松代大本営案内看板「修正表記」の撤回を求める

「持ち帰って検討する」との市の応対を信じてしまった私が甘いのでしょうか。

「間違っても、明日の市長定例記者会見で公表なんてことにならないですよね!!」とブログに記したのが昨日、残念ながら見事に裏切られてしまいました。
関係団体のみならず、議会側からも「慎重対応」を求める意見が相次いでいたにもかかわらずです。

長野市は今日の市長定例記者会見で、松代大本営地下壕跡の案内看板の修正表記について、説明を受けた原案通りで公表しました。

撤回を求める

とても承服できる内容ではありません。撤回を求めます。

公表された「修正表記」は次の内容です。主要な部分を抜粋します(下線は筆者)。全文はPDFファイルでご覧ください。

 この建設には、当時の金額で一億円とも二億円とも言われる巨費が投じられ、また、労働者として多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われています。
 なお、このことについては、当時の関係資料が残されていないこともあり、必ずしも全てが強制的ではなかったなど、さまざまな見解があります。
 松代象山地下壕は、平和な世界を後世に語り継ぐ上での貴重な戦争遺跡として、多くの方々にこの存在を知っていただくため、平成元年から一部を公開しています。

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★PDFファイル=議会に示された資料より
141008松代大本営案内看板-現在表記と修正表記
★PDFファイル=松代大本営案内パンフ修正表記
141008松代大本営案内パンフ修正表記

内容に大きな誤りが二つ…歴史のねつ造

一つは、「強制的な動員」を「言われています」という形で伝聞表記している点です。朝鮮人の強制連行・強制労働は史実であり伝聞表記する内容ではありません。郷土史に残る戦争時の歴史を後世に正しく伝えるべき自治体・長野市の責任放棄です。旧松代西条村の「強制立ち退き」も伝聞としてしまうのでしょうか。

二つは、「必ずしも全てが強制的ではなかった」とする一部の意見を「見解」にまで押し上げ強調することで、「強制連行があった史実」を薄めてしまう、或いは捻じ曲げてしまうことです。

全体像を「伝聞」とし、一部の意見を「見解」とする手法は、歴史のねつ造です。

市は議会答弁の中で、「強制的に」の4文字にテープを貼った件について「強制的な動員について、その事実を否定する意図をもって行ったものではなく、全てが強制的であるとの誤解を避けるために行ったもの」と弁明してきたのですが、これでは「事実を否定する意図をもった行為」といわなければなりません。

「強制性」を巡る広義の捉え方と狭義の捉え方を混同した論理手法は、自治体の取るべき手法ではありません。

極めて不誠実で強権的な市の対応

関係団体への説明の場で「持ち帰って検討する」と約束したにもかかわらず、市はこの約束を反故にし、原案のまま公表しました。

かかる姿勢は、「市民の意見は聞き捨てる」姿勢であり、極めて不誠実、強権的といわなければなりません。
”市民との協働”を掲げる長野市長の「本性」を見た思いと言っては過言でしょうか。

長野市は国際社会とどう向き合うつもりなのか

私は、市の対応如何によっては国際的に新たな火種となる懸念を表明してきましたが、長野市はどのように考えているのでしょうか。こうした案内表記で耐えられますか。

「国の問題だ」といって責任逃れはできません。自治体として歴史に真摯に向き合う姿勢の欠如は、国際社会から指弾されることになります。

決して、長野市のため、長野市民のためにはなりません。

今からでも遅くはありません。公表した表記を撤回し、史実を史実として見極める良識を発揮すべき問題です。

私が考える代替案

市が作成した原案と長野市誌を活かして修正するとすれば…譲るところは譲って、というところです。あくまでも私見・私案です。

 この建設には、当時の金額で一億円とも二億円とも言われる巨費が投じられました。
 過酷な地下壕掘削工事の主要な労働力は、日本国内にいた朝鮮人労働者と植民地だった朝鮮半島から強制連行されてきた朝鮮人でした。
 また、このほか、日本兵をはじめ周辺の市町村から徴集された国民勤労報国隊、地元の中等学校生、国民学校生などが勤労奉仕に駆り出されました。(『長野市誌』より)
 なお、このことについては、当時の関係資料が残されていないこともあり、さまざまな見方がありますが、工事の犠牲者をはじめいまだ全容は解明されていません。
 松代象山地下壕は、平和な世界を後世に語り継ぐ上での貴重な戦争遺跡として、多くの方々にこの存在を知っていただくため、平成元年から一部を公開しています。

…ご意見をください。

明日、副市長に緊急申し入れ

明日午後1時15分から副市長応接室で、「松代追悼碑を守る会」として緊急に抗議の意思を含め、副市長と担当部長に申し入れを行うことになりました。
在日団体である朝鮮総連県本部、民団県本部と共同で申し入れます。