3月市議会定例会は20日、総額1,611億円のR5(2023)年度一般会計当初予算案など予算関係23議案、条例関係12議案など、市側から提出された議案全てを原案通り可決し閉会しました。
「新たなチャレンジ、変化の兆し感じる予算」…概ね評価し賛成
新年度当初予算案は、荻原市長にとって、一から自身でつくる初の当初予算で、「新たなチャレンジに挑み、市民が変化の兆しを感じ取れる予算」を掲げ、未来へのチャレンジとして「子育て・教育・若者の活躍」「新産業創造」「地域経済・農業振興」「スポーツの力」など4本柱を重点とします。
子育て支援では、不登校や不登校傾向にある小中学生の居場所として七二会地区・笹平に新たな中間教室となる「教育支援センターSaSaLand」のR6年度開設に向けた準備(1億円)や、ヤングケアラーの相談・支援窓口の開設に着手します。また、物価高騰により値上がりする学校給食費食材費を継続して補填(0.6億円)します。いずれも早期事業化を求めてきた施策で評価します。
一方、荻原カラーを大きく特徴づけるスポーツを活かしたまちづくりでは、プロスポーツチームとの連携を強化、ホワイトリングの高機能化改修(1億円)、R10年の信州やまなみ国民スポーツ大会(国体)と全国障害者スポーツ大会に向けた施設整備(11.5億円)が盛り込まれています。
国体に向けた施設整備は止むを得ないと受け止めますが、大規模なスポーツ施設の整備だけでなく、市民の健康増進に日常的に活用できる体育施設の充実・再整備が求められるところです。
超高齢社会にあって、高齢者の健康寿命延伸や生きがい対策の面では重点として希薄な点が気がかりです。必要な事業は盛り込まれているものの新規事業に乏しい点は課題といえます。
新年度予算案には、総じて評価し原案に賛成しました。
予算修正案には反対
長野駅前の再開発事業や、台風19号災害で被災した地区への移住補助金事業などの減額を内容とする共産党市議団から提出された予算修正案には反対しました。
駅前の再開発事業には国・県の支援を前提とした官民連携は必要であると考えます。
また被災6地区の公費解体後の空き地に住宅を建設し移住を図る被災地区移住補助金(市内からは100万、市外・県外からは200万)については、災害公営住宅建設に対し「十分な安全対策が難しい」としてきた経緯から政策の一貫性がないとの理由から削除・減額を求めるものですが、治水対策の進捗を踏まえた(まだ課題は残っていますが)被災地区からの空き地対策、移住定住対策の要望を踏まえれば、一定必要な事業と考えます。
よって、予算修正案に反対したものです。
青木島遊園地存廃問題にかかる委員長報告
市議会3月定例会の大きな焦点は青木島遊園地の存廃問題です。3月1日の荻原市長の「廃止決定」表明の是非、そして合わせて提示された「荻原ビジョン」なるものの是非が問われることに。
私は、十分な説明責任を果たすとともに、住民本位の市政運営とするため、廃止方針の再考を求めてきた一人です。
遊園地の廃止を所管する建設企業委員会をはじめ、青木島児童センターの今後の在り方、児童センターの小学校・こどもぷらざへの統合を所管する福祉環境委員会、学校施設の活用を所管する経済文教委員会などで集中した審議が行われました。
委員長報告から抜粋します。委員長報告はすべての議論を網羅するものではなく、特徴的なポイントをいわば「キレイ」にまとめたものになります。
【福祉環境委員会=委員長を務めています】
青木島児童センターの今後の在り方については、遊園地の継続使用を求める意見もある中で、子供たちの遊び場の継続的な確保、保護者の送迎のための駐車場の確保、そして子どもプラザへの統合について、最大限早期に実現性のある具体策をまとめて示すとともに、その策定に当たっては、地域及び関係する方と丁寧に協議し、合意形成を図り、その内容を踏まえたものとすることを要望いたしました。
【経済文教委員会】
