「子ども支援のまちづくり条例を創る」

あっという間の90分…喜多明人教授の指摘を活かしたいものです。

 20日、早稲田大学の喜多明人教授を招いての研修会が開かれ参加。喜多氏は子どもの権利条約ネットワーク代表、チャイルドライン支援センター副代表などを務めるとともに川崎市の子ども権利条例制定に関わるなど、現場第一線で活動している著名な先生です。超党派有志でつくる市議会の「子育ち・子育て検討会」が呼びかけたもので、議員や市教育委員会、市保育家庭支援課の職員、NPOの皆さんら約50人が参加しました。

 喜多教授は、「『他者から必要とされていない』など『受容されない子どもたち』が増えている。学習意欲をはじめ、人と関わる意欲、立ち直る意欲が減退し自己肯定感が低下していることが問題」と指摘、「受容され愛されて育つ権利(子どもの権利条約前文)が侵害されている」といった認識の下に「自己肯定感(能動的活動意欲)の回復が課題」と述べました。

 そのためには、「従来の指導、健全育成が行き詰まっていることを認識し、子どもの指導・管理から『子ども支援』へ転換すること、子どもの自分育ちを支援することが重要」「教えられて育つ=教育を受ける権利、自己の意思と力で育つ=自己形成の権利を柱とする『子どもの権利』の視点が大切」と強調します。

 また、奈良県の「声かけ禁止条例」(05年7月施行)や「イカのおすし」(註)現象など、「子どもに優しくないまち」に歯止めをかけ、双方向で支援し、まちづくりへの子どもの参加を促し「共に生きるまちづくり」を進めることが課題とし、「条例により子ども支援の施策を継続的、安定的に発展させることが重要」としました。

 なるほど、興味深く聴きました。市では昨年4月、子育ち・子育て支援の総合的な指針となる「次世代育成支援行動計画・後期行動計画」である「ながの子ども未来プラン」を策定しました。子どもの権利条例については、検討課題とされています。まずは、議会やNPOがリードし、子どもの権利条例の制定に向けた世論づくりが不可欠です。 

長野市が策定した「長野こども未来プラン」

 それにしても「自己肯定感の喪失」は深刻です。周りに、社会に、主体的に関わろうとする意欲の停滞は、子どもに限った現状ではないからです。研修会の中でも行政職員の意欲も問題視されていました。その意味では、成長期にある子ども時代に如何に自己形成が図れるかがカギということですね。

 (註)子どもへの犯罪を未然に防ぐため警視庁が考案した防犯標語。いかない(知らない人についていかない)、らない(知らない人の車に乗らない)、おきな声で呼ぶ、ぐ逃げる、らせる(何かあったらすぐ知らせる)が内容。歌や踊りにもなっている。