値上げラッシュ【その1】…放課後子ども総合プランの有料化

来週2月23日から3月議会定例会が始まります。3月21日までの会期です。

2月6日に続き、13日~14日、2日間にわたり、3月議会に提案される新年度長野市一般会計当初予算案の概要や、国民健康保険料や水道料金を引き上げる条例改定案、放課後子ども総合プランの有料化議案をはじめ、新年度の組織・機構の見直し、総合計画や各分野の基本計画のパブコメの結果と策定状況などについて、理事者側から報告・説明を受けました。

3月議会は新年度予算案を中心に審議する予算議会となりますが、長野市“まちづくり”の最上位計画となる第五次総合計画の基本構想も議案となります。

この第五次総合計画の初年度に受益者負担の値上げラッシュが待ち受けています。
まさに課題山積です。

放課後子どもプランの有料化国民健康保険料の引き上げ、そして水道利用金の引き上げです。

まずは、値上げラッシュ【その1】として、放課後子ども総合プラン有料化の問題点をまとめてみました。

昨年9月議会で、この問題を取り上げてきています。

いよいよ有料化が議案として提案されることになりました。

【関連記事】
160929「9月議会の質問より➋…放課後子ども総合プランの有料化を質す」
市政直行便NO.47 2P「児童センター・こどもプラザ、無料で事業継続を」

社会福祉審議会…利用者負担は必要、「一律月額2,000円目安」を答申

放課後子ども総合プランの利用者負担の導入を審議してきた社会福祉審議会は、税負担の公平性確保の観点から利用者負担の導入が必要であると結論付け、行政サービスの負担に関する基準(コストの50%負担)を適用するものの、「アンケートで多かった2,000円からスタートすることが市民感覚に抵抗がない」「利用者負担に保育実費(おやつ代等)が重なることを考えると最初はなるべく低い金額がいい」との意見を踏まえ、児童センターもこどもプラザも一律月額2,000円を目安に有料化する答申をまとめました。

また、多子世帯では2人目は2分の1を3人目以降は全額を減免し、中山間地域でスクールバスやタクシーを利用している児童等は5分の2を減免、児童扶養手当や就学援助の受給対象児童等は2分の1に減免、生活保護受給世帯の児童は全額を減免する規定を示しました。

減免対応は現状から比べると拡大されることになります。

さらに、答申は『附帯意見』として3点指摘しました。

➊コストの可視化を図るとともに将来の改定の可能性も含めて利用者に丁寧な説明に努めること、

➋職員の能力向上や施設整備など事業の質の確保と向上に努め、プランの充実が利用者に実感されるよう努めること、

➌ガイドライン作成等により、保育実費が校区や施設で異なる状況の改善に努めることを求める内容です。

審議会答申を尊重し、市の方針固まる…「一律月額2000円」に

市は、この答申を尊重して、市としての方針を決定し、3月議会に条例改定案として提案します。

市の方針は次の通りです。

➊プランを充実し、税負担の公平性を確保するため利用者負担を導入する。

➋コストの算出、利用者の負担割合、見直しの時期・方法等は「行政サービスの負担に関する基準」を適用する。

➌急激な負担増加による市民への影響を考慮し、児童一人につき一律月額2,000円とする。

次回の見直しまで(3年後)まで、現行額を継続する。

➎きめ細かに配慮することが必要であり、減免措置は答申通りとする。

➏H29年度は周知期間とし、H30年4月から実施する。

放課後子ども総合プランの児童一人当たりのコストは8,327円で、負担割合50%を適用すると利用者負担額は4,163円になるとされます。

こうした試算が示される中での審議会の議論としては、利用者負担の導入を是としつつも減免措置の拡大を含めて、急激で過度な負担にならないよう「配慮」された答申としてまとめられたものと受け止めてはいます。

市の方針の意味するところ…私が思う4つの問題点

しかしながら、無料で事業の継続を主張してきた私としては、直ちに納得できるものではありません。

市の方針の意味するところ、問題点は大きくいって4点あると思います。

《一つに》、税負担の公平論で、保護者の経済状況により利用できなくなる児童の発生を容認すること。つまり、放課後の安全で安心な居場所を奪ってしまうことにつながるということです。アンケートでも13.4%の保護者が「有料であれば利用しない」と答えているのです。
私は、そうではなく、放課後の子どもの居場所をすべての児童に開放し、必要な経費は子どもたちの未来への投資と位置づけることが肝要であると考えます。
減免対象を拡大する道ではなく、そもそも減免のない無償事業として継続すべき道を選択することが子育て支援先進都市の具体をつくることであり、こども優先のまちづくりを進めることになります。
「子どもの貧困」が社会問題となっている今日、親の経済格差により子どもの放課後の生活環境が左右されてしまうことは承服できません。

