第一庁舎・市民会館の基本設計策定の段階を迎えて

 5月29日の会派総会で、新しい市役所第一庁舎と長野市民会館の基本設計状況が明らかにされました。この6月議会中、14日には基本設計の全体像と市民のパブリックコメントについて説明を受ける段階を迎えています。
 部分的ではありますが、今日的な課題について考えてみたいと思います。

基本設計案・現在の検討案での断面図


 市の説明では、2施設は、低層階で一部重ねる合築方式で計画、西側に建てる第1庁舎は地上8階建てとし、東側の市民会館には1300席程度の大ホールを配置します。
 設計者がプロポーザルの段階で示した原原案と比べると、庁舎におけるワンストップサービスの広さを確保するため、音楽用小ホール(300席程度)を地下2階に、演劇用の小ホール(200~300席程度)を3階に設け、縦に重なるように造るという具合に変更されました。
 地下2階~地上4階の平面図も示されました。地下には練習室や楽屋など市民会館の機能を配置。庁舎部分では、1階をギャラリーや市の情報閲覧スペースなどの「市民交流プラザ」に、2階にはワンストップサービスとなる市民窓口フロアーとし、3階に福祉関係、4階には税務関係を配置する考え方です。
 また、平面図は示されていませんが、5~6階に市長室・災害対策本部・企画政策・財政などを置き、7~8階は議会フロアーとしレストランもつくる計画です。
第1庁舎は延べ床面積1万6千㎡、市民会館は1万1500㎡。2施設合計の延べ床面積は2万7500㎡で、これまでの計画の範囲内に収まるとしています。
事業費は市役所第1庁舎が65億円(うち合併特例債51億円)、市民会館が69億円(うち合併特例債53億円)、合計134億円を見込んでいます。
 なお、掲載した資料本編は長野市ホームページに掲載されています。
 ⇒《新第一庁舎・新市民会館の基本設計の状況について(PDF)》

基本設計案・現在検討案での1階平面図


基本設計案・現在検討案での2階平面図


 第一庁舎・市民会館の建て替え問題は、旧市民会館の解体工事が完了し、基本計画の段階から基本設計・実施設計の段階に移行する一つの節目に立っています。

 議員発議した住民投票条例案が否決となり、また市民合意を優先させ新市民会館等の建設事業費を削減する予算修正案も否決されたものの、市民合意の課題は依然として残っています。「長野を象徴する文化芸術の拠点」となる施設であり、庁舎と合わせ130億円を超える大規模プロジェクトとなるだけに、市民合意は不可欠です。また、合併特例債・期限延長の活用問題も残ってはいます。

 しかし、残念ながら既成事実が進む中、建設する施設の具体的な役割・機能、中身の問題を吟味・検討する段階となっていることも現実です。基本構想段階から「現在地での建設」を主張してきた責任において、合築となることから面積的な制約は大前提とし、求められる機能が十分に発揮できるかどうかという観点から、基本設計を考えるべきでしょう。
 
 そこで、課題というか、検証が必要な事柄を思いつくまま羅列してみました。まだまだあるとは思います。
●3つのホールの機能性、役割の明確化。
●2つの小ホールを2段重ね(地下と3階)にすることで、それぞれの機能が保持されるのか、入館者の待機場所及び動線は確保されるのか。
●練習室・リハーサル室・楽屋などは十分なスペースを確保できるのか。リハーサル室と舞台との動線は機能的なのか。
●練習室家・リハーサル室は地下に配置されるが、開館時間の保障とセキュリティーの確保はどのようになるのか。
●イベント時の搬入・搬出は合理的なのか。
●イベント時の待合スペースは1階に十分に確保されるのか。1階共用スペースの機能性、ゆとり度合いは十分か。
●ワンストップサービスを目指す市民窓口は、2階フロアーで十分か。原原案と比べ、どれだけ拡大したのか。
●職員の執務スペース、休憩スペース等、労働安全衛生、福利厚生の視点から十分に確保されるのか。
●道路整備・ロータリー・駐車場・憩スペースの在り方など、周辺整備の課題と見通しはどうなのか。
●第2庁舎及びふれあい福祉センターとの有機的な連結の具体はどうなるのか。隣接民有地の活用の見通しはどうなのか。

 そして、市民合意の形成についてです。
 6月中には基本設計案をまとめ市民にパブリックコメントを求めていく予定のようですが、パブコメだけでなく、市民説明会や市民の意見聴取の具体的な取り組みの方向性が示されるべきです。
 3月議会で、市側が「基本設計は、建設の詳細部分を描く段階であることから、市民にとっての使い勝手向上につながるような意見を広く聴いていきたい」「設計案の全戸配布や市民説明会の開催等、市民に丁寧に説明していく」としたことについて、誠実な対応方が求められています。「設計案」について、バーチャル体験できるような媒体があるとわかりやすいとも思います(確か、長野駅前の整備計画の時に採用されていたと思います。性能はイマイチでしたが…)。
 さらに、独自に市民説明会を開いた議会としての新たな取り組みも求められるところです。

 更に、ソフトとなる「新市民会館管理運営基本計画」との連携・連動についても、検討を深める必要があります。

 明日から一般質問です。まぁ、14日の説明を聞いたうえで、注文を付けるべきところは注文をつけ、市民合意の形成に資することのできるプロセスを確立していきたいと考えます。