公共交通の維持に向け継続的支援を求める【9月議会の質問より➍】

コロナ禍のもと、重要な都市インフラであり市民のライフラインである公共交通の崩壊の危機が懸念されます。バス事業者にあっては、高速バスや貸切バスの収入が激減し、今なお回復しない結果、路線バスの維持・継続が極めて困難となる局面を迎えているからです。

「交通崩壊の危機を乗り越えるために」と題した記事を掲載してきました。詳細な問題意識はこちらをご覧ください。

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副市長…「国・県に対し積極的な財政支援を要望していく」

長野市では、6月専決補正で、県バス協会やバス事業者からの支援要請を受け、公共交通を維持継続するための奨励支援策として、地域創生臨時交付金を活用し、自主路線の維持を目的に支援策(2事業者に対し6,330万円)が講じられ、県においても高速・貸切事業含めた所有車両1台当たり10万円(約3億円)の支援策が講じられてきていますが、移動需要が回復しない中、交通事業者が公共交通を維持・継続できる十分な支援となっていません。さらに継続的な支援が必要であると質しました。

副市長は「バス事業者からは、引き続き経営状況は大変厳しいと聞いている。市民の足として欠かすことのできない地方公共交通を維持・確保するためには、国・県に対し、公益的な視点から、交通事業者ヘの積極的な財政支援を講ずるよう要望していく」と述べるにとどまりました。

既に長野市は約40億円の地方創生臨時交付金を使い切ってしまいましたから、一般財源の投入によるしかありません。市単独支援の継続は難しいとの認識を示しつつ、国・県に下駄を預ける格好です。なかなか厳しい処ですが、引き続き、知恵を絞り提案を続けていきたいと思います。

不採算路線の廃止提案に備えよ

長野市の路線バスの利用状況は、バス事業者2社(アルピコ交通・長電バス)の自主路線で利用者の9割以上を担っています。これまでに廃止が表明された一部路線について、市が国の補助金を活用しながら赤字補填をして運行を継続してきています。

移動需要の回復がなかなか見通せない中、市内路線バスの運行について不採算路線の減便・廃止が協議対象となる事態を非常に危惧しています。地域公共交通活性化再生法の改正(まだ施行されていないが)を見据え、市民の足を守り続ける観点から、対策を準備することが必要です。対応方針を質しました。

副市長は「改正法では、路線バスの維持が困難と見込まれた段階で、地方公共団体が関係者と協議して、サービス継続に向けた実施方針を策定の上、公募により新たなサービス提供事業者等を選定する事業の創設や自家用有償旅客ア運送の実施の円滑化を図ること等が示されており、市民の大切な足の確保に向け、国土交通省等と相談しながら、今後の活用を研究していきたい」とするとともに「コロナ禍のもと、今後の移動需要の回復が見通せない中、運行継続が困難な路線については、地域住民の意見を聞きながら、バス事業者を含む関係機関と協議を重ね、地域として有益な運行形態に移行できるよう検討していきたい」と答弁しました。

改正法はまだ施行されていないため、こうした答弁は想定していたものです。狙いは危機感を共有し、公共交通の崩壊の危機に備える構えを行政としてしっかり持ってもらうことにあります。

公共交通の公設民営化の検討を求める

松本市では新市長の下で、公共交通網の公設民営化が検討されています。本市では市内2事業者による自主路線の運行が公共交通網の基盤となっていることに鑑み、公設民営化という手法も考える局面なのではないかと質問しました。

副市長は、「公設民営化は、バス事業者と市が関与する度合いや財政面でも様々な課題がある」とし、「先進事例を注視し、市民の利便性や公共性を十分に配慮しながら、適切に判断したい」と答弁しました。

今回の質問は、いわば「ジャブ」みたいなもので、問題提起にとどめました。今後、松本市における政策展開や他志知隊の取り組み事例をさらに調査研究し、深堀りしていきたいと考えます。