*

12月議会の論点・焦点[その3]…新斎場の火葬料金15,000円は説得力があるのか

 引き続き[その3]として報告する。
 今議会には大峰・松代の新斎場の利用料金値上げが提案されている。斎場に指定管理者を導入する議案とセットである。

◆新斎場における火葬料金の値上げ…12日の福祉環境委員会の生活部審査を傍聴。議案として提案されているもので、火葬料(12歳以上の大人の場合で)を現行の8,000円から15,000円に引き上げる内容(待合室料金を含む)。また、葬祭具の貸し出し・販売も縮小し、指定管理者に指定業務として移管するとされる。
 福祉環境委員会では賛成多数で採択すべきものとされた。

 大峰斎場は来年10月オープン、松代斎場は再来年3月オープンをめざしているが、斎場の利用者負担について、施設改修費を含めた「管理運営費の50%」(行政サービスの利用者の負担に関する基準による)の基準を適合させている。
 
 42中核市の平均では9,339円(待合室料金を含むと13,094円)、H16年度以降に新設された34斎場の平均では12,614円(待合室料金を含むと17,499円)で、長野市の場合、2倍近い引き上げとなるが、「他市と比べ際立って高い水準ではない」とする。
 委員会では、理事者から「一生に一度の利用であり、国保の葬儀料5万円の枠内に収まることから、市民の理解が得られると考える」とも答弁された。

議会への説明資料より➊

議会への説明資料より➊


 生活部市民課・斎場対策室から提供いただいた資料がある。
 中核市では青森・秋田・郡山・宇都宮・前橋・高崎・横須賀・富山・岡崎など9市(21%)で斎場利用料金は無料で実施されている。火葬料金10,000円以下は24市に上る(57%)のである。議会への説明資料では、中核市平均はゼロ円実施の9市を除く平均値として算出されている。無料実施を含めた42中核市平均は待合室料金込みで8,384円と試算されるはずだ。現行と大きな差異はないのである。
 H16年以降の新斎場で比較しても、札幌・長岡・浜松など6市で火葬料金は無料・ゼロ円実施、待合室料金を設定しているのは43市中13市に過ぎない。ゼロ実施を含む火葬料金は10,388円、待合室料金は1,867円となり、新斎場43施設の利用料金平均は12,255円と試算されるはずである。

 12歳以上の大人の火葬料金(待合室料を含む)を整理すると次のようになる。上記の表と比較してもらいたい。
 現行料金   新料金   中核市平均   新斎場平均
  8,000    15,000    8,384      12,255

 議会説明資料に、数字のマジックが巧みに使われていると思うのは私だけだろうか。平均点をゼロ点を含めず算出する方法は、マジックなんてものではなく、平均点を高くするための恣意的な情報操作といっても過言ではないのではないか。「15,000円は決して高くはない」とする根拠は崩れてしまっていると思うのだが、いかがなのだろうか。

 類似都市、斎場新設都市と比べ、「際立ってとは言わないまでも、高い利用料金設定」になっている事実を厳しく指摘したい。
 しかも、利用料金の減免基準すら明確な基準が委員会では示されていないのである。

 大峰、松代の新斎場は、確かに個室対応で最後の時を静かに見送る施設として利便性や静寂性は格段に向上する。
 しかし、市民の人生最後の時だけに、一生に一度のことだからこそ、利用料金の引き上げには抑制的であってほしい、否、抑制的であるべきと考える。

議会への説明資料より➋

議会への説明資料より➋


 さらに、そもそも、利用者負担に関する基準において、斎場の利用料金を管理運営費の50%基準とする合理性はない。行政として「義務的か裁量的か」の物差しと「公益的か私益的か」の物差しを組み合わせた基準だが、なぜ管理運営費の25%ではなく50%なのか、説得力ある説明ができるのだろうか。
 日本においては火葬が普遍的であり、公衆衛生上、行政も奨励している遺体の処理方法である。長野市内には公の火葬場施設のみである。公益性が高い市民サービスであり、民間には火葬業務はなく義務的な仕事である。利用者負担の割合は0%から25%といった範囲で裁量されるべき市民サービスである。
 こうした観点・事情からも、無料で実施している行政の基準にも広く問題意識を持った検討が行われて然るべきではなかったのだろうか。

