議会質問から➍…放射能汚染に対する不安解消策の拡充を

 3.11の大震災、そして福島原発事故から間もなく1年を迎えます。マスコミでは連日、「大震災・原発事故の教訓は何だったのか、どう活かすか」、「被災者・避難民のその後」という観点から「3.11特番」が組まれています。

 国は昨年12月、福島第一原発は「冷温停止状態」にあるとし「事故収束宣言」を出しました。しかし、原子炉内で溶融した核燃料の状況は把握できず、今なお放射性物質の外部への拡散が続き、これからも長きにわたり日常的に放射能汚染と被害に向き合っていかなければなりません。
 

放射線量調査、市役所の排水施設で

 市ではこの間、サーベイメーターを1台導入し空間放射線量調査を行ってきています。学校や保育園の雨どいや側溝、植込み、砂場など計65地点199カ所で、また戸隠・豊野両支所、鍋谷田小学校、篠ノ井・芝沢公園の4カ所で定点定期調査を行い、毎時0.07マイクロシーベルト~0.08マイクロシーベルトの検出結果であることから、「健康に影響のない値」としています。

 一方、食を通しての体内被曝が懸念される中、学校給食食材等の放射性物質検査は県教育委員会の検査に依拠しているのが現状です。流通している食材・食品は本当に大丈夫なのか、学校給食は安全なのかといった不安の声が広がっています。
 市独自に放射性物質検査器を保健所や給食センターに導入し、食の安全を確保すべきとの意見は代表質問でも取り上げられたものの、終始「検討中」との答弁から踏み込むことがありませんでした。「消費者庁の次は厚労省の補助金を当てにして」との新しい方針が示されはしましたが…。

◆放射性セシウム新基準を睨み、即刻、検査機器の導入を
 市独自の放射性物質検査機器の導入は新年度にあたり予算要望をしてきた一つですが、新年度予算案では見送られました。市民の不安が高まっているにもかかわらず!です。
 食品中の放射性セシウムの新基準値が4月から適用されます。食品は100ベクレルです。市ではこれまで消費者庁の検査機器貸与を当にしてきましたが、3次までの224台導入にすべて選定から漏れてきたことから、改めて、国を当てにせず市独自に精密検査ができるゲルマニウム半導体検出器を導入することを強く求めました。

◆「検討段階」は過ぎている!
 しかし、市側は「消費者庁の4月・第4次配分の150台貸与に期待する」との姿勢を未だに強調する一方、これと並行して「厚生労働省の新しい補助金(2分の1補助)を活用し、市独自の機器購入を検討していきたい。機器はスクリーニング検査のためガンマ線スペクトロメーターを想定」との方針を示しました。
 まだ、「検討段階」です。こまでくれば国を当てにせず、市において、市民の不安を解消し健康を保持するため、スペクトロメーターに加えゲルマニウム半導体検出器を即刻購入し、食品、給食食材など、放射性物質の検査体制の充実を図るべきでしょう。

◆6月補正予算で対応か?
 消費者庁が貸与する機器はガンマ線スペクトロメーター(200万円位)でゲルマニウム半導体検出器(2000万円位)に比べると確度が落ちます。決断の時でしょう。
 「検討」を繰り返す保健所長に「消費者庁の第4次選定に漏れれば、厚労省の補助金を活用して市独自の検査器を導入する方針と受け止める。早期に決断を」と強く迫りました。残念ながら、消費者庁の選定結果次第ですが、6月の補正予算対応ということになるのでしょうか。
 また、このことと関連して、西村裕子議員が「保育園や小中学校の校庭土壌調査」を迫りましたが、市側は「地表5センチで測定しており、安全を確認している」として、調査の考えの無いことを強調、「残念な答弁、ありがとうございました」との議員の締めくくりには、苦笑いです。

◆給食食材はウクライナ基準の40ベクレルで
 国の新基準では、食品の放射性セシウムは100ベクレルとされています。しかし松本市ではチェルノブイリ原発事故で設定されたウクライナ基準といわれる40ベクレルを基準にしています。
 この40ベクレルを基準にするよう求めましたが、市は「児童生徒の健康への影響に十分配慮された安全な新基準値である」とし、「新基準値を超える数値が検出された場合は食材使用を差し控える」と述べるにとどまりました。
 政府の迷走する基準そのものがあてにならないから不安が広がっていることにもっと着目してもらいたいと思います。

◆孤立感深める市内避難者のネットワークを
 2月24日現在で、長野市内には福島県・宮城県から65世帯、205人の皆さんが自主避難しています。中信で活動する「避難者の会-手をつなぐ3.11信州」代表の森永さんの話を紹介しながら、孤立から連帯・自立へ、避難者の連絡網やメーリングリストなどを作成し、自主的なネットワークの条件づくりを支援することを提案しました。
 市側は「避難者のネットワーク作りは重要」との認識を示したうえで、「連絡網やメーリングリスト作成は、本人承諾を得る必要があるが、どのくらいのニーズがあるのか、また情報管理などについて、避難者の声を聞きたい」としました。
 3月には避難者に自立支援に向けたアンケート調査が行われます。この調査で、連絡網作成に向け本人承諾を求める取り組みを盛り込むよう求めました。実現できるようチェックを強めたいと思います。