3月議会が始まりました…市長施政方針より【その1】

2月25日、“予算議会”である3月市議会定例会が始まりました。会期は3月22日までの26日間。

新年度予算案など62の議案が提案

初日には、総額1,552億8,000万円のR3(2021)年度長野市一般会計当初予算案や18億2,300万円余を追加するR2年度一般会計補正予算案をはじめ、老人憩の家利用料金の50円引き上げ(200円⇒250円に)や介護保険料(第1号被保険者)の一部引き上げ、信州新町青少年旅行村・篠ノ井塩崎運動場を廃止する条例改定案など62議案が市側から提案されました。

災害公営住宅の買い取り議案を可決、早期着工へ

この内、台風19号災害で被災した豊野地区に整備する災害公営住宅(市営美濃和田団地敷地内)について、今年11月中旬の竣工に向け、速やかに建築工事に着手するため、完成する住宅を市が買いとる議案を全員賛成で可決しました。

建設する災害公営住宅は既に昨年9月、公募型プロポーザルで「守谷・松代・アーキプラン特定建設工事共同企業体(JV)」と基本協定を結んでいます。事業者が設計と施工を一括して行う契約にしたことから、工期を約4カ月短縮できるとされています。

建物は鉄筋コンクリート造り4階建て2棟計73戸で、延べ4,139㎡。屋上に一時避難場所を設けるほか、住民やボランティアが使える談話室「みんなの家」も整備されます。

議案を審査した建設企業委員会は委員長報告では、民間アパート等を活用するみなし仮設住宅の入居期限(2年間)と災害公営住宅の入居時期との兼ね合いで家賃の個人負担が生じないよう配慮すること、被災者全員の住まいが確実に確保されるよう、きめ細かな対応をすることなどを求めました。

「2期目の任期の総仕上げ」…市長の施政方針より

市長2期目は、「本格的な人口減少・少子高齢社会を迎える中、安全で安心して暮らし続けることができる都市機能を確保し、『選ばれる都市』を目指して市政運営に取り組んできた。しかし、令和元年東日本台風災害と、昨年来の新型コロナウイルス感染症の拡大という、まさに未曽有の大災害が立て続けに起こったことは、本市にとって大きな試練」としたうえで、「台風19号災害では、災害復興計画に基づき、復旧、復興を概ね順調に進めてくることができていること、新型コロナウイルス感染症対策では、市内の感染状況が比較的落ち着いてきていることを踏まえ、目下の最大のプロジェクトであり、収束に向けた希望でもあるワクチン接種について、安全かつ円滑に接種が行えるよう、現在、鋭意準備を進めている、感染対策をしっかりと取った上で、全てのイベント・行事を開催するとの方針のもと、新年度も引き続き、コロナ禍であっても、地域の活力を失わないよう、取り組んでいく」と述べながら、「令和3年度は二期目の任期の総仕上げの年度になる」と強調しました。

また、第五次長野市総合計画前期基本計画の最終年度となる新年度は、重点である全55の施策について、進捗を管理し目標の達成を目指すとともに、R4年度からの後期計画については「長野市まち・ひと・しごと創生総合戦略と統合するとともに、台風災害から学んだ教訓、コロナ禍を踏まえたIT化の推進、SDGsの推進などの視点から検討を進める」としました。

進退には触れず…

秋の市長選に向けた自らの進退には触れませんでした。もっとも、このタイミングでは「ないもの」と思っていましたが、節々に三選への意欲を感じる一方、一定の”区切り感”?も感じないわけではありませんでした(極めて個人的ですが)。

災害復興では見通しをつけているものの、コロナ禍対応など、一定の区切りをつけるには、中々難しいタイミングかもしれません。「元気な高齢者目線」(失礼かも…)は否定しませんが、世代交代の中で新たな長野市のビジョンを共有していく市長選挙を望みたいものです。ウオッチャー的な物言いですが…。

新年度予算…地域のイノベーションを起動させる予算

「希望ある未来につなげる安全・安心予算」を編成テーマに掲げた令和3年度当初予算の概要を説明し、「一日も早い災害からの復興と新型コロナウイルスの収束を願いつつ、次の時代においても輝ける地域となるため、人材の育成や賑わいの創出、そして『長期戦略2040』の関連事業など、地域のイノベーション(=革新・新機軸)を起動させる予算にした」とします。

長野市は先週17日、総額1,552億8,000万円の2021年度一般会計当初予算案を発表しました。 18億2,300万円を追加する20年度...

