6月市議会定例会が始まりました…市長の議案説明より

 7日から6月市議会が始まりました。22日までの16日間の会期です。市側から提案された議案は、9億3,000万円余の一般会計補正予算案をはじめ条例改正案など14件、専決処分の承認4件、報告14件です。

《補正予算案のポイント》は、市内の穂保に放置されている産業廃棄物の一部を、産廃排出事業者から受託し撤去するための費用1億750万円と権堂B-1地区再開発事業への補助金6億6,593万円、イノシシ侵入防止柵を設置する松代地区有害鳥獣対策委員会への補助金2,927万円余です。
 不法に投棄・放置されている産業廃棄物の撤去は、違法排出事業者の負担を求めて撤去するものですが、放置されている2万3560㎥の2割にとどまり、残る8割の撤去をどうするか、さらに違法排出事業者46社との撤去負担契約の実効性がしっかり担保されるのかが課題として残ります。

《条例改正案》では、景気低迷を考慮し、資本金1,000万円以下の中小企業(市内約11,000法人中、約7割の7,800法人が対象)に対する法人市民税の均等割り税率を制限税率から標準税率に引き下げる特例をさらに2年間延長する市税条例の一部改正や、市民病院に新たに「血液内科」の診療科目を増設する条例改正などがポイントでしょう。
 「血液内科」は、内科の病気の中で血液や骨髄、リンパ腺に起こる病気、とくにいろんな貧血をはじめ白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液やリンパ腺のがんを治療する診療科となります。
 いずれも無論反対するものではありません。

《市長の議案説明》からポイントを拾ってみました。

H23年度決算見込み…26億円の基金取り崩しは10億円に圧縮でき、約19億円を次年度に繰越。基金残高は376億円(前年度比2億円増)、市債残高は1338億円(前年度比42億円減)に。

➋住民自治協議会に対する事務局長雇用補助金の創設で、32地区中25地区で事務局長が配置、新たに体制でスタート。また、中山間地域の地域活性化推進員は市の支援による自治協独自の雇用に移行しましたが、13地区すべてで雇用に。いずれも支所との連携、自治協の自立の見通しが課題となりますが、市長は「効果を十分に検証しながら、将来的な住民自治協議会への支援の在り方を総合的に検討していく」としています。

➌長野電鉄屋代線の跡地活用、秋を目途に方向性の決定へ。沿線市との調整、地元組織や長野電鉄と協議を重ね…。

➍LRTを含めた新交通システムの導入調査、来年度の早い段階で方針案のまとめへ。旧屋代線の鉄道施設を活用したLRT運行の可否は早い時期に方向付け。それぞれ交通対策審議会で協議されているものですが、議会側としても対応を急ぐ必要がありそうです。

➎しなの鉄道が引き受ける長野以北並行在来線への新駅設置について、今年度に可能性を調査。(これはプログに書き込み済み)

再生可能エネルギーの導入…公共施設への導入、補助金制度の施策を積極的に推進し、「今後は、地域における活動の後押しができるような導入促進策を研究」に言及。意味するところが不明…。

➐国の新規就農総合支援事業の対象見込者は約30人に。市内の10数地区で「人・農地プラン」の作成へ。

➑小学6年生まで拡大された「福祉医療費給付事業」…5月に対象保護者(約1万人)に申請書発送、9月下旬に受給者証の発行へ。周知徹底がカギ!です。

保育園の民営化・統廃合で、新たな計画の策定を社会福祉審議会に諮問。市内では4施設目となる「認定こども園」が開設されたようですが、国の「子ども・子育て新システム」導入の目論みと合わせ、対案作りを急ぐ必要があります。

第一庁舎・市民会館の建設…6月末には基本設計案のパブリックコメント実施へ。「今年度内を目途に実施設計を進める」とするのですが、パブコメを求めるにあたっての市民説明会の取り組み等には触れられず…。ここが問題でしょう!。
 5月29日には議会に対し基本設計案の一部が説明され、6月14日には基本設計案(最終の案)の説明が予定されていますが、両施設の役割や機能の検証はもちろんですが、市民の理解を深め合意を促進するための手立てをしっかり求めていきたいと考えます。
 旧市民会館の跡地は65台分の来庁者用駐車場に整備済み、市役所玄関棟の解体工事は秋ごろからの見通し。

サッカースタジアム整備…「最短工期でのスタジアム改修に向けて、スピード感を持って取り組む」と。スタジアムの改修は決定事項でしたっけ…?、要検証です。

松代新斎場…3月に地元合意調印、大峰新斎場とともにH26年度中の供用開始へ。

⓭セントラル・スクゥエアでの大型バス駐車場実証実験は9月から11月の3カ月間実施へ。

「お出かけパスポートのICカード化」…パスポート所有者(約5万5千人)に対し、ICカード切り替えの受付を開始。10月からの本稼働に向け、円滑な移行のための手立てが不可欠に。

⓯審議会答申を受け「人権同和政策推進基本方針」を今年度中に策定へ。

⓰消防の救急隊員30名、市独自に養成研修へ。信大医学部をはじめ市内5病院の協力を得て。

⓱合併地区の簡易水道事業はH28年度末に上水道事業に統合、新たに戸隠浄水場の建設に着手。

⓲縦割り行政の弊害を乗り越えるための「副市長プロジェクト」…副市長をプロジェクトマネージャーとして、「成果を意識したスピーディーな対応と着実な進展を図り、政策課題の解決へ」と市長。
 今まで「成果(=効果)を意識してなかったの?」と穿った見方もできる発言、費用対効果を見極めてという限りにおいては異論はないが、採算性・効率性が優先されないよう要チェックです。

《6月議会の論点》
 6月議会では、地域防災計画の見直し、新交通システムの導入、権堂B-1地区の再開発をはじめとする権堂再生の見通し、長野駅前広場の整備、新市民会館建設への市民参加と市民合意、産業廃棄物の除去の見通し、住民自治協議会の自立と支援、放射性物質に対する市民の安全確保、原発再稼働問題と節電・省エネ、自然エネルギーへの転換などが論点になるのではと思います。

 今議会では一般質問に立ちませんが、委員会審議を中心に、” 市民の幸せ”第一でしっかりと対応したいと思います。

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