6月議会を振り返って

全国的な移動往来が解禁された(長野県は「東京への往来は慎重に対応」)19日に、市内で新たな新型コロナウイルスの感染が確認されました。熱中症に注意しながらのマスク着用、手洗い・うがいの励行、3密の回避を徹底し、第2波をしっかり制御したいものです。

さて、6月市議会定例会は19日、9億7,100万円の一般会計補正予算案をはじめとする市提出の11議案全てを可決し、閉会しました。

改革ネットは市提出の議案に賛成しました。

今議会は、医療・検査態勢の拡充や市独自の生活・事業の補償策の具体化、子どもたちの学習保障などの新型コロナ対策をはじめ、再度災害に備える治水対策などの台風19号災害の復興事業、梅雨期を迎える中での複合災害への備えなどに集中しました。

賛否が分かれた「若槻老人憩いの家の廃止」議案には賛成

議案第64号「長野市老人憩の家設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」については、賛否が分かれました。長野市若槻老人憩の家の民営化に伴い、条例上、廃止する改定案です。

福祉環境委員会の委員長報告では、市内NPO法人から入浴事業を継続しながら、高齢者の健康増進などの取組を実施したいとの事業計画が提案され、平成31年2月に地元の若槻地区及び浅川地区住民自治協議会から賛同書が提出されているとの現状を指摘したうえで「老人憩の家は、高齢者の生きがいや健康づくりの場としての必要性が高いことから、廃止に反対の意見も出されましたが、若槻老人憩の家を廃止し、公募の上、運営事業者を選定し、施設の貸付による民間運営を進めることは、民間運営による更なるサービスの向上、施設の有効活用と財政負担の軽減などが期待でき、今後のモデルケースとなる試みでもあり、民間事業者運営後も、利用者に不利益とならないように、民間事業、 地元住民、利用者及び市が運営について協議ができる体制について検討するよう要望」し、賛成多数で可決すべきものとされた案件です。

若槻老人憩いの家の今後は、耐震補強工事を実施の上で民間事業者に土地・建物を貸付、「老人憩いの家」的な事業、地域福祉・コミュニティ活動等の事業を行うとするものです。貸付期間は10年以上。高齢者をはじめ住民が気軽に集える地域福祉・コミュニティの拠点施設としての活用、利用者の健康増進・フレイル予防に寄与することが期待できるとされています。

➡改革ネットとしては、NPO法人により入浴事業の継続をはじめ、フレイル予防や健康増進の拠点として維持運営していく姿勢が示されていること、地元住自協との合意(後付けかもしれませんが)があることなどから、廃止はやむを得ないとの判断で原案に賛成しました。

ただし、高齢者の健康増進の一つの拠点施設として維持運営が図られるよう、貸付先である民間事業者の事業継続を担保するため、地元代表・利用者代表を含めた協議会をつくり、事業継続をチェックできる仕組みを作ること、貸付契約において、事業継続の責任を明記することなどをいわば条件として提起してきました。部分的ですが、委員長報告にも盛り込まれてきたものです。

施設の統廃合を含めた見直しが必要とされている老人憩いの家の今後について、若槻の民営化の事例がモデルケースになるとは考えてはいませんが、高齢者施設総体の役割分担、維持・配置の検討が急がれます。

新型コロナ対策でさらなる支援策を

地域経済の活性化と消費喚起を狙い、補正予算で3億1600万円を投入する「推し店プラチナチケット」(額面5000円の応援チケットで2000円のプレミアム付、13万冊販売)を多くの店舗・市民に利用してもらえるよう、広報の工夫などにより対象事業者や市民に十分な周知を図ること、また、この事業を皮切りに、今後の社会情勢や事業者の状況を把握しながら、更なる支援策の実施について検討していくことを要望【総務委員会】

➡小売店や飲食業を応援するプレミアム商品券の取り組みについては、県が6月補正予算で2分の1の経費を補填する方針を示しました。県予算を活用した第2弾の速やかな実施が求められます。また、国の第2次補正予算を受けた市の追加補正予算案の策定も待ったなしです。

公共交通事業者への支援を

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出の自粛や店舗などの休業要請が続く中で、運行継続が要請されたバスや鉄道、タクシーの公共交通事業者では、市民の移動需要が激減し、事業者の収益が急速に悪化、事業者にとっては、事業継続が危機に直面しています。地域の公共交通の持続、市民の足を守るため、国の臨時交付金の活用を含めた支援策を早急に講ずるよう要望。【建設企業委員会】

➡本会議の質問でも「地域創生臨時交付金を活用し支援を検討」と答弁してきていますが、具体は明らかになっていません。所属する建設企業委員会でも、早急な具体化を求め、委員長報告に盛り込まれたところです。

松本市では2億円を上限に鉄道・バスへの支援を打ち出しています。また県では6月補正予算で、感染防止対策を講じる「安全・安心なバス・タクシー支援事業」として、国交付金を活用し、バス事業者10万円/1台、タクシー事業者2万円/1台(下限額10万円/事業者)を支援する事業を盛り込んでいます。

