新年度予算…テーマから消えた「輿望」と健康づくりを質す【3月議会の質問➊】

1,505億円の新年度予算案は、人口減少・少子高齢化が加速する中、増大する社会保障関係経費への対応、市民の生命財産を守る防災対策、公共施設マネジメントなどの重要・困難な行政課題に対し、事が起きてからの対処療法ではなく、あらかじめ備え、対策を図る「YOBOU」(予防・呼ぼう)をテーマにしています。

「予防」と「呼ぼう」のテーマ…問題意識は共有

「守る健康」とともに「つくる健康」に向けた健康寿命延伸・健康増進づくり、大規模災害等への減災の徹底、計画的な公共施設の再編、格差と貧困対策、地方財政の健全化に向け、抜本的な予防策の確立が問われているという意味で、なおかつ、そうした政策・施策が市民の喫緊の必要度・満足度に応えられるものにしたいと意味で問題意識は共有したいと考えます。

テーマから消えた、市民の声をしっかり聴く「輿望」

「輿望」って何のこと?と思われる方が多いと思います。

振り返って、「市民総元気予算」と命名された今年度予算のテーマは、三つの「YOBOU」で、「予防」と「呼ぼう」は継承されましたが、市民の声を聴く、いろいろな意見を聴くという意味で、行政だけでなく市民と共に、市民の声を聴きながら一緒に進めていくという意味あいを込めてテーマ化された「輿望」は消え去りました。「輿望」はなじみのある表現ではありませんし漢字も難しいものです。語呂合わせ的で、若干、無理やり感のあるテーマ設定ですが、市民の声を聴きながら一緒に進めるというテーマ性は、予算編成・予算執行に不可欠な政治姿勢です。

私は、12月議会の代表質問で、まちづくりアンケートの結果等を踏まえ、市民の声とズレがないか検証し、市民の施策優先度に応える政治姿勢、予算編成を求めてきました。

消え去った「輿望」は、新年度予算編成・予算執行において、どのように担保しようとしているのか、市長に質しました。

市長…「輿望」は行財政運営の基本であり前提、あえて掲げず

市長は、「市民の声をよく聴き市民の期待に応えていく『輿望』は、行財政運営の基本であり、重要なこと」としたうえで、「YOBOU事業を構築する前提であり、新年度予算のテーマにはあえて掲げず、二つの「YOBOU分野(予防と呼ぼう)」に絞ったもの」と答弁。

そのうえで、「まちづくりアンケートの結果から市民要望の高かった介護など高齢者福祉サービスの充実では、フレイル予防を中心とした健康寿命延伸策に、また結婚・出産・妊娠・子育ての切れ目のない支援や子どもが安心して学べる支援体制の充実に予算を重点配分した」と説明し、「ながの未来トークなどの機会に、市民の声を聴き、アンケート指標や幸せ実感モニターの意見をよく検証し政策に反映していく」姿勢を強調、「市民と一緒に市政を進めていく基本姿勢に何ら変わりはない」と強調しました。

質問そのものは、若干「イチャモン」的なところがありますが、市民の声をしっかりと聴き市政に反映させる基本姿勢を確認する意味で取り上げました。

基本姿勢としてしっかり堅持してもらいたいものです。

健康づくりを一大テーマに体系的な政策・施策展開を求める

さらに私は、人生100時代健康づくりを一大テーマに政策・施策をより体系的に整理し、市民に周知・普及していくことが重要となることを指摘しつつ、健康づくりに向け、健康マイレージの取り組みや介護ボランティアポイント制度の導入を早期に検討し、さらに広がりと深みのある施策展開となるよう提案しました。

「健康マイレージ事業」とは、健診や検診、職場で行われる健康診断、個人で受診される人間ドックへの参加やウォーキングなどをポイント化し、様々な健康づくりメニューを一定期間行うことを条件に特典を受けられる制度。全国で趣向をこらした健康づくり事業として展開されています。

「介護ボランティアポイント制度」とは、ボランティア登録をした高齢者が施設等で行ったボランティア 活動に対してポイントを得て、当該ポイントを換金等することで、実質的に介護保険料の 支払いの一部に充てることができるような仕組みで、高齢者の介護予防、いきがいの増進や高齢者の活躍の場の創出といった観点からの効果が期待されている事業で、これまた、全国で取り組みが進んでいます。

介護ボランティアポイント制度…導入に向け検討

市長は、「人生100年時代を見据え、様々な健康増進施策やフレイル予防を中心とした社会参加を促す取り組みを体系的に整理し、新たに『健康寿命延伸事業』として予算に盛り込み、一体的に進める」と答弁しました。

「健康マイレージ」の導入については、健康度の改善等に関する事業評価が明確でないとし、「より効果の高い訪問保健指導による個人の健康づくりに取り組む」とする一方、「介護ボランティアポイント制度」については、「高齢者の社会参加や介護予防への意欲を高めるうえでも有効な手段」と認識を示したうえで「市民が介護ボランティア制度と健康づくりを相乗的に取り組める、本市のスタイルに合った制度となるよう、導入に向け検討している。市民の健康づくりをしっかり支えていく」と答弁しました。

長野市版の取り組みとなるよう、提案を続けていきたいと考えます。

➡長野市議会の「録画中継」サイトに質問がアップされていますので、ご覧ください。