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まちづくり・公共交通対策特別委の行政視察➋…高松市編

 2月8日、2日目の香川県高松市は、「高松丸亀町商店街再開発事業」と「ICカード“IruCA”」がテーマです。いうまでもなく「権堂地区の再生」「商店街の活性化」に参考となる視点を学びたいとの問題意識です。 高松市は人口41万8千人、面積は375㎢の中核都市。

 高松市の中心市街地は三越と天満屋百貨店、丸亀町商店街を中心に、8つの商店街がぐるりと回廊上に形成されています。国や県、市の行政施設や企業の四国支店・支社、文化施設、病院等の医療施設や福祉施設も中心市街地とその周辺に集積しているそうです。

丸亀町商店街の北側に位置するA街区のドーム、手前の三越側から。ルイ・ビィトンやコーチのブランド店が入る街区。

A街区=壱番街のドーム部分、2階からの写真。商店街を俯瞰。

 丸亀町商店街は高松城築城とともに形成された400年余りの歴史を持つ街で、この商店街の再開発事業は中心市街地活性化の成功事例として特筆されています。
 *リンク=高松丸亀町商店街のホームページ

 商店街は7つの街区(A街区~G街区)で構成される470mのアーケード商店街。全国初の民間主導型再開発事業として商店街の北に位置する「高松壱番館」(A街区)が事業費約69億円で完成したのがH18年。

 現在は、南側に位置するG街区で約160億円の事業費で再開発が進み、H24年4月のオープンを目指しています。それ以外の街区は、地権者の合意のとれたところから、3~5の敷地を共同して建て替えたり、既存ビルをリニューアルしていく小規模連鎖型再開発事業として進行中です。

 街区ごとに「ドーム広場&高級ブティック街」「広場&ホテル&高層マンション」「アート・カルチャー街」「ファミリー&カジュアル街」など、コンセプトを明確にしながら、業態・業種を構成している事も特徴です。

商店街の南側入り口・G街区の再開発事業、4月のオープンに向け工事が急ピッチ。ホテルや高層マンションが入る街区となる。

明るく開放的なアーケード街が続く。

市道のアーケード。中央が自転車道で歩道と区別されている。市街地が平坦で自転車の利用度が高いそうである。

 
 A街区エリア全体の年商は開発前10億円から開発後には35億円、1日当たり通行量が12,000人から18,000人に、さらにこの事業によって高松市の税収は固定資産税で開発前の400万円から3,600万円と9倍になっているそうです。何ともすごい話です。

 再開発事業の大きな特徴は、経済産業省の戦略補助金を活用して構築したタウンマネージメント・プログラムのもと、土地の所有と利用の分離、定期借地権のスキームで、行政に頼らず民間主導によって商店街の活性化を目指している点にあります。
 土地の所有と利用の分離のスキームにより、A街区の再開発は、通常であれば200億円規模となる事業費が69億円に圧縮されたとします。市の補助金は6億9千万円です。

 この再開発事業をリードしたのが商店街振興組合の当時の青年部だそうです。1988年の「開町400年記念祭」にあたり、当時の理事長が「500年祭を元気で迎えられる商店街であるように」との想いをこめて青年部にまちづくりの研究を指示しスタートします。折から商店街の通行量、売上高の減少が顕著化し居住人口も減少、一方、「夢タウン高松」「イオン高松」の大型店の進出、郊外大型店の展開が動き始めていたことが、背景にあったとのことです。

丸亀商店街振興組合のホームページから。商店街の紹介。

 全国の失敗事例を研究し(ここが味噌か!)、業種が物販に特化しすぎていること、家賃が高いため新規出店が難しく居住人口が減少してしまうことから、商店街の活力は確実に減退するとし、「物を買うだけの商店街」から「時間消費型の商店街」への転換を結論とします。ここから、一つに業種の偏りをただし、商店街を一つのショッピングセンターに見立てゾーニングを行う、二つに土地の所有と利用の分離を図り、テナント料を抑制、新規出店を促進する、そのための仕組みとして「まちづくり会社」制度を利用する、二つの方向性が打ち立てられます。

 商店街と地権者が出資して第三セクター「高松丸亀町まちづくり株式会社」を設立、地権者はまちづくり㈱に対し定期借地権付で土地を貸し、再開発ビルを所有するまちづくり㈱がテナントから家賃を徴収し、地権者に対し地代を払う仕組みを作ります。資金は、商店街振興組合が駐車場経営などの収益事業を持っていることが大きな力になっているとされます。

 商店街の現場も案内いただきました。アーケードは市道で、真ん中に自転車道、両側が歩行者道として整備されています。午後2時半過ぎだったのですが、自転車の通行量も多く、活気を感じました。

 「まちづくりは若者に任せろ」を持論とする当時の青年部の人材と熱意が原点であることが最大のポイントです。民間活力・マンパワーの重要性を痛感します。公的公益施設の導入は最初から念頭に置いていなかったそうで、行政頼みではなく「人が住みたくなる街」をつくる…これが商店街活性化のカギとなり、中心市街地活性化の基軸となっているのです。
 言い換えれば、商店街の衰退は商店街・商店主そのものにあるという反省に立ち、その地域性を見極め、立て直すための事業スキームを組み立ててこそ、再生の道が開かれるということでしょう。

 とても刺激的な視察でした。しかしながら、長野市の中心市街地の活性化、権堂地区の再生の具体的な課題に結びつけるまでに消化できていません。

 ただ、権堂地区の再生は、アーケード商店街の再生をいかに図るかが基本にする必要があるということでしょうか。拠点を作るにしても、どんな層をターゲットにし、どんな業種・業態で街区を構成するのか、商店街全体の熱意に基づく構想として息づいているのか、こうした分析・検証が的確に行われてきているのか、行政主導・行政任せに限界はないのか、公的施設の導入がまち中居住、人の集中・回遊をどれだけ高めることができるのか、定期借地権設定方式の可能性はあるのか、改めてチェックしなければならないと考えます。
 
 権堂地区の再生計画が検討委員会から市長に提言されました。2月20日には権堂B-1地区の再開発事業が都市計画決定される予定になっています。権堂再生計画は3月議会の焦点の一つです。

商店街に設置されているICカードのチャージ機。高松市の職員の方から説明を受けているところ。

 ICカード=IruCAカードは、高松琴平電鉄(ことでん)の交通系カードから地域カードへ展開・発展しているカードです。発行枚数は21万枚で人口の約半分。高松琴平電鉄の電車・バスで利用できるほか、電子マネーカードとしても展開され、中心市街地エリアの商店や駐車場、施設利用の決済が可能となっています。香川大学の職員証・学生証にも導入、さらには市有施設の利用料にも使えます。昨年7月からは高松市民病院の診療費支払いにも利用できるようになっているとのことです。

 中心市街地活性化とリンクさせ、中心市街地商店への決済端末機設置の拡大(200台)、商店街での電子マネーチャージ機設置(15台)が進んでいます。

 ICカード事業については、松山市の取り組みと合わせ、別途まとめたいと思っています。

 長野市では、ICカード「Kururu(くるる)」の10月からの本格運用に向け、制度設計が進められていますが、当面、交通系カードしてスタートします。今後の発展形として、大いに参考にしたいシステムです。

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