「地域のイノベーションを起動させる予算」って、私の読解力では正直よくわかりません…。

戦略マネージャーが中心となってまとめた「長期戦略2040」の具体化に向けた基盤づくりに比重を置く問題意識なのでしょう。でも、そもそも「長期戦略2040」とは何ぞや?ということになります。市民の所得倍増を目標に掲げる長期戦略なのですが、低成長時代に合って経済成長ありきの目標は基本的にピントがずれていませんか?って思います。その意義と課題については、改めて整理したいと思います。

新年度の主な施策

《台風災害からの復旧・復興及び防災・減災対策》

◆長沼地区の長沼支所・交流センター、長沼保育園・長沼児童センター豊野地区の(仮称)豊野防災交流センターなどの公共施設の整備について地元と具体的な協議を行っているところ。

◆国と市が整備する河川防災ステーションは、2月17日に整備計画書を国へ提出(埋蔵文化財調査を経てR7年完成予定)。

◆被災した地域公民館の復旧は、今年度末までに17施設全てで完了する見込み。

仮設住宅に避難する被災者について、引き続き、住まいの再建に向けた進捗状況等について意向確認を実施し、入居期限を迎える本年11月頃までに安定した住まいに移れるよう住宅再建支援を継続。

被災者が孤立せずに安心して日常生活を営むことができるよう、長野市生活支援・地域ささえあいセンターの生活支援相談員が、定期的に仮設住宅等を巡回訪問し、見守り等の支援を継続。専任の保健師が仮設住宅への個別訪問を行うほか、健康講話や総合相談会などを実施。

被災家屋の公費解体…2月14日現在で、申請を受理した被災家屋の約76%の解体・撤去が完了。公費解体申請受付期限を本年5月28日まで延長

被災した農地や用水路、農道の復旧のほか、農業用機械の再取得や農業用施設の再建は、本年度末で完了見込。今後は、長野市農業公社と連携して農地中間管理事業の活用を一層進めるほか、被災地区の農地の流動化と荒廃農地の復元を支援する新規事業を創設し、担い手への農地の集積と耕作放棄地の発生抑制を図る。

防災体制の整備、専門家、事業者、自治体等により行われるAI等の先端技術を活用した災害予測の実証実験に参加し、より早く災害の発生時期、規模、被害を想定し、効率的な避難準備や効果的な救助活動などにつなげることができるか、検討を行い、災害時の対応力の向上を図る。

◆概ね5年毎に見直している地域防災計画について、台風災害を踏まえ、見直しの前段となる災害危険性の再評価等を行う防災アセスメントを実施

◆地域防災力の向上を図るため「長野市総合防災訓練」を実施し、行政機関や自衛隊、警察、インフラ事業者などのほか、災害時応援協定締結団体や、広く市民の皆様の参加と協力を得て、災害時の対応手順等を確認するとともに、各関係者との連携強化に努める。

消防体制の強化…台風災害等の教訓を踏まえ、今年度配備する「津波・大規模風水害対策車」と「高機能救命ボート」の有効活用を図るとともに、豊野地区を含めた、本市の東北部全体の消防・救急体制の更なる強化を図るため、(仮称)豊野消防分署の整備を進める。

◆地域防災力の要である消防団の更なる士気向上に資するよう、出動手当の見直しと、班長以下の団員の年報酬の増額を実施するとともに、消防団の機構改革について検討する。団員報酬(定員2,590人)は年18,000円を19,000円に、班長報酬(定員489人)は年22,000円を22,500円に引き上げる?もの。

千曲川の治水対策は、立ヶ花から村山橋の区間の堤防強化工事と立ヶ花及び戸狩狭窄部の河道掘削工事が開始され、今後も着実に整備が推進されるよう国へ働きかける。

千曲川の支流における流出抑制のため、新年度は県とも連携し、雨水貯留施設及び雨水調整池の整備や既存ため池による洪水調節などのハード対策と、各戸雨水貯留施設のPR強化などのソフト対策を組み合わせた総合的な治水対策を推進する。

市で管理する準用河川等は、地方公共団体が河川等の浚渫を緊急的に実施できるよう創設された「緊急浚渫推進事業」により浚渫工事を実施し、浸水被害の軽減を図る。

《新型コロナウイルス感染症対策》

◆引き続き、医師会、医療機関と連携し、診療や行政検査の体制確保、及び入院医療費の公費負担などを継続し、状況に応じ強化するなど対応していく。積極的疫学調査を徹底し、二次感染や集団的な感染を抑止するよう、保健所を中心に全力で努めていく。

ワクチン接種については、専門チームを設置し、準備を進めてきているが、3月中には市内の医療従事者等の優先接種が始まり、さらに4月からは市民への接種を開始する予定だが、ワクチンが国から届くタイミングに合わせて速やかに対応できるよう、引き続き、準備を進める。国が定める優先順位に従い、高齢者や基礎疾患を持つ方から順次、接種券を送り、接種方法や予約方法などを周知していく。

接種場所は、市内の医療機関での接種を中心とする予定であり、供給されるワクチンの種類や量、時期など未確定な状況もあるが、混乱なく実施できるよう努める。

◆昨年7月から取り組む医療従事者を応援するための寄附金は約1,500万円に。市内の重点医療機関に配分していく。

◆休業等に伴う収入減少により住居を失うおそれが生じている市民に対し一定期間家賃相当額を支給する「住居確保給付金」を引き続き実施。生活保護に至る前の困窮世帯に対し、まいさぽ長野市が実施する自立支援相談事業を通じて、世帯の状況に応じた各種支援事業を実施していく。コロナによる影響は、経済的困窮のほか、自殺やDV、児童虐待、いじめや差別などの問題にも波及することから、これらの問題につきましても、関係する施策を通じて対応していく。

【その2】に続く

新年度の主な施策について、【その2】で引き続き報告します。

【その2】は、復旧・復興関係と新型コロナウイルス感染症対策関係以外の施策で、新年度に取り組むとする主な事業を、第五次長野市総合計画前期基本計...