《二つに》、3年ごとに見直す中において、利用状況を検証しつつも、利用者負担額の上限である4,163円に計画的に引き上げていくことになるということです。2000円の負担で約1億7000万円の増収になると試算されます。小さく生んで大きく育てる、なんか消費税率のアップと似た論理が見え隠れします。少子・高齢化、人口減少で子どもが少なくなる傾向を直ちに転換できるわけではありません。現在の保護者の負担は2000円、将来の保護者の負担は4000円というのは、保護者の世代間の公平性を歪めることになります。

《三つに》、おやつについて、食物アレルギー児童への対応もあり段階的になくすことを指導しています。答申の附帯意見のガイドライン作成がかかる方向を誘導することになりはしないかということです。

《四つに》、プランを充実させるとされますが、求められる「プランの充実」の具体は何も示されていません。児童センターの施設整備、こどもプラザで活用する教室のエアコン整備、支援員やアドバイザーの処遇改善、研修機会の無償拡大などなど、課題はたくさんあります。しかしながら、税負担の公平論では、適正な利用者負担による増収ありきが最優先となり、プランの充実は二の次となってしまうのです。

世田谷区の放課後子ども総合プラン=新BOP事業より

2月3日に会派で世田谷区の放課後子ども総合プラン事業=新BOP(Base of Playihg=遊びの基地)事業を改めて視察して来ました。2回目です。

世田谷区は直営でプラン事業を63の区立小学校施設を活用して展開しています。
25館ある児童館(直営)の館長と連携し、放課後子ども教室と学童クラブを一体的に運営しています。
学校内施設は専用教室として2教室(エアコン完備)が確保されています。

放課後子ども教室として運営されるBOPは無償で事業展開し、放課後児童クラブである学童クラブは1年生から3年生限定で月額5000円の利用者負担を導入しています。
しかし、5000円のうち3000円が運営費で、残り2000円はおやつ代等の実費相当分、おやつは学童クラブ児童全員に提供されています。

新BOP事業の職員体制は、事務局長が174160円の報酬で非常勤、保育士等の有資格者が常勤の児童指導職員として87人配置されています。非常勤となる新BOP指導員は371人(1施設平均6人)登録され、資格の有無等により4つのランクに区分、月20日勤務で165500円、152800円、149200円の3ランク、16日勤務で77800円といった報酬制度が確立していました。

さらに、プレイングパートナー(学生等の臨時職員)1日3時間から6時間勤務で時給1020円が保障されています。

直営だからこそできているのかもしれませんが、事業にあたる支援員への処遇は残念ながら長野市と比べ物になりません。

注目すべきは、運営体制だけでなく、放課後子ども教室に相当するBOP事業は無料で実施していること、放課後児童健全育成事業(長野市で言う児童センター)は有料化しているものの、3年生までに限定し、4年生以降は自立しながらBOPで活動することを決めごとにしている点です。

放課後子ども教室にあたる事業は、ほとんどの中核市でも無料で実施されています。

無料で事業継続を求め続けたい

世田谷区の新BOP事業をはじめ、多くの中核市がそうであるように、放課後子ども教室事業と放課後児童健全育成事業を利用者負担の視点で切り分ける方法もありだとは思います。利用者負担の2,000円を将来にわたり恒久的な負担額とし事業展開を図るという選択肢も考えられます。

しかし、市長自身が「子育て支援先進都市」を掲げるからには、「先進」に見合った施策展開、すなわち、無料で安全安心な放課後の居場所、生活の場所であり、遊びの場所を提供し続けるのだとする政策的決断を求め続けたいと考えます。

児童センターやこどもプラザの施設長や運営委員長からは、「無料で継続してもらうに越したことは無い。センターやプラザに来れなくなってしまう児童がいることは本当に残念こと」との声が寄せられています。
保護者の皆さんからも有料化を思いとどまり無料で継続する声がたくさん寄せられています。

プランの有料化は3月議会の大きな焦点の一つです。

改革ネット・会派としての議論(タフな議論が必要になりそうですが)を尽くし、市議会全体の議論も見極めながら、対応方を検討したいと考えます。