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浜松市…「健康はままつ21」による健康づくり

福祉環境委員会の視察報告第二弾、静岡県浜松市です。

人口804,989人、面積1,558.06㎢、人口密度510人/㎢。静岡県西部にある政令指定都市。7つの行政区で構成される。戦国時代には浜松城の城下町、江戸時代には東海道の宿場町として栄えた。

都市機能や先端技術が集積する都市部、都市近郊型農業が盛んな平野部、豊富な水資源に恵まれた沿岸部、広大な森林を要する中山間地域と、全国に類のない多様性を有する国土縮図型の都市とされる。

浜松市のテーマは健康増進法に基づく健康増進計画=「健康はままつ21」による健康づくりの取り組みである。

健康はままつ21…年代別健康づくりの目標を設定

H25年度からH34年度までの10年間を計画期間とする健康増進計画「健康はままつ21」は、「市民一人一人が生きがいを持ち、いきいきと生活できる健康都市・浜松」をめざす。


地域福祉計画、歯科口腔保健推進計画、食育推進計画、がん対策推進計画などの関連計画は別に策定される。

生活習慣病の予防、運動、心の健康、たばこ、アルコール/薬物、歯の健康など9つの分野別の事業計画が柱となっているが、「年代別健康づくりの目標」を設定し、市民が世代に応じ主体的に健康づくりへの意識づけができるように組み立てられている点が大きな特徴といえる。

◆乳幼児・学童期(1~12歳)…身につけよう、基本的な生活習慣
◆思春期(13~19歳)…大切にしよう、自分の体、将来の夢
◆青年期・壮年期(20~44歳)…見直そう、今の生活、未来の健康
◆中年期(45~64歳)…見つめよう、自分の健康、自分で管理
◆高齢期(65~74歳)…みいだそう、人生の楽しみ、いきいき笑顔
◆高齢期2(75歳以上)…みいだそう、人生の楽しみ、いきいき笑顔

また、各分野ごとに市民、団体、行政の「やらまいか」を掲げ、市民の主体的な取り組み、そしてそれを支える団体、行政の取り組みをわかりやすく提示する。

中間評価を踏まえ後期計画に重点施策盛り込む

10年計画の折り返し点を迎える中、H29年度に市民アンケートをもとに9分野事業の中間評価を行い、課題を洗い直し、後期計画の方向性と重点施策を打ち出している。

健康はままつ21中間評価・後期計画

生活習慣病の発症予防・重症化予防は、全国に共通する重点課題。青壮年期への健康づくりの取り組み、民間企業との連携を重点化している点が特徴的だ。

重点施策における具体的な取り組みのポイントを紹介する。

妊娠糖尿病支援事業

糖尿病対策の新たな取り組みの一つ。将来的に糖尿病を引き起こすリスクの高い妊娠糖尿病(GDM)の妊婦が糖尿病を発症することがないよう、発症予防のための啓発、医療受診勧奨などの支援を行うものである。

妊娠糖尿病と診断された妊婦は、産科医師より「妊娠糖尿病手帳」が配布される。

※妊娠糖尿病とは、妊娠をきっかけとして初めて糖代謝異常(血糖値が高くなる)が発見されたり、現れたりすること。

H28年度の調査で、6650件の赤ちゃん訪問件数に対し、妊娠糖尿病診断件数は203件で、妊娠糖尿病妊婦が3.05%いることが実態把握されている。

妊娠糖尿病そのものを知らず、妊娠時における健康づくりという点で重要な施策であることを痛感する。

運動習慣の定着…健康ウォーキング

中間評価及び後期計画で、運動習慣者の割合(45~64歳)について、H23年度の現状地33%強からH29年度に35%、H34年度の目標著40%に設定する。

具体的な取り組みとして、天竜浜名湖鉄道㈱との共催で、井伊直虎ゆかりの地を巡るウォーキングイベントに取り組む。550人が参加。こんご、ノルディックウォーキングの取り込みも検討中とのこと。

歯周病検診の対象年齢を30歳以上に拡大

壮年期からの歯周病予防を図るため、対象年齢を40歳以上から30歳以上に拡大、自己負担は500円。壮年期の歯周病罹患率は60%だそうだ。

この事業により、検診受診者が、H29年度で750人増加し4638人に、増加分はほとんどが30代だそうだ。

スマホde健康チェック

壮年期からの生活習慣病の重症化予防のため、気軽に血液検査を受ける機会を提供するもの。

対象は年度内に35歳に到達する市民で、スマホで申し込み、届けられる血液検査キットで微量の血液を採取し送り返すことで、結党・脂質・腎機能など14項目の検査結果や食事・運動などのアドバイスがスマホで確認できるという仕組みだ。

