市議会議場に「日の丸」…反対討論

 20日の長野市議会6月定例会の最終日、議会運営委員会委員長報告の通り、「長野市議会の議場に国旗および市旗の掲揚を求める請願」が賛成多数で可決されてしまいました。
 無所属の西村裕子議員、共産党の佐藤久美子議員、そして私も市民ネットを代表して反対討論を行いました。

 以下は、私の反対討論の内容です。

 請願第24号「長野市議会の議場に国旗および市旗の掲揚を求める請願」を採択すべきものとした議会運営委員会委員長報告に反対の立場で討論します。

 長野市議会では、過去に議場への「国旗」掲揚が議論されつつも、見送られてきた経過があります。
 1999年に「国旗・国歌」法が数の力で強行成立して以降、自治体議会の議場に国旗を掲揚する動きが加速的に進んだことは事実です。
 2004年には、都道府県議会で唯一掲揚してこなかった長野県議会が、「国旗」掲揚を混乱の中で強行採決しました。
 しかしながら、全国的にみると、議場に「国旗」を掲揚しない市町村議会は、少なくはありません。

 「国旗・国歌法」が制定されましたが、学校教育現場では「国歌・君が代」の斉唱問題と合わせ、「法の下に押しつけられる」ことをめぐり、未だ賛否が分かれ、今日に至っています。

 「日の丸」が国民の間に定着してきていることは否定しません。しかしながら、過去の侵略戦争、植民地支配のシンボルとして、今日なお、軍国主義への回帰を懸念する国内外の世論は根強く存在していることに心を砕くことが必要ではないでしょうか。

 議場への「国旗」掲揚は、市民の間でも意見が分かれるものと考えます。憲法第19条に定める「思想・良心の自由」、「内心の自由」に関わる問題だけに、市民的な合意・理解も必要不可欠だと考えます。
 故に議会運営委員会では「広く市民の意見を聞いて慎重に判断すべき」と「継続審査」を提案しましたが、賛成少数で否決となりました。極めて残念です。

 さて、委員会では請願団体である「日本会議長野北信支部」の代表を参考人に招き意見を聴きました。
 参考人は次のように強調されました。「自虐的教育が行われ、正しい歴史認識が浸透していないことは憂慮すべきこと。国家の主権が脅かされている中、国防意識、国家意識を高めるために、議場に『日の丸』を掲揚してもらいたい」と。ナショナリスティックな「日本会議」ならではの主張であると思いながらお聴きした一人です。
 むしろ、こうした主張で「日の丸」の掲揚を進めようとするが故に、「日の丸」に軍国主義の復活を憂慮する国内外の声が絶えないのではないですか。

 さすがに、この主張には、請願賛成の一部議員から「賛同できない意見」と発言する場面もありましたが、本請願に賛成された委員の皆さん、そして、これから賛成しようとする議員の皆さんに申し上げたいと思います。

 「市議会議場を『国威発揚の場』にしようとする請願団体の発想・意見・意図を含め、『願意』を組んで賛成したことになるということを忘れないでください。市議会は大政翼賛議会であってはなりません。時代錯誤も甚だしいといわなければなりません。市議会は市民に向き合い市民の幸せのために切磋琢磨し、議決責任を果たす場です」と。

 国会において、集団的自衛権の行使容認の閣議決定に向けた与党協議が加速的に進んでいる中、愛国心が強調され、市議会に「国威発揚」を求める意図・動きそのものに脅威というか危険を感じざるを得ません。

 国を愛する心は、単に「日の丸」への敬愛ではなく、「この国の形」に信頼を寄せられるような政治の営みがあって初めて育まれるものでしょう。
 
 繰り返します。
 長野市議会の議場は、「国旗」を前にして「国への忠誠を誓う場」ではありません。二元代表制のもと、市民に向き合い38万市民の幸せのために切磋琢磨し、議決責任を果たす場です。

 このことを強く申し上げて、反対討論とします。