12月議会の論点【備忘録・その1】

12月市議会定例会は4会派の代表質問を終え、個人質問が続いています。
11日には個人質問が終了し、12日から13日の2日間、常任委員会で付託議案を審査することになります。
再選した加藤市長にとっては、2期目初めての議会。
全体的に、加藤市長の選挙公約である「守る」「育てる」「つなぐ」で打ち出した政策・施策を検証する視点から、その具体性、実効性を問う質問が多い点が大きな特徴です。

代表質問等から「論点・ポイント」を報告します。
私にとっては「備忘録」みたいなものです。

健全財政、財政調整基金の見通し

財政調整基金とは、地方自治体が健全な財政運営を確保するために設置した積立金で、いわば地方自治体の「貯金」です。経済事情の変動等による減収、災害により生じる予期せぬ支出・減収を埋めるときや、緊急性の高い大規模な建設事業の経費等に充てることとされています。

国の経済財政諮問会議では、H18年からH28年の10年間で地方自治体の財政調整基金が1.8倍、特定目的基金が1.5倍と、いわば「貯金」が増加し、20兆円を超えている現状を踏まえ、「国・地方を通じた財政資金の効率的配分に向けて地方財政計画への反映等の改善方策を検討すべき」と提言しました。要するに地方自治体には十分な貯金があるから地方交付税を減額して対応すべきとの考えを示したことになります。地方自治体の基金が「積み増し」か否かはケースバイケースで議論のあるところですが、自主財源の有り様にまで国が口をはさむことは如何なものかと思います。

長野市の状況は財政調整基金が11億円減の0.9倍、特定目的基金は46億円増の1.5倍、均すと1.1倍で「国の指摘には当たらない」としています。財政部長は「災害に対応する財源等として適切に運用している。しかし、4年間取り崩しが続いており、歳出減で対応していくことが必要」と強調しました。

特定目的基金の一つである「大学整備基金」は使い切ることになります。新年度には新たに公共施設維持管理の基金が造成されるはずです。基金の運用をはじめ、長野市の財政運営の現状と課題について、改めて整理したいと思います。

ジビエ肉加工処理施設…国のモデル指定に前向きな感触

市では中条地区にジビエ肉加工処理施設の整備を進めています。国では、全国で12カ所位をモデルに指定し、財政支援を行うとしていることから、議会としても国のモデル指定となるよう県と連携して働きかけを強めるよう要望してきています。

今議会で「国からは前向きな感触を得ている」との認識を示しました。思惑通り展開することを期待したいと思います。

看護学部新設補への支援

長野保健医療大学を運営する四徳学園に市有地を貸し付けることになっている件について、「市の貸付基準に沿って対応する」とし、市有地貸付では「定期借地権契約」とする考えを示しました。また、学部新設から4年間は国等の支援がなく経営が厳しいことから、「5年間に限り半額を減免する」としました。

市はこれまでに「2大学で総定員155人は、並存可能で進学希望者の受け皿となり得る」との判断を示してきています。私は、ブログで「4年生の県立須坂看護専門学校」の存在について全く触れられていないことを問題視してきましたが、この4年制に移行した県立須坂看護専門学校の存在については、「看護学部への進学は2.26倍のニーズがあり、定員40名の県立須坂専門学校の影響はない」との考えを示しました。説明責任に「?」です。

171122「市内2大学の看護学部新設に7億3,250万円を支援…課題は何か」

県立大学の運営で「活性化会議」設置へ

来年4月開学予定の新県立大学に、長野市は10億円の出資(大学整備基金を活用)を決めていますが、県及び大学を運営する公立大学法人との間で「県立大学活性化会議」を設置し、開学後の大学運営について協議していく方針を明らかにしました。教育環境の向上や地域と大学との連携等をテーマにしたい考えです。

市は、学生寮となる「後町キャンパス」(後町小学校跡地)の敷地を無償提供する支援も行っています。

セントラルスクウェア…20年間の賃貸契約の締結へ

4800㎡ある民有地のセントラルスクウェアは、市のイベント時の広場等として臨時的に賃借し活用を図ってきていますが、このほど、20年間の賃貸借契約の締結に合意したことを明らかにしました。「同規模の市有地を賃貸することを条件」にしていることも示しました。市としては「権堂地区内を東西に横断する市道県庁・緑町線の整備と合わせ、イベント広場にとどまらず活用を図りたい」との考えを示しました。

セントラルスクウェアは大型観光バス駐車場として利用する社会実験も行われてきました。駐車場として活用する声も根強く、多角的な検討が求められるところでしょう。

札幌冬季五輪とスパイラルの活用

2026年冬季五輪の招致に名乗りを上げている札幌市が、そり競技について長野市など北海道以外での分散開催を検討する考えを示したことについて、今後のスパイラルの活用について複数の議員が取り上げました。市は「札幌市から話があった段階で、市の冬季製氷休止方針を踏まえつつ、真摯に対応したい」との考えを示しました。なお、札幌市の意向は「国の関与が必要との認識を示したもの」との受け止めを示しました。

施設の再開には「特段の事情や理由が必要」としてきた長野市にとって、札幌市側からの具体的な提案次第で検討せざるを得ない状況があるとはいえ、「明確な国の関与・支援がなければ応じられない」とのスタンスで臨むことを求めたいと思います。

また、夏季のトレーニング施設として国の支援を受けるため、ナショナルトレーニングセンター(NTC)として継続できるよう1月に国に申請する考えも示しました。決定されれば「製氷休止後の施設の活用について一定の目途が立つ」としました。

公共施設マネジメント…全庁横断の「調整会議」立ち上げへ

市は「公共施設等総合管理計画」を策定し、公共施設の縮減・統廃合に向けた取り組みを始めています。地区ごとの公共施設の現状と今後の在り方を市民参加で検討していくため、本年度から32地区ごとの市民ワークショップに取り組んでいます。全体の進捗管理を図るため、副市長を座長とする「公共施設等総合管理調整会議」を年度内に立ち上げるとしました。施設の統廃合にあたり複合化・多機能化する場合に部局横断的な検討が必要なことから「横串で調整を図る」ことが狙いとされます。

また、住自協などが主催する地区の出前講座や市民ワークショップに、当該地区の公共施設の用途廃止を含む「二次評価」資料を示していることが判明。市議会には資料開示されていないものです。市側は「あくまでも内部評価の参考資料であって、結論ではない」と釈明しましたが、結論ありきで合意形成を誘導する狙いが見え隠れします。全面的な情報開示とゼロからの公共施設見直しの検討が進められるよう、議会としても仕切り直しが問われます。

【備忘録・その2】は、小中学校のエアコン早期整備、国民健康保険事業の県域化に伴う保険料の抑制などなど