市民生活部、文化スポーツ振興部の新設へ…効果のほどは?

 4日の会派合同会議で示されたH27年度の組織・機構の見直しは、かなり大きな組織改編となっています。(既に信濃毎日新聞で報道されていますが…)
 昨春の「こども未来部」の創設は評価してきたところですが、市長が変わると、まずは組織をいじりたくなるようです。

 主な見直し内容と課題や所感を報告します。

 組織改編の狙いがイマイチわからないところもありますが、行政組織としての効率性、市職員の仕事の” やりやすさ”という視点と、市民から見ての” わかりやすさ”の視点で、評価すべきものでしょう。
 それぞれの部局を横断し総合的に検討しなければならない課題が多いだけに、求められる機能が発揮できるのか、結論はまだ見えていません。

市民生活部の新設

 支所が担う地域課題解決に向けた地域住民活動の支援と行政窓口サービスを一体的・総合的に推進するためとされ、「地域振興部」と「生活部」を統合するもの。
➊都市内分権課と市民活動支援課を統合し、「地域活動支援課」に。
➋新第一庁舎における総合窓口業務ととともに支所窓口業務を支援する「市民窓口課」を設置。
➌生活部の男女共同参画推進課と保健福祉部の人権同和政策課を統合し「人権・男女共同参画課」に。
➍「市民窓口課」の設置に伴い、市民課を「戸籍・住民記録課」に改称。
➎生活部が所管していた「医療事業課」(市民病院を担当)と「国民健康保険課」を保健福祉部に移管。

 後述の「文化スポーツ振興部」もそうですが、部長職に就く理事者は大変だろうなと慮ります。2部の新設・2部の廃止で部長の人数は変わりませんが、所管分野が広いだけに、より高度な専門性・統括性が求められることになります。 

 課題としては、市民生活部の新設が新庁舎におけるワンストップサービスの展開としっかり連携したものになるのか、都市内分権課が地域活動支援課に吸収統合され、住民自治協議会や市民公益活動への支援に一本化されることで、「市役所内分権」の取り組みはどうなるのか、都市内分権審議会のこれまでの審議経過をどのように踏まえているのか、「人権・男女共同参画課」の設置で「課名」から「同和」が削除されることにより部落差別根絶に向けた取り組みが後退する、薄められるということはないのか、などなどが疑問として残ります。
 市民に身近な「部」であるだけに、それぞれの課が市民から見てわかりやすいものかどうかも評価の分かれ道となるのではないでしょうか。

文化スポーツ振興部の新設

 長野市芸術館の開館等を契機に、教育部門の枠を超えた多彩な文化芸術、スポーツ振興施策を展開し、市長部局において一体的な取り組みを図るためとされるもので、教育委員会から市長部局に仕事を移管し「文化スポーツ振興部」とするもの。
➊教育委員化から文化芸術推進課と体育課を移管し、「文化芸術課」と「スポーツ課」に改称。

 文化芸術やスポーツの振興について、教育委員会から市長部局に仕事を移管することは、議会も求めてきたもので、12月定例会では「前向きに取り組む姿勢」が示されていました。
 しかしながら、文化芸術とスポーツを束ねることにはいささか疑念が残ります。課題は有効な施策の一体的な展開ということでしょう。社会体育施設も移管しますから、社会教育の観点からの施策展開との住み分け、連携も課題となるのではないかと推察します。

農林部に「いのしか対策課」を新設

 イノシシ、シカ等の野生鳥獣による農作物の被害対策、捕獲・狩猟、捕獲鳥獣のジビエによる有効活用等を一体的に推進するため、特化された「課」を新設するもの。
 期待したいところです。

「人口減少対策室」を「人口減少対策課」に格上げ

 人口減少対策を総合的・横断的な視点で取り組むため、「室」から「課」に格上げするもの。企画政策部が所管します。
 まぁ、求められるところでしょう。「総合的・横断的」がカギです。

生活保護や生活困窮者自立支援を「厚生課」から「生活支援課」に移行

「厚生課」は生活保護業務を切り離して「福祉政策課」に衣替えします。
 生活困窮者自立支援法に基づく事業が新年度から市の仕事として本格化することから、「生活支援課」で一括対応という意図はわかるのですが、「福祉政策課」の狙いがわかるようでわかりません…。今更ですが、今後確認します。

市保健所で「係」を廃止し「スタッフ制」を導入

 例えば、「健康課」にある「健康づくり係」「成人保健係」「感染症対策係」「難病精神保健係」などの「係」を廃止し「スタッフ制」を導入するというものです。
 組織の効率化と所属内の柔軟な人員配置を図るものとされていますが、なぜ保健所だけなのか、責任の所在の曖昧さにつながらないかが懸念されます。これまた、今後確認したいと思います。

教育委員会制度の見直しも

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改定されたことによるもので、教育委員長と教育長を一体化した「新教育長」の設置、市長が参画する「総合教育会議」の設置と、教育・学術・文化の振興に関する「総合的な施策大綱」の策定などを柱とします。
 法律に基づく新体制への移行は、現教育長の任期を勘案し、教育委員会で検討し方向性を定めるとされました。

 いじめや虐待への対応を巡り、現在の教育委員会制度に課題があることは事実ですが、教育への首長の恣意的な介入を助長することにつながらないかが懸念されます。
 法律が施行されたとはいえ、教育委員会の独立性を高め、教育の中立性、継続性、安定性を確保していくことが重要だと考えます。

 この件については、改めて問題意識を整理したいと思います。