青木島遊園地に関連した、放課後子ども総合プランの学校施設の活用についてであります。本市では、放課後子ども総合プランの長期展望として、学校施設を活用した子どもプラザへの統合を進めております。青木島小学校においても同様で、子どもプラザへの統合に当たっては、子供たちの遊び場としての機能を学校の敷地内に確保し、自由に遊べる環境を整えることも含めて検討しております。
学校施設を所管する教育委員会におかれましては、これまで以上に関係部局と連携していくことを要望いたしました。
【建設企業委員会】
請願第3号 青木島遊園地廃止方針の再検討と子どもの権利擁護を求める請願について申し上げます。
本請願の審査に当たっては、こども未来部も関係することから同理事者の出席を求め質疑を行いました。まず、採択すべきものとして、「遊園地を廃止するという決定に至る経過の中で、子供から意見を聞くこともなかった。代替案というが、遊園地の廃止以外は何も決まってない状態であり、子供たちの遊ぶ権利が脅かされている。」との意見が出されました。
一方、不採択とすべきものとして、「子供の遊ぶ場所を何とか確保したいということは、皆共通の思いである。しかし、廃止方針を表明した以上、子供たちのためにどうしていくことが最善なのかを議論していくべきである。」、「今の状況を早く解決していくことが、子供たちの利益、遊ぶ権利の保障に資することであり、廃止方針の再検討ということではなく、代替案の成立に向けて力を合わせるべきである。」との意見が出されました。
以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
廃止方針の一時取りやめ求める請願、否決…私は請願に賛成
地元住民から提出されていた「廃止方針を一時取りやめ、子どもにとって最善の利益を実現する方向で、住民を交えた十分な検討を求める」請願には、賛成しました。不採択とした建設企業委員会の委員長報告に反対ということです。
本会議での採決では、請願に賛成10人(改革ネット3・共産6・無所属1)、反対が26人(新友会21・公明4・改革ネット3・無所属1)という結果でした。
改革ネットしては一致した請願対応にはなりませんでしたが、住民不在の政策決定、住民本位の市政運営に大きな課題を残しているという点では一致しています。土地の継続使用が困難な中、遊園地存続の余地が極めて厳しい現況の中での判断となりました。
しかしながら、青木島小学校グランドの日常的な使用や保護者の送迎用駐車スペースの確保、子どもぷらざへの統合など「解決策」とされる対策は全く具体化されていません。児童センターへの職員加配の目途もたっていません(指導主事の応援はできそうですが…)。また市民から提出され受理されている「住民監査請求」に対する監査委員の判断が4月11日に示されることを見据えると、市議会最終日の段階では再検討を求める立場が問われたと考えています。
さらに、「青木島遊園地」の廃止問題を巡っては、市が存続を模索して土地所有者と交渉した経過の記録を公文書として残していないことが信濃毎日新聞の報道で明らかに。市議会で具体的な交渉経過を一切明らかにしないだけでなく、公契約に関わる交渉経過を公文書にしない姿勢は、政策・施策決定の根拠をブラックボックス化させ、市行政運営への信頼を根底から揺るがすものといわなければなりません。言語道断でしょう。
動議で市長に問責決議案を突きつけたい想いに駆られつつも、足元でなかなかまとまらず、グッと飲み込むことに…。
いずれにせよ、市行政としての実現性のある具体策を早期に示すことを求めるとともに、その間は暫定的であれ、遊園地の継続使用に向けさらに再交渉できないものなのか、地権者や関係者との交渉経過も不明なままでは全く納得できません。
改革ネット所属の鎌倉議員…辞職し新たなステージに挑戦
改革ネットの議員としてスクラムを組んできた鎌倉希旭議員は、20日をもって市議を辞職し、県政の新しいステージに挑戦します。
同日をもって新友会のグレート無茶議員も辞職しました。
鎌倉さんの6年間の市議生活を振り返っての挨拶は、とても素直で真摯なもので、泣かされました…。精神的な応援しかできませんが、目標を成就されんことを願います。