台風19号災害の実践的な検証とコロナ禍における避難所開設・運営を質す【9月議会の質問より➌】

今日、異常な気候変動による自然災害に加え、新型コロナウイルスによる感染症リスク・ウイルス災害という二重の災害・リスクの被害を如何に制御するかが喫緊の課題となっています。

台風シーズンを迎える中で、昨年の台風9号災害対応の『検証報告書』を踏まえた改善策の進捗状況について、実践的な教訓にしていく観点から、4点質問しました。

最大の問題意識は、新型コロナ対策で感染防止が新たに問われ、指定避難所の収容力が3分の1程度まで減少せざるを得ない中、避難所の開設・運営について、どの程度充足させる計画がシミュレートされているのか、支所・住自協とどれだけ情報共有がされているのかにあります。

危機感防災監が答弁に立ちましたが、答弁漏れに加え明確な答弁がないことから、一時中断する顛末も…。避難場所や避難のタイミングは複雑な部分があることは理解しますが、「避難所の確保にあたり十分なシミュレートができていない」ことが浮き彫りになったのではないかと受け止めています。

答弁内容をさらに吟味し、今後の課題を洗い出したいと思いますが、いずれにせよ、早急な対応が求められます。

「逃げ遅れゼロ」が災害対応目標に掲げられる中、地区内指定避難所で○○人受け入れ可能、○○を超える場合は地区外の○○地区の○○指定避難所に避難を促すという具体的なシミュレーションをもとに、地区住民の理解と備えを働き掛けることが重要であると考えます。複合災害の場合には、臨機応変な対応が求められること、避難所の固定的・確定的な周知は限界があることを踏まえつつも!です。

被災した避難住民が避難所の駐車場不足や収容力から「たらい回し」となってしまった現実を繰り返さないよう、しっかりと準備することが肝要であると声を大にして訴えたいと思います。

ところで、私の質問と関連し、11日の東方みゆき議員の災害対応の質問に対し、「1000年に一度」の大雨で市内全域で千曲川と犀川が氾濫し、浸水地域の市民全員が避難することを想定した場合、市の指定避難所で収容できる避難者は全体の25%にとどまるとの試算が明らかにされました。。新型コロナによる感染防止策をとると12%まで下がるとされています。

これは市全体の推計ですが、地区ごとの推計値も明らかにし、住自協をはじめ、市民に周知していくことが不可欠でしょう。改めて整理します。

質問と答弁を振り返ります。

教訓生かす専門チームの発足状況と実践力は

一つは、「今後の災害においても、専門チームを立ち上げることとし、平常時から専門チームによる話し合いを行い、迅速な災害対応につなげる」とされている点について。避難所開設、避難所運営をはじめ、避難所以外の避難者対応、要支援者避難、保健医療、土砂撤去などのチーム編成が例示されているが、チームの編成、話し合いなど、実践的な対応につながる取り組みとなっているのか。また、マニュアルの見直し等が如何に行われ、徹底が図られているのか。

災害時の手順などをあらかじめ話し合っておくことが重要と考え、その中でも、避難所の開設や運営に関しては、検証結果を踏まえ、本年度、教育委員会総務課、スポーツ課、健康課、福祉政策、課地域包括ケア推進課、障害福祉課、観光振興課などによる検討会を開催し、マニュアルの修正などを進めている

そのほかのチームや各所属において、今後の災害に備え、マニュアル等の見直し等を進めているが、今後も修正を重ねて、検証報告書が将来にわたり実践的な教訓として引き継がれるよう努めていく。

避難情報の伝達…本部・支所・地区との緊密な連携の仕組みの具体は何か

二つは、「避難情報を正確かつ確実に伝達するため、本部・支所、地区が緊密に連携できる仕組みの構築を図る」とされる点について。趣旨は理解するがその具体は何か。

本年7月の豪雨災害対応時には、避難情報の対象となる区の抽出を、支所が中心となって行い、地域市民生活部と本部班が協働することで、支所から具体的な対象地域をそれぞれの地区に伝達した。また、情報伝達では、自主防災会の研修を行うとともに、本年からは支所職員の研修も実施した。

