市議選を振り返って[その2]…過去最低の投票率

 今回の市議選の投票率は46.32%で、前回の49.71%を更に3.39ポイント下まわる結果となりました。定数7オーバーの激戦であったにもかかわらずです。4月の県議選の長野市区の投票率も48.55%(全県54.19%)で、初めて50%を下まわりましたが、今市議選は、低投票率をさらに更新してしまいました。因みに2年前の市長選挙の投票率は48.82%でした。

 今回の市議選は3連休の中日に行うことになったことから、投票率アップのために支所での期日前投票の時間を暫定的に夜7時まで2時間延長しました。この時間帯に投票所に足を運んだ市民は多かったのですが、全体の投票率アップにつなげることはできませんでした。

 市民生活にとって一番身近な選挙である市議会議員選挙の投票率が50%を割ることは深刻な問題です。原因はいろいろ考えられると思います。投票日が連休の最中であったこと、国政への政治不信が募る中、地方政治にも「誰がなっても同じ。変わらない」との不信の目が向けられていること、住民投票条例の否決などで「あきらめ感」が市民の間にあること、総じて市政が遠くなっていることなどなどでしょうか。

 選挙後の若い世代が集まったある会合で、「ゴメンなさい。投票に行かなかった」と正直に打ち明けた若い主婦がいました。「どうして?」と聞くと「地元の布目さんを応援はしていたけど、大丈夫だって聞いたし、連休で出かけちゃったから。市政に余り関心ないし、自分はいかなくても…」との答え。

 遠い市政を身近なところにまで引き寄せられていない私たち議員の側に責任があると考えるべきでしょう。

 さらに大きな問題は、50%を割る投票で選ばれた議員で、果たして民意を代表できるのだろうかと、私自身、自問を余儀なくされていることです。これは市長にもいえることでしょう。「声なき声」を投票行動に向かわせる原動力をどのように引き出すのか、議会の責任、議員の責任はより重いといわなければなりません。

 今後のよりよい市民生活を考えて、「原因を把握するために議会として広くアンケート調査を行うことが必要」との意見もあります。一考に値するとは思いますが、まずなすべきことがあるのではと考えます。

 議会の役割は、市民の声に基づき、市行政を厳しく監視・チェックし政策決定を行うとともに、市民の幸せのために市行政の足らざる部分を政策提言・政策立案し実現することにあります。

 「議会の議論が見えない」との声に対し、議会基本条例の理念を活かし、市政報告会をはじめ、議会活動・議員活動の「見える化」を図ること。無論、議員個人の市政報告・情報発信をより活発化することも重要です。

 「議員の活動が見えない」との声に対し、政策条例を立案し制定させていくプロセスと結果をつくりだすこと。市側が提案する議案をはじめ市長提案について、何を焦点にして、どのように向き合っているのか、議員の対応を市民によりわかりやすく広げていくことが重要なのではないでしょうか。

 条例制定には最低6人の議員提案者が必要です。少数会派の議員としては、議会全体に働きかけ、議会の意思に高めていく努力が不可欠となります。こうした過程を通して、議会全体の政策論争が活発化し、「討論する議会」を体現する、結果、議会を身近なものにしていけるのではと思います。

 例えば、市民自治基本条例、常設型住民投票条例、公契約条例、子ども条例などを課題とし、議会内で検討を始めることから着手したいと思います。さらに、当面する政策課題として、市民の声に基づく市民会館建て替えの見直し、屋代線存続の可能性の検証と具体化を図りたいと思います。

 とくに市民会館建て替え問題では、合併特例債の期限が5年間延長されること(つまり、市民会館はH31年度末までの完成の期限で建て替えが可能となります)、を見据え、この5年間を市民合意のために有効に活用する手立てを考え抜くことが重要になったと思っています。この件は、もっと課題を整理して提案したいと思います。

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