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総務委員会行政視察➋…愛知県豊橋市「シティプロモーション」

 10日は愛知県豊橋市を訪問。面積261.35㎢、人口は376,800人。愛知県東部・東三河の中心都市で中核市。農商工のバランスのとれた産業構造にあるとされています。「530(ゴミゼロ)運動発祥の地市としても知られています。

豊橋市「指定プロモーション推進室」の室長をはじめ、全スタッフで説明いただきました。


 豊橋市の視察テーマは「ええじゃないか豊橋」を合言葉とする「シティプロモーション」についてです。
 シティプロモーションとは、都市間競争に打ち勝とうと自分たちの都市を宣伝し売り込むことを言います。豊橋市では「市民や企業、団体と一体となって都市の魅力を市の内外に効果的に発信⇒人・モノ・金・情報等がこの地域に流入⇒このまちが一層魅力的になり、市民生活がより豊かになることを目指すための取り組み」と定式化しています。
リンク…豊橋市ホームページ・シティプロモーションページ=「ええじゃないか豊橋」

 長野市においては、市行政や民間団体など相互の連携が取れていないことから各事業を結びつける統一的な概念を創造が必要であること、H26年度の北陸新幹線の金沢延伸により通過都市にならないために「ながのの魅力を再認識し、鮮明に発信していく必要があること、激化が予想される都市間競争を勝ち抜くためには、首都圏をはじめ全国各地への情報発信の確立が急務であることなどから、シティプロモーション推進本部を庁内に設置し(H23年)、経済界や民間事業団体とともに「オール長野市」の「連絡協議会」を立ち上げ、検討を始めている段階です。
 戦略イメージとして「長野市の対外的な認知度と都市イメージの向上を目指す」「長野に住んでよかった、住み続けたいという想いを市民が抱きプライドを高める事業」を掲げ、当面、イメージキャラクターやプロモーション用ツール(ロゴやキャッチフレーズ、ビデオなど)を開発し、活用を図るとしています。担当課は秘書課。
 この間の市議会における答弁などを踏まえると、全体的に、民の活力と発想に依拠しながら、新幹線延伸を見据え、対外的に「ながの」を売り込むことを主眼としているように受け止められます。

 そこで豊橋市ですが、私自身、正直にいって豊橋市といわれて連想できるものがありませんでした。路面電車が残っている位の認識でしょうか。
 豊橋市のシティプロモーションは、まさにここを原点に。東三河の中心都市として発展してきたものの、外から見た認知度やイメージの浸透度が高くない現実から出発しています。

 市外地での調査で、「豊橋の名前は知っている=93%に対し、連想するものがない=70%」、ブランド力は「全国802自治体中255位、中核市41中30位」と全国的に高くない、しかし、住みよさでは「784自治体中204位、中核市41中13位」と高い方に位置し、「住みよい」と感じている市民が8割以上いるとの現状分析から、統一的なイメージを醸成しにくいこと、情報発信の効果にも限界がある事を共通認識として、オール豊橋体制によるシティプロモーションの推進を図っていることが長野市と比較しての大きな特徴といえます。

 合言葉は「ええじゃないか豊橋」、商工会議所が中心となる豊橋祭りでのキャッチフレーズをそのまま活用しています。幕末期の社会現象として広がった民衆運動、「ええじゃないか」の発祥の地とされていることもあり、すんなりと決まったとのことです。キャッチフレーズは重要です。

 H21年12月に「豊橋市シティプロモーション戦略ビジョン」を策定、H22年を「シティプロモーション元年」と位置づけ、「ええじゃないか豊橋推進計画」でビジョンを具体化。
 計画は①地域内向けの「アイラブとよはし運動の展開」、②地域外向けの「とよはしイメージアップ大作戦の展開」、③計画推進に向けた「広報戦略」と「推進体制等」を柱にすえ、プロモーションの核として「手筒花火」「総合動植物公園-のんほいパーク」「路面電車」「とよはし食文化」をコンテンツに活動を展開しています。

