車の運用の拡大や中心市街地ぐるりん号のコースの拡充、ノンステップバスの導入促進、路線バスの最終便の繰り下げやくるるカードのチャージの利便性の向上、路線バスとぐるりん号(市営バス・市営乗合タクシーを含めて)の乗り継ぎ割引などの意見が寄せられました。市民協働サポートセンターから参加された方からは「車を持つよりタクシー利用の方が安上がりになる。意識の変容が大事」との意見も。それぞれ貴重な意見をたくさんいただきました。

信州新町地区で始まっている市営バスのオンデマンド化は、今年度、中条地区に拡大、そして芋井・鬼無里・戸隠地区への導入の検討が進んでいますが、定時・定路線の交通からデマンド方式の交通網の整備は、中山間地域だけでなく市街地においても求められる大きな課題となっています。路線バスの利便性の向上と合わせ、路線バスと連結する地域オンデマンド交通の整備に向けた検討が急がれます。

松本市では今年4月からアルピコ交通の路線バスや市の循環バスに公設民営を導入し、行政の関与を詰める中で最適な地域交通網の整備に乗り出しています。

特別委員会の任期はあとわずかですが、意見交換会の意見を踏まえながら、利用しやすい公共交通をめざし、効き目のある施策の提言につなげたいものです。

公共交通の長野市モデル、知恵を絞って実現にこぎつけたいものです。

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