動き出した「こども未来部」

 16日、子育ち・子育て対策特別委員会が開かれ、4月から発足したこども未来部の事務分掌や予算事業、子ども・子育て新法に伴う「長野市子ども・子育て支援事業計画」の策定状況などについて説明を受け、調査・審査しました。
 こども未来部が単なる事業の寄せ集めではなく、子ども達の未来が本当に拓けていく仕事を担いうる部署として事業展開されることを切に望むところです。

GUM10_CG01005こども未来部は3課1室で構成、186億円の事業を担う
こども未来部は、「こども政策課」(子どもに関する施策の総合調整・子育て支援事業計画・放課後子どもプラン・少子化・婚活などを担当)、「こども支援課」(児童手当や児童扶養手当・要保護児童対策・ひとり親家庭や寡婦の福祉・自立支援・家庭児童相談など)、「保育課」(公立保育所の運営・私立保育所の許認可と運営指導・認定こども園・私立幼稚園の助成など)、そして「こども相談室」で構成されます。
 事業予算は全体で約186億円になります。

GUM10_CG01009こども相談室に15人、16件の相談
 こども未来部のカギは「こども相談室」にあると考えています。3月市議会では、ワンストップで相談に的確に応えられるよう「こども相談室」の機能拡充について提案もしてきました。
 「こども相談室」では、発足から2週間で、15人から16件の相談を受けているそうです。電話が10人、窓口訪問が5人。相談内容では発達障害に関する保護者からの相談が9人、保育園等から子どもの成長に関する相談、対象となる子どもの年齢は3歳から6歳児のものが9人だそうです。
 発達障害に関する相談が多いことに、正直、驚きです。保護者と子どもに寄り添い、しっかりした対応、フォローアップが求められます。
 室長が課題として挙げた点が「子どもからの相談への対応」です。いじめや虐待など子どもからの直接のSOSにいかに的確に応えられるか、相談員のスキルアップを含め対応方について検討を進めているとのこと。必要に応じ、特別支援教育士等のスーパーバイザーの協力を仰ぐとしていますが、早急な相談態勢の確立が不可欠です。
発達障害に関する相談では、発達支援あんしんネットワーク事業の中で、保健センター単位に設けられる地域発達支援会議で支援策を協議・検討することになっています。
 今のところ、地域発達支援会議のマターとなるケースはないとされています。
 いずれにせよ、こども相談室が、子どもの成長に関する保護者の疑問や不安、子ども自身のSOSの拠り所となるよう、大いに期待したいと思います。

GUM10_CG01005複雑な子ども・子育て新制度
 H27年度からスタートする新制度では、必要な教育・保育を確保するために、「教育・保育の区域」を設定し、市民のニーズ調査を元に区域ごとの「教育・保育の量の見込み」を算出し、事業計画をつくることになります。
 しかしながら、この仕組みが複雑で、一度の説明では全体像が良く把握できません。市側は9月までに「量の見込みと確保策」を確定したいとしています。さらに、新幼保連携型認定こども園や地域型保育事業の認可基準、保育の必要性の認定など新たな基準に基づく条例案を9月市議会に提出したいとしています。
また、新制度の下での来年度入所申請などに混乱が生じないよう、10月前までには保護者に周知徹底を図るとしています。
 新制度に基づく「子ども・子育て支援事業計画」について、ニーズ調査(回答率は55%)の結果・分析を含め、しっかりと調査勉強したいと思います。

GUM10_CG01010より良い教育・保育環境の整備が目的
 需給バランスに応じた施設整備というのが新制度の趣旨の一つですが、国の“数合わせ”に終わらせることなく、より良い教育・保育の環境をいかに再構築するのかという視点を忘れてはいけません。
 市街地における過密保育所の解消、夜間保育の維持存続、一方で少人数の中山間地域の保育所の存続、そして放課後子どもプランの施設整備など、長野市の教育・保育を取り巻く環境と課題を浮き彫りにし、かつ「子ども未来プラン」の中間評価を踏まえた、新たな十分な対応策となるよう、計画づくりに意見反映していくことが求められています。

◆保育所の耐震化率は88%、児童センターでは83%
 H26年度では、安茂里保育園の改築工事、共和保育園と豊野さつき保育園の耐震補強工事が進められますが、26年度末での耐震化率は88%。
 児童館・児童センターでは、42施設中、耐震診断の未実施施設が6施設残っており、H26~28年度で順次診断し対策を講じるとされ、H26年度末で83%、H27年度末で90%の耐震化率を見込んでいます。
 当たり前のことですが、耐震診断の前倒し実施と早急な耐震補強工事を強く求めることに。

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