6月議会の論点・争点(その3)…権堂B-1地区再開発事業

 6月議会最終日、もう一つの争点は、「権堂B-1地区再開発事業」です。

 補正予算案に盛り込まれた「再開発事業の補償、解体費に対する補助金、6億6,600万円」への対応です。勝手な争点の設定に近いのかもしれませんが、権堂地区再生への市民の期待と疑問を考えると、争点でしょう。

 権堂地区再生の拠点とされ、事業者を含む地権者が組合を作り取り組む「権堂B-1地区再開発事業」そのものに反対するものではありませんが、ここに市費を投入し公益施設や公共広場を設置し、市行政が関与することについて、その効果の程に確信を持てていないことが、正直、”悩みの種”なのです。

 会派内では補正予算案への反対も検討しましたが、事業が県から認可されている段階であり、法定補助金の支出であることから、「補正予算案には賛成はする。しかし、討論で課題を指摘し、議会側の議論をさらに深めるとともに、市行政側の真摯な対応を求める」との対応方を確認し、私が「補正予算案・権堂B=1地区再開発事業への補助金」に対する賛成当面を行いました。因みに共産党市議団の皆さんは反対討論を行いました。結果、共産以外の賛成多数で補正予算案は可決しました。

 以下、私が行った賛成討論の内容です。長いですが、ご一読いただき、ご意見を賜りたいと思います。

 33番 市民ネット 布目裕喜雄です。

 議案第73号「H24年度長野市一般会計補正予算案」を可決すべきとした各委員長報告に賛成の立場で討論します。
 具体的には、歳出、第8款土木費、第5項土地区画整理費、すなわち権堂B-1地区市街地再開発事業を取り上げ、賛成討論するものです。

 権堂B-1地区の再開発事業は、新市民会館の建設候補地に始まり、紆余曲折を経てきた事業であり、また都市計画審議会では一旦は否決となり、改めての審議会で何とか可決に及んだ、いわくつきの再開発事業です。
 さらに、権堂地区再生の拠点施設の一つとして位置付けられ、大きな市費を投入する事業となることから、権堂再生の確実性、実効性を懸念する市民の声も根強く残っている課題です。

 権堂B-1地区再開発事業は総事業費48億7千万円、うち国・県・市の法定による再開発補助金は21億4千万円、市の補助金は8億3千万円に上るとされています。
 今回、補正予算案に盛り込まれた、権堂B-1地区再開発事業の補助金は、その1部、補償費や解体工事に対するもので6億6600万円です。
 この間、権利者である民間が主体となって事業がすすめられ、今日、再開発組合が設立、県において事業認可された経過を踏まえ、再開発に対する法定の補助金の支出であるという限りにおいて、補正予算案に賛成はします。

 しかし、問題は数多く残っていると申し上げたい。

 市側は、今後、組合による実施計画の策定に合わせ、9月議会には、(仮称)市民活動支援センターとされる公益施設及び公共広場の財産取得費、約6億2千万円を、財産取得議案と合わせ補正予算案として提出する計画のようです。

 公益施設の導入、公共広場の活用について、十分な市民合意が図られていないことが課題として残っています。

 まちづくり、公共交通対策特別委員会では、権堂再生の現状と課題を探るため、権堂まちづくり協議会の皆さんとの意見交換を行いました。権堂の再生に向けた熱意ある取り組みを実感させてもらいました。その一方で、子育て世代の商店主からは「子どもたちの遊ぶ場所がない。児童センターなど子どもたちを預ける場所がない。若い世代が商売を続けられる環境整備が必要」との意見が出されました。

 私自身、公共施設として子どもたちの施設や地域包括支援センターなど福祉施設の導入を検討すべきと申し上げてきましたが、再開発ビルの目的である「人が集い交流する拠点」づくりと合わせて、「人が住まう生活拠点」づくりの発想が必要であることを痛感しました。こうした検討が十分に行われてきたとは言えないのではないでしょうか。

 今議会の総務委員会の審査で、第1~第5の住民自治協議会の合同事務所を移転させることについて、直接、第1~第5の住民自治協議会からの要望が出発点ではないことを地域振興部長が答弁しました。「今は理解されている」と補正はしましたが、仮住まいであるもんぜんぷら座から移転することで不便になると考えている地区住民がいることも確かであり、合同事務所というもののあり方の検討も必要だということでしょう。

 問題は、行政主導の市民活動支援センター構想であるということです。より多角的に検討され、結論だけでなく多様な検討経過を含めて情報が開示され、議会審議に付されるべきだと思います。

 また、長野電鉄が取得する2階から5階に入るテナントの継続性、まちづくり、賑わいへの効果も不確実なままとなっています。

 更に、都市計画審議会の計画可決時に3点の付帯意見が付きました。曰く、①駐車場や駐輪場の確保、公共交通機関との連携への配慮、②事業成立の確実性を確保し、来街者の増が期待できる施設導入の検討、③アーケード通り側から公共広場への歩行者アクセスの工夫です。
 「実施設計の中で対応」ということなのかもしれませんが、付帯意見への対応は、議会側にはよく見えていません。そう思うのは、私だけではないと思います。

 補助金の支出により再開発事業は具体的にスタートしますが、B-1地区の再開発をはじめ、A地区・C地区の整備を含めた権堂地区全体の再生計画の確実性、実効性はまだまだ霧の中にあるといわなければなりません。市費を投入し支援しようとする事業ですから、事業の効果、確実性について説得力ある方針を示してもらいたいと願います。

 「事業主体となる民間で考えてもらうこと」と、民間事業者を隠れ蓑にしないで、民間事業者及び設立組合と連携を密にし、私たち議会の疑問・疑念にしっかり答えられる道筋を作ってもらいたいと思います。

 私たち議会側は、行政の説得力ある説明に基づき、しっかりと議論を深め、論点整理をし、議決責任を負いたいと思います。

 以上、行政への苦言、注文を含め、賛成討論とします。