「市電」で親しまれる豊橋鉄道の路面電車。LRVを一部導入しています。経営は赤字で厳しいとのことでした。


ロボットのキャラクターと手筒花火(本物ではありません)。JR豊橋駅の自由通路で。


 さらに、豊橋PRユニットとして「豊橋伝播体DOEE(ドゥーイ)」を、民間を主体としつつも行政が裏方でしっかり支えながら結成、パフォーマンスを繰り広げながら若者層へのアプローチを手掛けています。動物園で生まれた小象の「マーラ」を活用したPRも展開されつつあります。
リンク:「豊橋伝播体DOEE(ドゥーイ)」の動画=You Tube
 
 また、東京の都市センタービルに「首都圏活動センター」(長野市でいう東京事務所)を開設し、首都圏でのPRの拠点としています。
 行政として事業の裾野を広げるため、シティプロモーション事業補助金や認定事業を用意しています。

 課題は、プロモーション活動の効果測定です。市民の愛着度や市の認知度を数字で測定することは「なかなか困難」としつつも、「計画の進捗管理を通じ効果を検証していきたい」とします。まだまだこれからなのでしょう。

 具体的な取り組みもさることながら、問題意識、発想に学ぶところが多かったと思います。

 一つに、「市民の愛着度が一番」とすること…シティプロモートは内・外に向けた体系を持ちますが、外よりもむしろ中、市民向けに愛着度を高めることに重点を置いていることはポイントです。住んでいる市民が自分の地域を自慢に思えて初めて外に向かってアピールできるのですから、当たり前といえば当たり前なのですが「目からうろこ」って感じです。
もっとも、長野のように「善光寺、オリンピック、蕎麦」とすぐに連想できるものがある都市とは違うこと、認知度・ブランド力の違いがあることを押さえておく必要はあると思います。しかし、問題意識のウェイトの置き方としては大事な事柄でしょう。

 2つに「民間に対しては何でもウェルカム」…豊橋市では指定プロモーション推進室を設置、3人体制となっています。民間に対する窓口であり、橋渡しをしっかりと行い、庁内的にはそれぞれ事業課の仕事を統括・サポートする態勢になっているようです。民間に頼るのではなく、民間から頼られる行政という信頼関係の築き方は発想として大事なことだと思います。行政のマンパワーが問われることでもあります。

 3つに「若手職員の発想の登用」…豊橋市ではシティプロモーション用のホームページを開設していますが、「若手職員が発見したまちの魅力」なんかのページが作られています。これは一例ですが、2点目のことと関連して、行政の職員が持つ力=官の力を引き出す発想が生きていることです。これは「市民の愛着度が一番」とする戦略とも関連するのでしょう。「官の力」を引き出し活かすシティプロモートという視点を忘れてはならないと思います。

 豊橋市の推進室長が「長野は魅力が一杯、うらやましい限り」と言っていました。外から見ると確かにそうなのでしょう。問題は市民自らが「ふるさと長野の魅力再発見」につながること、長野がもつブランド力をいかに売るか、売り方に、「民の力」、「官の力」を結集していくことが大事なのだと考えさせられました。新幹線の金沢延伸に伴う観光戦略を柱にしつつも、シティプロモートはそれだけじゃないということでしょう。
 シティプロモーションの究極の目標は「市民生活がより豊かになること」にあるのですから。

 ところで、豊橋市は「うどんのまち」。いま「豊橋カレーうどん」を売り出し中。必ず自家製面を使用し、「器の底からもごはん・とろろ・カレーうどんの順に入れる」などのこだわりの品。話だけに終わり、実際に食せなかったのが「残念」…お腹が一杯で手も口も出せずじまいに終わりました。今度、訪問する折には、ぜひ食したいものです。

JR豊橋駅前の様子。宿泊したホテルから。


JR豊橋駅の一角にある観光情報センター。真ん中が手筒花火。

 

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