市役所・芸術館建設…最終工期、8月上旬に

 連休前の18日の市議会総務委員会の報告です。信濃毎日新聞7月19日付は「工期を8月上旬に示す」方針に力点を置いて報道しています。
 委員会資料を議会控室に置きっぱなしにしたため、連休明け今頃の報告となってしまいました。悪しからず、です。

◆「8ヵ月超の遅れ」…樋口副市長の出席を求め、総務委員会
 18日、市議会は総務委員会を開き、来年3月完成予定であった市役所第一庁舎・芸術館の建設工事が8カ月遅れとなる問題について、市側に遅延の原因や今後の見通しを質しました。
 7月3日付のブログで報告した案件の続報です。
 【参考】「140703長野市庁舎・芸術館の完成…8ヵ月超の遅れに」
 市議会会派への説明だけで終わらせるのではなく、正規に市議会・委員会として取り上げることにし、樋口博副市長の出席を求めて開催することになったものです。

◆「監督体制の強化」打ち出す、全体工期は8月上旬に公表
 市側は冒頭、樋口副市長が「6月市議会では2カ月程度としていた建設工事の遅れが。事業者と精査した結果、8カ月と大幅に遅れることになったことは、市民の期待が高まっている施設建設だけに、市民に申し訳なく、重ねてお詫びする」とした上で「今後、監督体制の強化を図るとともに、ホール等の吊天井の耐震対策強化を含めた全体工期については、7月中に耐震工事の手法等を取りまとめ、8月上旬に議会に説明する」方針を示しました。
 監督体制の強化では、建設部・建築指導課長を総務部主幹として第一庁舎・市民会館建設事務局建設担当を兼務して配置したことが報告されました。
 *下図は総務委員会に提出された資料「新庁舎・芸術館建設工事の工期の見通し」。
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◆工程管理の責任を問う質疑に集中
 3月市議会では「1カ月の遅れ」、6月市議会では「2カ月の遅れ」とされてきた建設工事の遅延が、7月初旬に「精査したところ8カ月の遅れ」となった点について、「労働者不足が要因とはいえ、理解しがたい事態」であり、「そもそも20カ月の工期で完成できる工事であったのか」「毎日、建設事業者・設計事務所を交え工程会議を開き工程管理をしてきたとされるが、完成時期を見据えた適正な工程管理がされてきたのか」といった質問が集中しました。
 また、契約約款に照らし、債務不履行に対する違約金や損害賠償を求める意見も出されました。

◆「工期、可能な限り圧縮」と答弁
 市側は「標準工期をまとめ入札した結果であり、概ね適正な工期であると判断している」とした上で、「当初、工事の遅れは取り戻せるものと考えていたが、なかなか解消されない中、5月段階で労務不足を見込んだ工期の見通しを示すよう前田建設JVに要請。工期遅延の生数字の結果は6月には示されたものの、発注者として精査した結果、8カ月と判断し7月3日の発表となった」と経過を説明。 
 「吊天井の工事でプラスαとなる工期については、可能な限り圧縮し、限りなくゼロにしたい」との考えを示しました。
また、契約の工期が遅れることに伴う違約金や損害賠償等の対応について、「契約約款に照らし検討中である」ことを明らかにしました。

◆事業費の増大は不可避、8月中に試算を公表
 現在の総事業費は153.億5千万円。しかし、労務単価の引き上げや資材費の高騰、さらには消費税率10 %への引上げ等により、事業費の増大は避けられないとの認識を示しました。
 総事業費について、精査の上、8月中には明らかにする方針を示すとともに、2月の労務単価引き上げ分などインフレスライド条項の適用による事業費の補正、吊天井工事の事業費補正は9月市議会に提案するとしています。

◆深刻な労務不足
 労務不足について市側は、長野地区の建設労務の求人状況は3.60倍(5月時点)であり、5月の国土交通省・建設労働需給調査でも鉄筋工(建築)の不足率が3.3%と高く、7月の需給見通しが「困難」と「やや困難」で30.9%に上っていること、とくに熟練専門工の不足が顕著であることなど、全国的な建設業の労務不足の深刻な状況を強調します。
 庁舎・芸術館建設の労働者の充足率は、鉄筋工で44%、型枠工で41%だそうです。

◆相次ぐ労務不足による事業延期や凍結
 茨城県土浦市の新庁舎や宮城県大崎市の市民病院建設などで、労務不足により4カ月から6カ月の工期延長事例が発生していること、山形県鶴岡市の新文化会館建設では人手不足により工期内完成が難しいことから応札者が入札を辞退するなど、入札不調、事業延期・凍結が全国的に広がっていることも紹介・説明されました。
 公共工事を巡る労務不足は極めて深刻です。認識を改めました。

◆契約の履行責任は慎重な検討を
 私自身は、全国的な労務不足を要因とする工期の遅延はやむを得ないものと考えていますが、8カ月もの遅延は異常であり納得し難いところがあります。とはいえ、受注者としての責任を追及できる社会経済環境に果たしてあるのかという疑問も残ります。
 庁舎・芸術館の建設は2つの工区、9つの工事に分けられていますが、後の工事となる音響設備や電気設備等を担当する事業者から、建物本体の工期の大幅な遅れに伴う違約金の請求が無いとも限りません。こうした事態にどう対応するのかも検討事項になるでしょう。
 これらの点は、とりあえず検討結果を待ちたいと思います。

◆工事の安全、品質確保を最優先で監督強化を
 委員会の審査で私は、今次の労務不足による工期の大幅な延長が受注者である建設事業者の責に帰す事由となるのか、十分にかつ慎重に検討することを求めるとともに、工事を急かすことにより工事の安全と品質確保が損なわれないよう監督指導を強めること、さらに全体工期を見据えた適切・適正な工程管理を受注者に強く求めるなど、発注者としての責任を全うするよう強く求めました。
 また、事業費の増大について、増大分の財源内訳を含めて早期に確定させ公表するとともに、市民の理解を改めて求めていく丁寧な姿勢を市側に求めました。、

◆総務委員会、8月6日に再度
 市側が、8月上旬にはつり天井耐震工事を含めた全体工期、契約の履行に関する対応策等について公表できるとしたことから、8月7日に予定される会派への説明前に、再度、総務委員会を開くことになりました。公共工事に関する契約規則や事業者との契約約款等をチェックし、臨みたいと考えます。

◆余談ですが…
 総務委員会の開催は、最大会派である新友会が強く求めていたと承知しているのですが、総務委員会当日は新友会所属の委員からはほとんど発言なし、傍聴には大勢参加されていましたが…。何故なのでしょう?不可解な点です。

◆8月20日には、長電バスの不採算路線の見直しで
 8月20日には、長電バスが不採算路線の廃止・縮小を打ち出している問題について、公共交通ネットワークの維持・存続の観点から、長電バスの代表を参考人に招き、総務委員会を開くことになりました。
 私から、総務委員会の正副委員長に委員会開催を申し入れてきたものです。中央消防署の移転建設問題も調査案件とするよう求めていますが、日程調整がつかないとされています。
 全区間廃止とされている「保科温泉線」の地元・若穂地区では、路線存続の署名活動が始まるとのこと。地域公共交通会議の協議を踏まえ、存続に向けて知恵を出し合うことが求められます。