 年間4,400人の利用を見込んでの検討だが、例えば新料金を10,000円に設定した場合には、2,200万円の経費増となる。2,200万円の経費増は、裁量の範囲であろう。市民に暖かいか、冷たいかの選択である。前例踏襲を見直すとする加藤市長には、基準をそのまま導入する前例踏襲こそ見直してもらいたいものである。
 新斎場の利用料金、火葬料金の単純な引き上げは、納得できないのである。

 本来であれば、斎場利用料金15,000円の根拠について、議案質疑を行い、広く議論を起こすべき問題であったと反省している。後手に回ってしまった感は強い。時すでに遅しか!
 
 明日の本会議では、委員長報告を受けて議案に対する賛否が問われる。委員長報告をひっくり返して「継続審査」とし、さらに審議を深める手立てはないのか、市民ネットとして十分に検討し、対応したい。このままで良いはずはない!

関連記事

屋代線を考える議員連盟総会

[/caption]   2日、若穂支所で旧屋代線沿線3市の議員でつくる「屋代線を考える議員連盟」

記事を読む

DSC00132

【続報】大ホール…舞台の半分が見えない

11日、市議会議員を対象とした庁舎・芸術館の内覧会が行われました。 波紋を広げている芸術館大ホ

記事を読む

3月市議会の質問より…➊・➋・➌をアップ

 夏日が続き、外に出ると炎天下、体調管理に心がけたいものですね。  国政では、夏の参院選に向け

記事を読む

IMG_0595

3月議会質問より➋…スパイラルの存廃問題、今日的な論点は?

スパイラルの存廃問題を巡り、長野市は4月4日の部長会議で公共施設適正化検討委員会の提言に沿って「一部

記事を読む

鷲澤市長の引退表明

 「新幹線金沢延伸など本市を取り巻く環境が大きく変わろうとする中、これまで培ってきた本市のまちづくり

記事を読む

6月市議会が終わりました

 6月市議会定例会は20日、3億9,100万円余を追加する一般会計補正予算案や公共施設適正化検討委員

記事を読む

市議会議場に「日の丸」…反対討論

 20日の長野市議会6月定例会の最終日、議会運営委員会委員長報告の通り、「長野市議会の議場に国旗およ

記事を読む

160117gikainewsNO.44_page001アイコン

市政直行便NO.44 2016新春号

市政報告会に合わせ、一夜漬けで作成した「市政直行便NO.44」です。 芸術館の「見切れ席」問題

記事を読む

「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」とする政府見解の堅持を求める請願

 長野地区憲法擁護連合から提出された請願を紹介します。6月市議会に向け県護憲連合が県下で取り組んでい

記事を読む

29771

建設中の庁舎・芸術館…免震「不適合」の禍

14日の朝刊で「免震性不適合、長野県で1棟…まさか!市役所新庁舎では?」と案じていたところ、その「ま

記事を読む

  • 長野市議会議員・布目ゆきおのブログです。弱きを助け不条理を正す、市民が主役のまちづくりがモットー。この国のかたちのこと、長野市政のこと、地域のこと、思いつくまま徒然に、辛口で。➡ 詳しくはプロフィールへ


市議会議場
議員定数の在り様、検証したい…6月議会トピックス➋

開いた口が塞がりません! 稲田防衛大臣の都議選応援演説=「防衛省、自

IMG_0860
「共謀罪」法の廃止求める請願…不採択に反対討論

26日、市議会6月定例会最終日、長野地区護憲連合などから提出されていた

市議会議場
6月議会が終わりました…トピックス❶

木曽谷を中心に県南部を襲った震度5強の地震から一夜明けました。 重篤

IMG_0856
児童生徒の健全育成を進める会

24日午前中、安茂里地区校長会と安茂里地区住民自治協議会の主催による「

20170622SS00002
市内小学校のいじめ事案…「重大事態」とし第三者委員会を設置、調査へ

昨日21日の市議会経済文教委員会で、教育委員会は、H26年入学後間もな

→もっと見る

  • メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。是非、ご登録ください。

  • 〒380-0961
    長野市安茂里小市1-4-10
    TEL:026-227-3537
    FAX:026-227-3897
    Mail:info@nunomeyukio.jp

PAGE TOP ↑