沖縄・辺野古での米軍・県警による不当弾圧を許さない

 22日、沖縄・米軍基地キャンプ・シュワブのゲート前で、名護市辺野古の新基地建設に反対する抗議行動のさなか、沖縄平和運動センターの山城博治議長と男性参加者の2人が米軍に拘束され、刑事特別法違反の疑いで県警に逮捕される不当弾圧事件が発生しました。
 山城氏らは、23日夜には、勾留の必要がないとの判断から釈放され、24日朝から、ゲート前での抗議行動を再開しているとのことです。さすが山城氏、大したものです。

 山城議長は、沖縄の基地反対運動のシンボル的存在。長野県にも何度も足を運んでもらっています。

 23日には県護憲連合として加盟団体や地区組織に沖縄県警及び名護警察署に対する抗議打電の取り組みをお願いしました。
 立件の余地はありませんから、即時釈放、そして不起訴は当然のことです。
 「辺野古に基地はいらない」…県民の願いを力で捻じ伏せようとする権力側の暴挙を許すことはできません。
 刑事特別法の乱用も厳しく指弾しなければなりません。

 「沖縄タイムス」は、「辺野古集会狙い撃ち? 米軍、後方からつかみかかる」と不当弾圧の状況を生々しく伝えています。
 また、「琉球新報」は24日付の「社説」で、「市民の逮捕送検 米軍の弾圧は許されない」と主張しています。引用します。
20150224琉球新報『社説=市民の逮捕送検 米軍の弾圧は許されない』20150224琉球新報『山城議長、再びゲート前で活動 「工事止めるまで頑張りたい」』
 

 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で普天間飛行場の移設に向けた新基地建設の反対行動をしていた山城博治沖縄平和運動センター議長と男性1人の計2人が刑事特別法違反の容疑で逮捕され、送検された。2人が逮捕された22日はゲート前で基地建設に抗議する県民集会が開催された。開催前に山城議長らを逮捕し、米軍が長時間拘束したのは抗議行動への弾圧以外の何物でもない。
 そもそも山城議長らは基地内に侵入しようとしていたわけではない。抗議する市民と県警とのもみ合いを制止しようとしていた。しかもゲートの詰め所よりも国道側に近い場所の地面に引かれた基地内の境界線を示す黄色い線に立っていただけだ。突然、米軍の警備員が山城議長を引き倒して両足をつかんで基地内に引きずって拘束している。こんな乱暴な拘束が許されるのか。
 この行為に在沖米海兵隊報道部は「米海兵隊施設に侵入したとして日本人警備員が『逮捕』した」と説明している。警備員の逮捕は私人逮捕だ。現行犯逮捕なら司法警察職員に限らず誰でも行えることが刑事訴訟法に定められている。
 現場には当時、約30人の警察官もいた。私人逮捕の場合、現場に警察官が到着するまで身柄を確保することはあるが、現場にはすでに大勢の警察官がいた。すぐに身柄を引き渡せばいいはずだ。
 しかし警備員は警察官のいる方向とは逆の基地内に山城議長らを引きずり込んだ。後ろ手に手錠を掛け、基地内の建物に入れてから手錠を解いたようだが、その後約4時間も拘束を続けている。刑事特別法を逸脱した人権弾圧だ。
 米施政権下の1957年の伊江島で、強制接収された射爆場内に入ったとして、住民5人が逮捕される事件があった。米兵が境界線を示す木製看板を5人の後ろにそっと置き、無断立ち入りで逮捕するという不当逮捕事件が起きている。今回の事件と何が違うというのか。
 復帰前の米統治下で繰り返された米軍による人権蹂躙(じゅうりん)の記憶を呼び起こす事態だ。暗黒社会に逆戻りさせてはいけない。山城議長らは23日夜に釈放された。本来ならば逮捕、送検するべきではなかった。辺野古への基地建設に反対する意思表示は県民の民意だ。米軍は抗議行動をする市民に指一本でも触れることは許されない。

 22日に開かれた県民集会の様子です。琉球新報より「県民集会、政府に2800人抗議 辺野古作業中止を要求」

 反基地平和運動のセンターである「平和フォーラム」は23日、抗議声明を発表しました。

 沖縄のこれからの闘いの厳しさを痛感します。私たちの連帯の取り組みの具体も問われます。

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