新年度事業「地域きらめき隊」と「地域きらめき事業」を考える【3月議会の質問より➏】

 新年度予算のポイントの一つは、重点施策である「魅力ある地域づくり」と連動する「地域活性化」です。
 
 各支所の補佐を「地域きらめき隊員」に任命し地域おこしを図ることと、そして「地域発きらめき事業」という事業名で、3年間を目途に一支所一モデル事業を住自協と連携して進めることです。
 市長の肝いりでスタートするものです。

 4月1日には、「地域きらめき隊任命式」が行われ、加藤市長が29人の隊員(市職員)に任命通知書を交付、「地域を元気にするため、攻めて、攻めて、攻めまくること」と訓示したようです。
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 本会議の質問では、華々しく打ち出された「地域きらめき隊」が本当に地域おこしにつながるのか、総務委員会の議案審査の中では「地域発きらめき事業」が地域活性化のけん引力となるのか、といった観点から質疑しました。
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地域きらめき隊は地域おこしにつなげられるか

 私は、疑問を持っています。

 支所機能充実の一環として、住自協との連携を強めるため、支所長が住自協の活動を支援するコーディネーターの役割を担っています。これも、住自協サイドからすると温度差があるようです。
 
 問題は、「地域きらめき隊」が、支所長の他に、新たに支所長補佐に「地域きらめき隊員」あるいは「チーフ」という特命任務を課し、行政区内の隅々にまで足を運び地域の魅力を再発見する仕事を担わせる仕組みになっていることです。

 国では、地域の活性化のために「地域おこし協力隊」(特別地方公務員として活動)を都市圏から地方都市に派遣する事業を展開し、支援を行っています。長野市内では11地区に13人の協力隊員が活動しています。
 今回の「地域きらめき隊」は、いわば「地域おこし協力隊」の市職員版で、「職員の資質向上と地域活性化」に取り組むものとされていることです。

住自協との協働、地域おこしを専任とする新たな職員配置こそ必要ではないか

 私は、今の支所の体制で、さらにプラスとなる業務を課しても、支所の歯車は回らないと考えます。
 むしろ、支所職員全体のオーバーワークを生み、ストレスを拡大させることにつながるのではないでしょうか。本気で心配しています。

 新たに特命任務を支所に課すのであれば、住自協担当専任職員を増員することが必要です。

 地域発きらめき事業を住自協としっかり連携し住民自治によるまちづくりの効果を確かなものにするためには、支所の支援体制を抜本的に強化することが必要なこと、国の「地域おこし協力隊」の市街地への派遣を検討し地域活性化を図ること、まず2点を提案・指摘しました。

「現状の職員体制で実施可能と判断」と答弁

 市民生活部長は、「地域きらめき隊の創設は、地域に身近な支所職員が担当することが適当と考え、支所内部の業務内容を勘案する中で、支所長補佐を任命するもの」と述べ、今後については「隊員としての活動が活発となり支所業務に支障をきたす場合は、職員配置を検討したい」と述べるととどまりました。

 また、市街地での地域おこし協力隊の導入については「制度上は可能」としつつも、「地域おこし協力隊は、田舎暮らしを希求し、農林水産業を通じて地域おこしに従事することを望んでいる人が多いこと、市街地での地域課題の解決が協力隊員のミッションとして適当か、受け入れ態勢がつくれるかなどの課題を成立しながら、導入の是非を検討する」と答弁。将来的な課題とする姿勢を示しました。

「やってみないとわからない…」

 地域きらめき隊を所管する副市長や、部長らとの懇談の折には、「地域発きらめき事業」を含め「やってみないとわからないが期待はしたい…」との声が聞こえてきます。
 
 住自協との協働で地域活性化を図るという本来の目的・趣旨は理解をしますが、支所の人口規模の違い、行政区の数の違い、そして地域特性の違いを踏まえ、住自協における住民自治の意識の醸成、それと連動する支所機能のあり方(配置や定員を含めて)を十分に検討してスタートさせるべき問題であると考えます。

 市長の“鶴の一声”で、付け焼刃的にことが進むことを深く憂慮しています。

 初期の「都市内分権」の理念と方向性が歪んできているように感じます。

 住民自治協議会活動の到達点と行政との協働の在り方、市役所内分権の課題と対策、住民自治の視点から行政職(自分の仕事)を考える職員の資質向上などについて、しっかりと調査研究することが必要です。

「支所長を在住職員から登用」を提案

 住自協の支援を主体的に担う支所長等の人事について、行政区内の在住職員から登用していくことを提案しました。

 住み慣れた地域をさらに住み続けたいまちにしていくには、地域のことをよくわかっている職員が適任なのではないかと考えるからです。確かに「よそ者」の着眼という視点もありますが、3年ほどで異動することを考えると、中途半端さは否めません。

 質問に対し総務部長は、「地域を熟知した職員が地域の課題解決に向けて取り組みことは効果的な手法であるが、一方で外からの目線も重要。今後とも、年1回実施している職員の自己申告による配置希望等を勘案しながら適正な人事配置に努める」と答弁しました。

「聞き置き」答弁です。人事問題はなかなか難しいのですが、一つの視点として提起は続けたいと思います。

「地域発きらめき事業」…進捗管理、将来展望を含め「指針」の早期策定を

 一支所一モデル事業として実施される「地域発きらめき事業」は、初年度32支所で7,400万円を投入します。
 支所単位に住自協と協議してまとまった事業計画であることから、地域活性化に向けて成果を上げることを期待はしています。

全市的に展開すべき事業が混在

 しかしながら、モデルとされた事業には、本来、担当部局が全市的に展開すべき事業が混在していて、支所が住自協と連携して実施する地域活性化事業とは性格が異なるものが含まれています。
 
 例えば、保健センターで実施する「長野市版ネウボラ」(保健センター)であったり、中山間地域の交通ネットワーク再編に向けた住民意識調査(交通政策課)の取り組みなどです。

全体的に拙速さ否めず

 
 さらに、3年間のモデル事業とされていますが、毎年度ごとの事業の進捗管理や事業評価の仕組みが明確に確立されていません。また、モデル事業終了後の継続の考え方も明確になっていません。

 本来であれば、モデル事業といえども、需要期の課題にかかわる「指針」や「地域発きらめき事業の要綱」が策定されて然るべきです。

 どうも拙速感が否めず、見切り発車したように思えてなりません。
 支所の現場では結構混乱しているというか、戸惑いが絶えません。

総務委員会の指摘、活かされるようチェック

 総務委員会では、各地区の事業展開が混乱しないよう、「指針」の早期策定を含め、上記にかかわる意見を提言し、委員長報告に盛り込まれました。

【総務委員会委員長報告より】
 「本事業の実施にあたっては、各地区における毎年度の事業成果の検証や事業の進捗管理の方法、事業の継続性やモデル事業終了後の展望などについて、十分整理することが必要」「本事業に関する指針などを早期に示し、支所等の現場における取組の円滑な推進を図るとともに、各支所における取組状況を十分把握し、地域住民の理解を得ながら、必要に応じて適切に対応していくよう強く要望する」

 新年度を迎え、事業の具体化が進みます。総務委員会の指摘が活かされるようチェックしていかなければなりません。