自己負担は1000円。実経費は一人当たり5000円かかる。

H29年度の実績は、35歳市民9722人に郵便で案内し、706人(男性189人・女性517人)が受診、検査率は7.3%。事業費は300万~350万だそうだ。

申込状況では、男性が会社員、自営業が85%を占め、女性では専業主婦、パートまたはバイトが72%を占めるとのこと。

また総合判定では、男性の29%、女性の19%が「医療の必要有」と判定され、医療機関の受診に誘導されている。

現段階では、受診の把握にまでは至っていないが、今後、メールによる受診勧奨を図る考えが示された。

浜松市は国保の特定検診受診率が31.8%(長野市は47.9%)で、比較的、健康づくりへの意識が低い青壮年期の市民に対する健康診断の入り口を提供する事業として効果を上げていると思われる。

健康はままつ21推進会議と企業健康応援事業

企業・団体・行政の連携で、全国健康保険協会静岡支部・浜松商工会議所との共催による推進会議の開催や、市の保健師や管理栄養士、歯科衛生士などの専門職が事務所に出向き、健康講座などにも取り組まれている。

うごく&スマイル…健康ポイント

健康ポイントをためて健康と特典を手に入れる仕組みで、H25年度から導入。

健康づくりの目標や健康づくりの実践状況をはがきで申告すると「ふじのくに健康いきいきカード」が送付され、静岡県の健康マイレージ事業の協力店舗等で、飲食料金や施設利用料の割引の特典が得られるものである。

健康づくりのきっかけ、持続的な健康づくりの取り組み、協力団体や企業との連携強化が事業効果として挙げられるが、参加者数はH28年度で1715人、H29年度で605人で、受益市民の割合としては決して高くない現状にある。はがき申込・カード発行とアナログなため、若い世代からは敬遠されていることもありそうだ。

長野市は、健康ポイント事業について「ポイントをためることが目的化し、健康づくりへの効果が低い」とし消極的であるが、青壮年期対策に特化した健康ポイント制度の導入は多面的に検討したいところである。

はままつ食育発信店事業

市内55店舗が登録し、総裁や弁当などの栄養成分表示など健康を考えて選べる環境整備や、食材コーナーに糖尿病予防や減塩を呼びかける情報発信に取り組まれている。

総務省の家計調査(H26~28年平均)によると、調理食品の購入金額は144,158円で全国1位、弁当購入は17,315円、10位、冷凍調理食品の購入は9,351円、5位だそうで、総菜・弁当等の購入率が高いことを背景にした食育発信事業といえる。

因みに最新データが総務省サイトにアップされている。H27~29年平均。
総務省統計局のページ

浜松市は支出額が多少減少しているものの高位をキープしている。

長野市はこんな具合である。

◆調理食品 119,972円で25位(全国平均116,974円)
◆弁当 14,567円で27位(全国平均14,423円)
◆冷凍調理食品 7,448円で23位(全国平均7,034円)

全国平均並みということだろうが、別に平均に意味があるわけではない。
コンビニ利用は高いわけで、総菜や弁当への栄養成分表示などは考慮したいところだ。現状把握が先ではあるが…。

浜松市の健康増進計画…学びたい点

(1)計画に年代別健康づくりの目標を設定し、年代別の健康づくりの意識づけに重きが置かれている点である。「市民のやらまいか」というスローガン・施策と呼応し、効果的な健康づくりの推進につながっているものと考える。

長野市の健康増進計画は食育推進計画と合体させた「ながの健やかプラン21」であるが、10の分野事業を体系化している。それぞれの分野別事業に対象年代の施策が位置付けられているのだが、分野別=横軸を年代別=ライフステージの縦軸に置き換えて目標化することは、市民にとってわかりやすくとっつきやすい健康づくりの意識づけになるものと思われる。

「ながの健やかプラン21」はH29年度~H34年度までの6年計画、H31年度には折り返し地点を迎える。

現計画では、指標等の達成状況は毎年度把握するものとされているが、最終評価は計画終了年度に市民アンケートを実施し計画見直しに反映することとされている。

折り返し地点での中間評価、事業見直しの取り組みの在り方も再検討したいところである。

(2)妊娠糖尿病支援、歯周病検診の拡大、35歳を対象とするスマホde健康チェック事業は、長野市の健康増進計画の事業にプラスで盛り込みたい施策である。

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