子どもの医療費助成…高校生まで拡大の可否を社会福祉審議会に諮問

大型の台風14号は20日未明に県内に最接近し、大雨や強風の影響で南信では避難所が開設、果樹の落下被害や停電、交通の乱れなど爪痕を残しました。九州・西日本で2人が犠牲となり、甚大な被害となっています。引き続き、地盤の緩みなど土砂災害に警戒が必要です。十分に備えご自愛ください。


さて、子どもの福祉医療費助成については、改革ネットとしても、高校生までの対象拡大、窓口無料化を強く求めてきた子育て支援策の一つ。ようやく動き出しました。

今9月市議会で荻原市長は、現在、中学生までの通院・入院費用をレセプト代(最大500円の受給者負担金)を除き無料としている福祉医療費について、対象を高校生まで拡大する可否について、市社会福祉審議会に諮問し、本年度内に答申を受けて判断する考えを明らかにしました。

昨年12月の私の代表質問に対し市長は「子どもの医療費無償化を高校3年生まで拡大した場合には、現行の受給者負担金500円の場合で年額約1億5千万円の経費増が見込まれ、市の一般財源に大きな影響を及ぼす。対象範囲の拡大は市の財政負担や同じ医療圏域の自治体の動向等も勘案しながら慎重に検討していく必要がある」と答弁してきました。

県内では、19市のうち、11市で高校生までを給付対象とし、受給者負担金最大で500円を除き医療費を無償化する助成を行っています。

➡長野県の福祉医療費給付事業のページ…R4年8月現在の県内市町村毎の医療費助成の一覧

さらに、駒ケ根市、伊那市では、今年8月分から医療機関窓口での受給者負担金をなくし、完全無料化を実施しています。

荻原市長は今議会の答弁で、給付対象拡大について「自治体間で競争、同調的に行われているとの意見があり、財政確保も課題」とする一方、「給付金があることで子育て世帯は安心して必要な医療を受けられる」と述べ、高校生までの対象拡大について前向きな姿勢を示しました。

大きな一歩前進です。

しかしながら、長野市が医療費助成を中学生まで拡大する際は、まずは「入院のみ」(H27年・2015年4月~)とし、「通院」は1年後のH28年・2016年4月~の実施で段階的に行われました。

審議会に市行政側がどんな問題意識でどんな資料を提出するのか、注目です。医療費助成の対象拡大については「安易な受診が増え、医療機関の負担につながる」との慎重意見があるものの、子育て世帯への負担軽減を拡充し、子ども達の健康な心身を守るという考えは共通認識でしょう。問題は、新たな財政負担のあり様です。

来年2023年度から、所得制限なしで「入院」「通院」ともに医療費助成の対象を高校生にまで拡大できるよう、審議会の審査を注視しつつ、力を尽くしたいと思います。

また、県における福祉医療費助成の拡大も同時に問われます。県は入院は中学生まで、通院は小学校3年生までを対象に市町村に対し2分の1助成を行っていますが、少なくとも通院助成を中学生にまで拡大することを合わせて求めたいと考えます。

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