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議会質問から➌…地域公共交通網の整備と利用促進

公開日: 長野市政/市議会

◆長野市版公共交通ビジョン策定に着手…新交通システムの方向性決定後に
 国では交通基本法の制定に、県では「新交通ビジョン」の策定に取りかかっています。
 徒歩や自転車、鉄道、生活路線バス、コミュニティバス、デマンドバス、タクシー、それぞれの交通モードの役割を活かし、市民の移動を円滑に行えるような公共交通ネットワークを再構築するビジョンです。また、地球温暖化防止とつなげ、公共交通への利用転換、利用促進を政策誘導する取り組みも体系化する必要があります。
 長野市版の公共交通ビジョンの策定は、議員に初当選以来、提案し続けてきた課題の一つです。今日、屋代線の代替バス運行の開始、ぐるりん号での電動バス実験、IC乗車券カードの10月からの本格運用、しなの鉄道による長野以北の在来線維持といった転換点のもとで、LRTの調査研究と並行して、公共交通ビジョン・総合計画の策定に早急に着手するよう提案しました。

 企画政策部長は「本市の公共交通が、ここ数年で大きく変化する中で、その将来像を明らかにし、活性化の指針となる『長野市版公共交通ビジョン』の必要性は十分に認識している」とした上で、H24年度中に策定できるよう検討してきたことを明かしました。しかし、議会の求めに応じて「『LRT=新交通システム』の調査検討を優先させることにした」とし、「新交通システムに対する市の方向性が決定した暁に、交通対策審議会に諮問し『公共交通ビジョン』の策定に取り組む」方針を示しました。
 
 ようやく、道筋はできました。

◆LRT調査は、採算性だけでなくまちづくりの視点で
 12月議会で全会一致で採択した「次世代型電車システム(LRT)導入と長野市の新たな交通体系についての請願」を受けて、市は交通対策審議会にLRTを含む新交通システムの可能性の調査を諮問しました。
 新交通システムの一つであるLRTという交通モードは、行き過ぎた車社会から脱却し、人と環境にやさしく、快適に生活するための都市インフラの一つとして位置づけられているもので、富山市の取り組みが全国から注目されています。
 
 地方都市においては導入の費用対効果、採算性は避けて通れないものの、基幹的な地域公共交通となることから、公設民営・上下分離方式を含めて財源を確保するとともに、鉄道事業者、バス事業者との連携を十分に図り、LRTがまちづくりをこんな風に変えるというビジョンをきちんと示し、十分な市民合意を形成することが鍵だと思います。事業性、採算性のみにとらわれず、地域性を踏まえ、まちづくりに貢献できるLRTの活用をしっかり調査するよう求めました。
 
 市側は、LRT導入の調査検討は、「将来の都市圏構造や人口減少・高齢社会を勘案した、将来の交通体系の在り方を検討してもらうもの」と位置づけ、一つに鉄道・バスなどの公共交通による交通ネットワーク並びに基幹公共交通軸の検討とともに想定される路線も検討する、二つに事業費、費用便益、既存交通や周辺施設への影響等の観点から各路線のパターンごとに比較検討し、事業手法なども含め、今後解決すべき課題を検討するとしました。
 交通対策審議会は検討部会を設けており、この検討部会で、「地域性を踏まえ、長野のまちづくりにとって有効な交通システムになり得るか、多角的な視点から調査してもらいたい」との市側の意向を述べました。
 
 実は市では新交通システムの導入を検討したことがあります。LRTではなく、地下鉄、モノレールの類だったようで、事業費、費用対効果の面から断念したそうです。今日の新交通システムはLRT(路面電車)やBRT(連結バスやガイドウェイバス)が注目されています。
 議会側も多角的な検討を進められるよう、節目節目での情報開示を求めていきたいと思います。

◆屋代線…鉄路の再利用を求めるも、「困難」とされる
 長野電鉄から一括無償譲渡を表明されている屋代線の鉄道資産について、「鉄路の保存、再利用の道筋を」と求めましたが、屋代線の鉄路は廃止が決定されたこと、鉄路の保存は大きな負担となり、老朽化しているため運行再開には多額な設備投資が必要となることから「困難であると判断せざるを得ない」と答弁されてしまいました。
 市長が既に、屋代線はLRT導入の検討とは切り離さざるを得ないとしてきましたから、予測していた答弁ではあります。屋代線の後利用については、LRTの車両基地との発想は残しつつも、沿線地域の住民の足を守るという観点から、代替運行バスの利便性の確保と向上にシフトしなければならない時期を迎えているということでしょう。
 
 3月6日のまちづくり・公共交通対策特別委員会では、代替運行バスの確定ダイヤ、運賃が示されました。降雪時の試験運行では15分から23分の遅れが出たそうです。屋代線・鉄道に比べ倍の時間を要するバス交通だけに、夏ダイヤ・冬ダイヤの工夫も必要になりそうです。
 4月以降の運行状況、利用状況を見極めながら、交通権が確保されるようチェックを続けたいと思います。

◆定住自立圏構想…医療と交通のネットワークづくりは質問できず
 市では定住自立圏構想への参画を検討しています。私は長野市を中心市とする北信地域の定住自立圏のカギは安心して永住できること、医療圏と公共交通のネットワークにあると考えています。
 北信エリアで総合病院を中心とする医療機関の役割分担と受診の足を支える公共交通ネットワークを、市町村を超えて再構築できないものかと思います。屋代線の廃止決定は、返す返すも残念なのですが、長野電鉄長野線の活性化と、長野以北の並行在来線の維持・活性化を軸に、厚生連松代総合病院や篠ノ井総合病院、市民病院、日赤、そして県立須坂病院、厚生連北信総合病院を結ぶ医療圏・公共交通網を定住自立圏構想のもとに再構築したいものです。
 時間がなく、質問できなかったテーマですが、市側は「定住自立圏構想の検討の切り口として重要」との認識を持っているようです。委員会等の中で展開できればと思います。

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