庁舎・芸術館…免震「不適合」の続報

建設中の市役所庁舎・芸術館の免震装置のデータ偽装による「不適合」問題で、16日午前、市議会総務委員会が開かれ、傍聴しました。

免震装置90基すべてが「不適合」

報道等では83基が「不適合」とされていましたが、東洋ゴム工業によるデータ改ざんによる国交省認定取消が83基で、残る7基もデータ改ざんはないものの性能評価基準を満たさず「不適合」とされ、結果、90基すべてが「不適合」で対処方が求められることになりました。

スケジュールは未定

市側は「現在、東洋ゴムと連絡を取り情報収集を行っており、今後の対応策は、国土交通省に連絡を取りながら、設計者及び施工者を交えて検討する」とし、「当面、構造計算をやり直し構造安定性の検証を速やかに進めることが課題」、「工程等のスケジュールはすべて未定」としました。

免震装置(高減衰ゴム系積層ゴム)の交換・改修など必要な対策が見えていない段階では、「未定」とせざるを得ない今日的な情況は理解します。
また、免震装置における東洋ゴム製品の選択は受注者である前田・飯島建設JVの責任であり、建前上、発注者である長野市は、受注者に対し「品質を確保し工期通りの完成を求める」という立場にあることも理解します。

しかしながら、「交換・改修」の場合にどれだけの日数が必要なのか、上物の建設工事の中断が必要となるのか、一般論としての工期と他の工事への影響くらいは、早々に示してもらいたいものです。

何故、東洋ゴム工業製品を採用することになったのか

説明では、設計者(槇・長野設計共同体)は、「構想計算に適合する免震装置として、同等性能を持つ2社の製品に適応できるよう、各社の製品規格に合わせた設計仕様書を作成」したとのことです。2社は東洋ゴム工業とブリジストンです。因みに免震ゴム製造会社は4社だそうです。

工事請負者(前田・飯島建設JV)は、2社の製品の内、東洋ゴム工業製の製品を選択し、市は製品が設計に適合していることを確認して承諾したとの経過です。

いずれも、大臣認定適合製品であることを前提としていますから、その設計及び施工、製品選択の過程に瑕疵はないものと思われます。

しかし、設計段階で東洋ゴムとブリジストンの2社限定で仕様としたのは何故か、前田・飯島建設JVが2社から東洋ゴム工業製品を選択したの社からは何故か、その理由はそれぞれ開示されることが必要です。

性能のデータ偽装により国交省の認定を不正に取得した東洋ゴム工業において、ダンピングによる強引な売り込みがなかったのか、「不正取引」となるような疑惑がないのか、穿った見方かもしれませんが、この際、解明しておく必要があります。

情報とスケジュールの明示を

市としては、8カ月遅れとなった庁舎・芸術館建設において、本年11月竣工、来年1月新庁舎オープン、来年5月芸術館オープンを市民に約束してきました。

市にしてみれば、「青天の霹靂」状態でしょう。
しかし、「偽装による不可抗力」とはいえ、市において、構造安定性の検証に必要な時間及び検証結果、免震装置の交換・改修に必要な時間、そして全体工期への影響を可能な限り速やかに市民に情報開示し、理解を求めていく姿勢が不可欠です。

絶対安全性、品質確保を最優先した取り組み、そして、速やかな情報全面開示が問われます。