今後も改善を進め、より正確かつ確実に避難情報を伝達できる仕組みの構築に取り組む。

災害態様によって異なる避難所を充足させるシミュレートはできているのか

三つは、新型コロナ感染症と自然災害の複合災害時の避難について。感染拡大を防止するため、指定避難所の避難者受け入れが通常の3分の1くらいにまで減少する中、分散避難、垂直避難、安全な地域の親戚・知人宅避難、車中避難を呼びかけているところだが、垂直避難による在宅避難や車中避難は災害関連死につながる危険性をはらむ。指定避難所への集中は避けられない。問題は、災害態様によって異なる避難所を如何に充足させるかが緊要だ。地域ごとに避難所を充足させるシミュレーションはどのように行われているのか。例えば犀川の氾濫による浸水被害を想定した場合、安茂里や更北地区ではどのようにシミュレートされているのか。2次避難所として13の民間宿泊施設等との事前協定が締結されているが、収容人数の現状と、これら2次避難所と指定避難所とのバランスある収容力についてどのように考えられているのか。

災害時に開設する避難所は、降雨や河川水位の状況、土砂災害の危険性など、様々な状況から判断するものであり、地域ごと、災害の種類ごとに決まっているものではない。状況によっては避難情報の対象地域の外にしか避難時を開設できない場合もある。そのため、災害によって異なる状況に迅速に対応できるよう、年間を通して河川事務所やダム管理事務所を含めた訓練を実施している。今後も様々な状況をシミュレートし、開設する避難所の選定を含めた訓練を実施していく。

2次避難所として協定を締結しているホテル・旅館は、災害時の宿泊客数との兼ね合いもあり平常時に一定の収容人数を確保できるものではないが、感染症によるリスクの低減を図るため、なるべく早い段階で、被災された方のホテル・旅館への移動を進める。

NGOやNPOのボランティア、外部支援者の声引き出し、教訓の共有化を

四つに、市の内部的な検証報告にとどまらず、NGOやNPOなどのボランティア、医療保険チーム、ボランティアセンターを支えた社協や社事協など広く外部支援者の意見を取り入れ災害対応の教訓を引き出し共有化することについて。

避難所運営の中でも、外部支援者の皆さんから「行政となかなか連携が取れない。上から目線の対応」といった苦言をお聴きしてきた。現場では目詰まり状態があったのではないか。大規模な災害対応は市職員のみで対応できるものではなく、発災直後から外部支援力、民間力に大きく依拠することになる。行政主導ではなく、対等平等な連携関係に基づく総合力の発揮が求められる。こうした観点からの課題の洗い出しが希薄なのではないか。今後の対応を含め見解を伺う。

避難所以外の避難者の全体調査など、NPO法人の持っている災害対応の経験や実績を活用できなかった面もあったので、検証報告に基づき、改善を進めながら、本市の災害対応に活かしていく。

災害時のボランティア活動について、災害ボランティアセンターの活動記録が作成されることから、実際に運営に携わった職員などの意見を聞き、今後の災害対応に活かしていく。

被災者支援…医療費減免の延長を

被災者支援の角度から1点質問しました。

被災者の医療費の減免について、現在、9月末までとされているが、国民健康保険者、後期高齢者医療者等について、支援の継続が必要。さらに延長することを求めるがいかがか。

先般、長野県から本年10月分以降の国民健康保険の医療費の一部二金について、市町村の減免額の8割以内の額を交付する旨の通知があり、本市としては、さらなる減免の延長による財政的な影響額や他市町村の状況等を踏まえたうえで、具体的な対応を検討していきたい。また後期後継者医療の減免の延長についても、広域連合における検討の動向を注視していく。

期限延長を明確にする答弁ではありませんが、延長に向け前向きに検討されているものと受け止めます。それこそ、今後の対応を注視したいと思います。