広がる東洋ゴム免震偽装、そして市庁舎・芸術館への対応の「今」

 免震偽装問題で揺れる東洋ゴム工業が21日、新たに25都府県のマンションや病院、学校など90棟で性能不足の免震装置ゴムが使用されていることを明らかにしました。
 新たに判明した90棟には、病院やマンション、学校などが含まれているとのことです。

 国の基準に満たない不正な免震装置は、3月公表の55棟と合わせ計145棟となり、不正問題は新たに拡大。データ改ざんについても、当初から関与が疑われた担当者だけでなく、後任担当者らを含め計4人が関与した可能性も明らかにし、問題は組織ぐるみの不正に発展することが確実視されます。

 さて、注目は長野市第一庁舎・芸術館の免震装置です。【写真は4月14日現在の建設状況、市HPより】
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 市では、東洋ゴム工業及び外部の調査により、既設済みの免震装置について震度6強から震度7の地震に耐えられる構造であることを発表していますが、東洋ゴム側に90基全ての交換を要請し、東洋ゴム側も応諾してきています。

 このほど、庁舎・芸術館建設事務局から議会各会派に対して、「当面の対応」について説明されました。27日の市議会総務委員会で正式に協議される予定です。

 建設事務局が明らかにした「当面の対応」は、まとめるとおよそ次の4点。「およそ」というのは、説明の際の資料が回収されているため、若干アバウトな表現になるからです。

 《一つは》免震ゴムの全面交換にあたり、国交省の認可の無い東洋ゴム工業製品を使用せず、代替製品としてブリジストン社製の免震ゴムで装置を取り換えること、
 《二つは》新しい免震ゴムは発注から納品までに7カ月程度を要し(5月発注で11月納品)、取り換え工事にも「相当の期間」(2~3カ月)を要すること。
 《三つは》取り換え工事あたっては、ブリジストン社製と東洋ゴム社製は、互換性があるものの、ボルトの穴の位置や免震ゴム層の高さ(数ミリ~50ミリ)に違いがあり、一部基礎工事の改修等が必要となること。
 《四つは》庁舎の来年1月オープン、芸術館の来年5月オープンという既定の日程に変更が生じないよう、前田・飯島JVと協議中であること。

 11月末完成予定の庁舎・芸術館の本体建設工事は、順調に進んでいるとのことです。したがって、免震ゴムの交換工事は、建物本体の完成と前後して行われることになるようです。建物を使用しながらの交換工事は可能であるとの見通しも示されました。

 情報の共有化への姿勢は評価するところです。

 しかしながら、一番土台となる基礎工事が必要となる点において、いわゆる「いながら工事」が安全性を確保して進められるものなのか、素人目にはいささか疑問となるところです。
 建物全体をジャッキアップして行う取り換え工事により、免震装置が稼働しない「空白の時間」も大変気がかりなところです。

 3月市議会定例会の当初予算案の「賛成討論」で指摘した事柄を追記しておきます。

「8ヶ月も遅延している市役所庁舎・芸術館の完成時期が、これ以上遅延することを決して望むものではありません。しかし、免震偽装による不可抗力とはいえ、施設の絶対安全性、品質の確保を最優先する発注者としての責任も問われるところとなります。11月完成の工期にこだわる余り、建設工事の安全確保が二の次にならないことを厳重に求めたいと思います。
 市において、偽装された免震装置の速やかな全面交換を強く求めるとともに、構造安定性の検証に必要な時間及び検証結果、免震装置の全面交換に必要な条件と時間、そして全体工期への影響を可能な限り速やかに市民に情報開示し、市民理解を求めていく姿勢が不可欠です。また、東洋ゴム株式会社等に対する賠償責任について検討すべきです。」

27日の総務委員会は傍聴しようと思います。
この総務委員会の様子は140428付のブログで。