中部地区の交通政策フォーラム

 7日~8日、岐阜市内のホテルで私鉄中部地連の「交通政策フォーラム2013」が開かれ、組織内議員として参加してきました。
 4月に行われた全国版・交通政策フォーラムの地方・地域版で、長野・岐阜・愛知・三重・静岡から私鉄労働組合の皆さんが集まって開かれたものです。岐阜市への訪問は今年1月の公共交通対策特別委員会でのBRT視察に続くものとなりました。

交通政策フォーラム・バス分科会


 国道交通省から講師を招いての勉強会は、鉄軌道とバスの分科会に分かれ、「地域鉄道の活性化に向けた取り組み」(国交省鉄道局鉄道事業課・地域鉄道戦略企画調整官・吉田一彦氏)、「バス事業あり方検討会の最終まとめ」「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」(国交省中部運輸局自動車交通部旅客第一課長・小林裕之氏)をテーマに行われました。また私鉄総連から「バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント」についての提起もありました。
 2日目は、全体集会に続き、開催地である岐阜市内の岐阜乗合自動車株式会社の光村克己・グループ管理部次長から「魅力ある乗合バス事業をめざして」をテーマに講演を受けました。

交通政策フォーラム・鉄軌分科会…バス分科会に比べ少数精鋭です。鉄軌の厳しさの反映でしょうか。


 国交省からの報告は、“おさらい”の感が強かったのですが、”おさらい”を含め、改めて良い勉強となりました。繰り返し聴かないと理解できないということもありますが…。

 地域鉄道は、事業者の75%で赤字状態が続く深刻な状況の下で、鉄道施設の更新による安全運行の確保が喫緊の課題となっています。
 車両の耐用年数はディーゼル車で11年、電車で13年だそうですが、全国の車両の内47%が「31年以上」となっているとのこと、また、トンネルの耐用年数は60年、橋梁が40年ですが、開業から70年以上経過している事業者が80%を占めているそうです。
 大手鉄道事業者の中古車両を活用している地方ローカル鉄道の車両の安全性確保は大丈夫なのかと思ってしまいます。
 いずれにせよ、老朽化が進んだ施設の更新に対する資金負担が事業継続のネックになっているわけです。
 
 地域公共交通確保維持改善事業補助金における鉄道軌道安全輸送設備等整備事業や鉄道事業再構築事業による補助スキーム等は維持されているのですが、補助率3分の1では特効薬になっていない問題が浮上します。
 H25年度では、地域鉄道の再生・活性化等研究会の『報告書』に基づき、実証実験的なモデル事業を実施し、総括した上でH26年度に事業展開を図る方向が示されました。
 長野電鉄長野線、しなの鉄道の維持・活性化に向けた取り組みとして、活用方を検討したいと思います。

 また、過疎地域自立促進特別措置法における過疎対策事業債による支援に「ソフト事業」も対象となり、「交通通信体系の整備」が新たに盛り込まれたそうです。地域鉄道の維持・活性化には「施設維持管理への補助・欠損金への補助」が含まれること、生活交通の確保ではコミバスやデマンドタクシーの運行補助やバス路線維持に向けた民間バス事業者への補助なども含まれることなど、過疎対策債の活用は点検・検討したい課題です(行政側は既に承知のこととは思いますが)。特別交付税措置(バス交通は事業費の8割が措置されます)との兼ね合いがあるとは思いますが、県下の過疎地域の公共交通再生の一助になるよう提案したいと思います。

 1年前の関越道における悲惨なツアーバス事故を受けての対策として、新高速乗合バスに移行させ安全コストの確保を図る方向となっています。
 「悪質な事業者を排除する」との方針が強調されているのですが、例えば運賃においては、基準から下限10%・上限30%と40%の幅が設けられ、運賃ダンピングの余地を残していることなどは課題としてチェックしていく必要がありそうです。

 「バス運転者の労働時間等の改善基準」は、勉強になります。変形労働時間制をとっているバス運転者の場合、拘束時間の制限や休息時間の確保が複雑です。長時間労働・低賃金となっている交通産業の再生を考えるときに、安全を第一に交通労働者の労働条件を確保する視点、バス事業者に法令順守、安全コストを求めていく視点が欠かせないことを改めて認識しました。

岐阜バスは創業70年…「織田信長バス」が目を引きます。写真はわかりづらいですけど。


 岐阜バスからの報告は、オムニバスタウン計画と相まって、事業者として積極的に取り組んでいる姿勢が印象的でした。
 岐阜では、バスロケーションシステムがすでに導入されていますが、QRコードを活用した携帯電話等によるバス接近情報の提供バス停への「ソーラー式ライト」の設置など、長野市内でも具体化を検討したい課題です。
 岐阜バスの場合は、事業者サイドの事業として展開されているもので、事業者の基礎体力の問題は避けられませんが、新たな法定協議会の事業に位置付けていくことも考える必要があります。