私もこの間、アルピコ交通、長電バスの交通事業者と連携して、市に支援を求めてきています。市独自の支援策の具体化に向け、なお取り組みを強めたいと思います。

交通崩壊を防ぐため、今、何が問われているのか、改めて現状と課題についてまとめる予定です。

再度災害に備えられる万全な治水対策を

➊千曲川流域の治水対策について、被災後初の出水期を迎える中、千曲川の堤防決壊や越水が発生した箇所については、堤防機能の復旧が完了。長沼地区の決壊箇所周辺は、のり面全面をコンクリートで被覆するなど、安全度の向上が図られ、篠ノ井地区の越水箇所周辺については、堤防の原型復旧と、「危機管理型ハード対策」としての宅地側堤防のり尻のコンクリートによる補強が完了し、令和2年度末までには、川側の堤防のり面について、コンクリートブロックで 被覆する工事が行われる予定とのこと。篠ノ井地区の越水箇所は千曲川の上流からの流れがほぼ直角に向きを変える形状 で危険度の高い地点であり、万一決壊した場合は、市南部に甚大な被害をもたらすことが予想されることから、当該越水箇所についても長沼地区と同様に、宅地側堤防のり面についてもコンクリートで被覆するなど、更なる堤防補強を国に積極的に働き掛けるよう要望。【建設企業絵委員会】

➋県に復旧工事を委託した浅川第一排水機場については、令和3年度末の完成を見込んでおり、排水機場の本復旧までの間においては、仮設ポンプ9台で対応するとされる。ただし、排水能力が不足していることから、非常時には国、県の排水ポンプ車を要請、また、排水機場の排水能力の低下を補うため、農業用ため池を活用して洪水調整を行うとのことで、国、県と事前に十分に協議・調整を行い、非常時には、排水ポンプ車を速やかに稼働できる体制を整えるよう要望。併せて、農業用ため池の活用に関しては、活用方法やその効果について地域への十分な説明を行った上で進めるよう要望。【経済文教委員会】

➌豊野地区の浅川については、浅川第一排水機場などの本復旧が現在進められており、復旧期間中に河川増水があった場合は、仮設ポンプを配置するなど早急な対応をとるとのこと。近年の地球温暖化に伴う異常気象による水害の激甚化は著しく、いままで以上の治水対策が求められていることから、内水氾濫の危険度が高い浅川については、流域に遊水地を新設するなどの新たな対策を講じるよう、県へ働き掛けることを要望。【建設企業委員会】

【出典】信濃毎日新聞6月11日付

➡台風19号災害時の千曲川流量を調査してきた国土交通省千曲川河川事務所が、現在の「信濃川水系河川整備計画」で想定する流量を約1000トン上回っていたと発表しました。同計画では千曲川の氾濫を防ぐため、2044年度までに立ヶ花で毎秒7300トンの流量に対応するとしてきていますが、台風19号災害時の流量には対応できないことが明らかになったということです。災害を受けてまとめられた「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」では、R9年度(2027年度)までに、台風19号と同程度の雨が降っても千曲川が越水しないことをめざし、堤防の強化、河道掘削、遊水地の新設を進めるとしていますが、それぞれの対策でどれだけの流量を飲み込むことができるのか、数値で明らかにするとともに、目に見える治水安全度の向上を図ることが不可欠です。

こうした観点から、建設企業委員会では、国に対し、早急なる情報開示と対策の具体化を求めるよう強く意見しました。

所属する建設企業委員会では

所属する建設企業委員会で私からは、長野バスターミナルの一部発着所の廃止やバス共通カード「くるる」の取り扱い窓口の廃止に関わり、市民・利用者への周知及び長野駅前を中核とするバスターミナル機能の在り方を検討するよう求めるとともに、台風19号被災者の仮住まいとなっている公営住宅の入居期限(1年)の延長も求めてきました。いずれ根委員長報告に盛り込まれました。

「インターネット上での人権保護を求める意見書」…修正案を否決の上、原案採択に

女子プロレスラー木村花さんが匿名アカウントからの心無い誹謗中傷に悩み、亡くなるという、なんとも悲しい事件を受けて、インターネット上の誹謗中傷やプライバシー保護に対する対策を国に求める意見書案が可決されました。

もともと総務委員会で新友会議員の発議で検討されたもので、改革ネットの幹事長として原原案に対し、「表現の自由や通信の秘密保護を順守する趣旨」を補強するよう提案し、一旦は盛り込まれたものの、最終的に委員会に発議された意見書案では削除されてしまいました。

本会議最終日には、小林史子議員(無所属)他4名の議員から、「表現の自由、通信の秘密を厳守」することなどを明記した修正案が提出されました。

改革ネットでは、委員会で原案に賛成してきた経過を踏まえつつ、修正動議の発議者にはなりませんでしたが、憲法上の人権擁護の基本的な視点を打ち出すとともに、あいまいさを残す記述部分を精査することで、よりよい意見書をまとめる観点から修正案に賛成しました。しかし、修正案は新友会・公明党の議員の賛同を得られず否決となりました。

内容的に不十分ともいえる原案が賛成多数で可決し、国に意見書を送付することになりました。

改革ネットでは、原案に対し、国に対し市議会としての意思表示が必要であるとの観点から賛成しました。

修正案に対する賛成討論を行いました。別稿で紹介します。

地方財政の充実・強化を求める意見書は全会一致で可決

自治労長野県本部と長野市市職労の連名で提出された「地方財政の充実・強化を求める国宛て意見書の提出を求める請願」は付託されていた総務委員会で全会一致で採択すべきものとされ、本会議でも全会一致で採択されました。

請願の窓口紹介議員となり、会派間で検討し、若干修正したものです。

毎年、この時期に請願に基づき採択されている意見書の一つですが、今年は、新型コロナ対策のさらなる財源確保、会計年度任用職員制度における国の財政措置、森林環境譲与税の林業需要の高い自治体への増加交付などが新たに盛り込まれました。

「地方財政の充実・強化を求める意見書」(長野市議会HP)