善光寺御開帳に4億8,600万円もの巨額が…次につながる投資に

北陸新幹線の金沢延伸が来年3月14日にスタートします。新しいダイヤが発表され、41往復が長野駅停車となるなど善光寺御開帳の盛り上げムードと重なり期待が広がる一方、通過駅とならない観光振興策が課題となっています。

善光寺御開帳の幔幕デザイン

昨日の市議会への説明で、御開帳時に長野駅善光寺口に掲示する幔幕の新しいデザインが示されました。シティプロモーションのロゴである「ご縁に〇」をデザインしたものです。前に比べれば良くなったとは思いますが…。「ご縁の花が開く」イメージだそうです。「ご縁」マークを作成した広告会社「おくとプロ」による無償提供デザインとのこと。「タダだから」というつもりはありませんが、皆さんはどう見られますか。
御開帳幔幕
御開帳バナー① ⇒ 御開帳幔幕②

市長直轄プロジェクトを議論

さて、新幹線延伸・善光寺御開帳対策プロジェクトに係る補正予算を審査した総務委員会で、私は、市長肝いりの直轄プロジェクトで4億8,600万円もの巨額を投資することについて、その実効性・有効性を論点に問題提起しました。

「善光寺あっての門前町・長野」とはいえ、渋滞対策は必要であるものの、一宗教法人の行事に市行政が5億円近い税金を投入することが、果たして妥当なのだろうかとの想いから(政教分離問題はクリアーしています)、補正予算案に賛成するかどうかを検討した課題の一つです。結果として、次につなげることを強く求めて賛成はしましたが、これからの取り組みを厳しくチェックしなければならないと考えています。

総務委員会委員長報告に盛り込まれた論点

意見とした述べた主要な論点は、総務委員会委員長報告に次のように盛り込まれました。

「前回の御開帳時における観光振興対策等の事業費と比較し、今回は市長の強い思いが込められる中、ウェルカム長野2015実行委員会への負担金約2億5,000万円に加え、交通渋滞対策や周遊キャンペーンなどの観光振興関係予算を含めると大幅な増額が見込まれる。このように大きな投資をする以上、一定の展望を持つことが必要であることから、各住民自治協議会等による「にぎわいイベントの実施」など、ウェルカム長野2015実行委員会の事業等を、その次の御開帳までに、どのように継承していくのかを課題としてとらえ、これを契機とした新たな伝統に向けた道筋を立てるべく取り組みを要望する」

6年前の御開帳に比べ、3億7千万円も増加

前回2009年(H21年)時の御開帳では、「善光寺イヤーキャンペーン」として善光寺御開帳関連事業に特化した補助金として5,000万円余、交通渋滞対策に6,300万円余を投入し合計で1億1,400万円でした。

今回は、「善光寺表参道キャンペーン」として松代や戸隠への周遊を含めた全市的なキャンペーンとして1億3,500万円、交通渋滞対策に1億300万円、そして新規にウェルカム長野実行委員会への負担金として2億5,000万円、合計で4億8,600万円もの巨額が投資されることになっています。
6年前の御開帳に比べ、3億7千万円もの巨額を投資するものです。

「善光寺御開帳2015日本一の門前町大縁日」をキャッチフレーズとするプロジェクトは、御開帳期間中(4月5日から5月31日の2カ月間)に、「おもてなし空間の演出」として長野駅善光寺口の幔幕や中央通りのバナー装飾などに3,000万円、「おもてなし環境の充実」として無料お休み処、街角野点サービス、運営ボランティア等にかかる費用として1,100万円、「にぎわいイベントの実施」では中央通りやセントラルスクゥエア、トィーゴ広場での各種イベントに2億1,700万円をかけるものです。
渋滞対策では、WEBカメラ設置による渋滞情報のリアルタイム・インターネット配信など新たな対策が盛り込まれています。

「無駄な投資にしない」…緊張感ある構えを

新幹線延伸の機会をバネにして善光寺御開帳を盛り上げ、「まちに賑わいを」との想いは共有したいとは思います。
しかし、御開帳期間中の2カ月間に2億5千万円、前回に比べ3億7千万円もの巨額を投資するだけに、「無駄な投資に終わらせない」緊張感を持った構えが重要です。
「市長肝いりだから」では済まされません。

例えば、2億円あれば、福祉医療費を中学生までに拡大することが十分にできます。優先的に投資したい事業がたくさんあります。

「次につながる投資」「新しい伝統を作る投資」との位置付けで、展望を持った取り組みが不可欠です。このことを強く求めました。

善光寺自身の負担金増も課題

善光寺事務局の前回御開帳の対策負担金は1,700万円でした。今回の御開帳に向けての善光寺負担金は同額を見込んでいるそうです。
正直、「えっ、それだけ」って感じです。

観光バスや自家用車を善光寺裏の駐車場に誘導し、「裏から参拝」はかねてからの懸案問題です。駐車場収入は善光寺にとっては大きいのかもしれませんが、「表参道から参拝を率先してこそ、天下の善光寺でしょう」といいたいところです。
善光寺事務局には、「善光寺商法」とも揶揄されるあり方を改めるとともに、負担金の大増額を求めるところです。

善光寺御開帳に705万人、経済波及効果1,124億円の予測

ウェルカム長野2015実行委員会では、来年春に行われる善光寺御開帳の参拝客が前回を32万人上回る705万人に、経済波及効果では139億円多い1,124億円に上る予測をまとめました。新幹線延伸効果が見込まれるとします。

経済波及効果1,124億円は魅力的な数字ですが、一過性に終わらせない取り組みが重要でしょう。

行政の取り組みとしては、目の前の御開帳対策に集中していて、次なる展望への問題意識は「御開帳の結果次第」みたいな感じで、まだまだ希薄だと感じています。

絶えず「次」を考えて対策を講じる姿勢を堅持してもらいたいと考えます。