コロナ療養「入院制限」は撤回を

連日、熱中症警戒アラートが発表されています。外出を控え、こまめに水分補給してください。

「これまでに経験したことのない感染拡大が継続している。危機感を行政と市民が共有することが必要だ」と指摘する政府専門家組織。23都道府県の新規感染者数が「ステージ4(感染爆発)」相当に達し、感染の再拡大が日本列島を覆っています

こうした危機的な感染状況の中で、コロナ感染者の医療・療養対応について菅首相が「重症者と重症化リスクの高い人以外は自宅療養」とする方針を専門家の意見も聞かぬまま、唐突に発表、これに対し厳しい批判と憤りが広がっています。

これまで入院で対応してきた中等症患者や、宿泊施設療養を原則とする軽症患者を「自宅療養を基本」にする重大な方針転換です。今後は、重症化しないと判断されれば入院できなくなり、宿泊療養も自宅療養が困難な場合に限られることになります。

厚労省が示している新型コロナ感染症の重症度分類は下記のとおり【朝日新聞より】です。

すなわち、常識的に考えると、「重症」は「重篤」な段階であり、「中症」はそれこそ「重症」にあたるというべきでしょう。


★新型コロナ感染症の重症度分類化

 厚生労働省は新型コロナウイルスに感染した患者を症状別に「軽症」「中等症Ⅰ」「中等症Ⅱ」「重症」の4段階に分類している。

 容体や、動脈の血液がどの程度酸素を運べているかを示す酸素飽和度などから、医療従事者が判断する。

 7月30日に更新された診療の手引によると、軽症は呼吸器症状がないか、せきのみで呼吸困難がない場合。ただし、急速に病状が進行することもある。

 中等症は呼吸不全の有無によって二つに分けている。「中等症Ⅰ」では、息切れのような呼吸困難や肺炎の所見がある。より悪化した「中等症Ⅱ」では、自力では肺から酸素を十分に取り込めない呼吸不全におちいっており、酸素投与が必要な状態だ。

 重症は集中治療室(ICU)に入室するか、人工呼吸器が必要になる。体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使う場合もある。この状態になると命の危険が迫っている。


症状の急変により重篤化する危険性が指摘されている中、コロナ患者の入院に制限をかけることは、命を危険にさらし放置することにつながる極めて無責任な「無策」の上塗りといわなければなりません。

第5波で首都圏を中心に病床ひっ迫の懸念が強まっていることを理由に、感染急拡大地域を想定したものとされていますが、厚労省からは一律、全国の自治体に「方針転換」が指示されることになります。全国で感染者が急増している中、大都市圏だけの問題では決してありません。

中等症患者のうち、酸素投与が必要な人や基礎疾患のある人は入院の対象になると説明しますが、呼吸困難や肺炎症状があっても酸素投与をしていない場合は自宅療養とみなされ、入院に制限がかかることは必至です。

急変時に「すぐに入院できる体制をとる」といっても、そもそも必要な病床が確保されていません。すでに東京では自宅療養患者は1万人を超え、専用のフォローアップセンターで看護師ら100人体制で健康観察にあたっていますが、十分な対応が追い付かない状況とされています。

感染と重症化を防ぐためには、自宅療養を避け、医療機関で健康観察・治療できることが本来の姿でしょう。入院を制限し自宅を基本とする療養方針の転換は本末転倒です。

政府は直ちに方針転換を撤回し、医療ひっ迫が深刻化する首都圏等に全国から人的支援を集中し、危機打開を図ることを緊急に求めたい。

そして、長野県は、政府の方針転換に振り回されることなく、市町村と連携し、感染急増に備え医療資源を確保し、県民の命と安心を守り抜く姿勢を堅持してもらいたい。

重症者の病床確保、宿泊療養施設の確保は、県の所管・責任といえ、長野市の対応も同様であることは言うまでもありません。