荒ぶる自然災害に向かい合うために…防災セミナー

16日、若里市民文化ホールで、2011年の東日本大震災で防災教育を通じ「釜石の奇跡」を生み出した片田敏孝・東京大学大学院特任教授=日本災害情報学会会長を講師に長野地域防災セミナーが催され聴講してきました。

長野市地域防災力向上事業の一環で、長野地域連携中枢都市圏における合同研修会として開かれたもので市内外から150人を超える皆さんが参加。緊急事態宣言が発出される中、講演はオンラインとなりました。途中で通信が途絶えるアクシデントもありましたが、とても有意義な研修となりました。

「荒ぶる自然災害に向かい合うこれからの防災」と題した講演で片田教授は、一昨年の東日本台風災害をはじめ近年の豪雨災害が「局地的なゲリラ豪雨」から「広範囲における膨大な豪雨」に変化し、「気象庁でも事態の展開を予測できなくなっている」と指摘、行政に頼ることなく、「命を守るために自分で判断し逃げる」ことの重要性を強調しました。

「突発的に発生する激甚な災害への行政主導のハード対策・ソフト対策には限界がある」ことから「住民主体の防災対策に転換していく必要がある」こと。「これまでの行政主体の取り組みを改善することにより防災対策を強化するという方向性を根本的に見直し、住民が自らの命は自らが守る意識をもっと自らの判断で避難行動をとり、行政はそれを全力で支援するという住民主体の取り組み強化による防災意識の高い社会を構築する必要がある」という指摘です。

中央防災会議の避難行動における報告・提言も大きく転換しているとのことです。

行政としてのハード対策等の取り組みに免罪符を与えるものではありませんが、限界があることを共有しつつ、個人と地域が力を合わせなければ命を守ることはできないということでしょう。

市議会の災害対策等調査特別委員会の今後の議論にも活かしていきたい視点です。

また、研修会では、菅野拓氏(京都経済短大講師)が、「平時の地域づくりが災害に“効く”~医療・保健・福祉と防災の連携」について報告。被災者支援における「災害ケースマネジメント」の取り組みを提起しました。私としては、台風19号災害における被災者支援、災害福祉チームの経験や支えあいセンターの取り組みを踏まえた新たな課題提起がお聞きできるとなお良かったと思います。