地域バス交通活性化セミナー

 23日午後、国土交通省北陸信越運輸局と公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の共催による第6回地域バス交通活性化セミナーが市内の第一ホテルで開かれ出席しました。
 「地域住民のためになる路線バスをみんなでつくりだす」がテーマです。
 150人定員のセミナーは応募者多数で締め切ったそうです。地域バス交通への関心の高さが伺えます。
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 メインは、名古屋大学大学院環境学研究科・准教授の加藤博和氏の講演と、バス事業者らを交えたパネルディスカッションです。
 「利用者起点なくして路線バス再生はあり得ない~バス事業者再生なくして地域公共交通再生、そして地方創生はあり得ない~」と題した加藤氏の講演は、明快で刺激的でした。この日も名古屋から朝一番の「しなの」に乗車、屋代に向かい、屋代線廃止後の代替バスに乗り、松代から路線バスで会場に向かうという、実践派の研究者である加藤教授の講演をお聴きするのは3回目です。
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 バス事業者に対し、「補助金頼みの体質が変わっていない」と厳しく指摘する一方、兵庫県養父市の全但バスや北海道の十勝バス、静岡県の静鉄ジャストラインなど、全国各地のバス事業者自身の再生の取り組みを成功事例として報告、「バス事業者が住民の需要とニーズを把握することが重要。需要はアンケートで把握できるが、ニーズは住民とのひざ詰めの協議からしか把握できない」と強調し、例えば、路線図や時刻表、運賃改定の周知など改善できることはたくさんあると指摘しました。

 さらに、地域公共交通会議をもっと活用すること、地域公共交通網形成計画、再編実施計画の策定を行政、住民と連携して早期に作ることの重要性を強調しました。

 とあるバス事業者の部長は「耳が痛いが、指摘の通りだな」と話していました。
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 「地域住民に愛され利用される路線バスをどう作り出すか」をテーマに、長野電鉄バスやアルピコ交通のバス事業者代表や国土交通省総合政策局の地域振興室長、長野市交通政策課長らによるパネルディスカッションは、国が閣議決定した「交通政策基本計画」や改正地域公共交通活性化再生法の「確保維持改善事業」の使い方、活かし方を中心に討論。

 全体的に、バス事業者側に補助金頼みの姿勢から脱皮していく意欲、やる気が未だ希薄なことが浮き彫りになった討論という印象です。加藤教授の指摘をもっと刺激にしてほしいものです。
 長野市は策定中の「公共交通ビジョン(素案)」を報告しました。

 地方自治体が先頭になって、住民・利用者と交通事業者との地域協働をいかにつくりあげるか、利用者視点で、バス事業者のやる気、行政のやる気をいかに引き出していくかがカギってところでしょうか。

 加藤教授は討論の中で「トリガー方式の活用」、「過疎地有償運行でNPOの活用とされているが、これはなかなか難しい」と指摘しました。

 1月に視察した日立市の取り組み…、路線バスを残すために住民とバス事業者がパートナシップ協定を結び、住民・利用者が主体となって路線を構築するとともに利用促進を図る、行政はこのことを仲立ちし、路線バスを残すために「維持基準」をつくり、「最低運行保障」の水準で裏打ちする、この仕組みを一つのモデルにして公共交通ネットワークの維持・拡充を模索したいと思います。
「住民主体」が強調されるあまり、行政の住民への丸投げにならないような防波堤のあり方も考えなければなりません。

 加藤教授曰く「利用者起点、地域愛、一所懸命」をもって、より良い「長野市公共交通ビジョン」へ、地域公共交通網形成計画の早期策定に臨みたいと思います。