”介護保険見直し”をテーマに政策フォーラム

昨日27日の夜、長野市ふれあい福祉センターホールで「政策フォーラム=どうなる、どうする、これからの介護保険」を催しました。社民党の自治体議員や関係労組などでつくる実行委員会が主催したもので、70人余りの皆さんに参加いただきました。
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持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づき、地域における医療と介護の総合的な確保を推進するため制定された「地域医療・介護総合確保推進法」は、消費税増税分を活用した新たな基金(都道府県単位)を創設し医療・介護の連携強化を図るとし、医療法関係では、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保、介護保険法関係では地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化を打ち出しました。医療法関係はH26年10月以降、介護保険法関係はH27年4月以降順次施行されることになっています。

長野地区版の政策フォーラムは、「地域包括ケアシステムの構築」と「費用負担の公平化」(という名の負担増)を柱とする介護保険制度の見直しで、誰でも何処でも何時でも必要とする介護サービスが受けられるのか、在宅介護・施設介護にどんな影響を及ぼすのか、介護難民をなくすことができるのかをテーマにしました。

介護保険制度の見直しのポイントは、先のブログ【お知らせ】に記した通りです。
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市介護保険課の降籏千理・課長補佐から、「介護保険制度の見直しの概要」について、市社会福祉協議会・市地域包括センター吉田の遠藤茂彰・主任ケアマネージャーから「在宅介護現場の現状と課題」、社会福祉法人長野市社会事業協会・特別養護老人ホーム尚和寮の栄島大輔・ケアマネージャーからは「施設介護現場の現状と課題」についてそれぞれ報告してもらいました。

要支援1・2の訪問介護とデイサービスが介護保険の「給付」から市町村の「事業」へ移行することに対し、これまで受けられたサービスが維持することができるのか、地域が支える地域包括ケアシステムは十分なマンパワーを確保できるのか、中学校区単位の地域包括ケアシステムとされるが現状16の地域包括支援センターで対応できるのか、現状の専門スタッフだけでは対応できなくなるのではないか、地域支援事業となる訪問介護やディサービスは報酬単価の設定によってはサービスの担い手が減ってしまうのではないか、地域で支える支援システムでは、移動手段の確保やサロン活動の拠点となる公民館等のバリアフリーが課題として残っているがどう対応していくのか、地域の中でボランティアなど質の高い必要な人材が確保できるのか、広い中山間地域を抱える長野市内においても、受けられるサービスに格差が生じるのではないか、要支援2と要介護1では地域支援事業と介護保険事業で制度が異なることで混乱が生じないか、複雑な制度のもとでサービスの隙間に陥る危険性はないのかといった不安の声が相次ぎました。

特別養護老人ホームの入所を要介護3以上に限定することに対しては、待機者の内要介護1・2が3割を占めている中で、特例措置があるとはいえ、入所の判断は施設に委ねられることから、十分な対応ができるのかはじき出されてしまうのではないか、長野市で特養待機者は1,588人(要介護1~5)いるとされるが、待機者の受け皿を確保していくことが重要ではないか、介護職員の離職率が16.6%と全産業平均より1.8ポイントも高い中、介護職員の確保、待遇改善が不可欠との意見が出されました。

合計所得金額が160万円以上(年金収入単身で280万円以上、夫婦で359万円以上)の人の利用者負担が1割から2割になることについては、特養入所者で介護度5、多床室利用の場合で、現行の月額84,215円から改正後には116,465円と32,250円も負担が増えること、ショートスティの場合で、介護度5・多床室利用で1日2691円から3669円の負担増になる具体的事例が報告され、自己負担2割に耐えられるのかなどが課題として浮き彫りになりました。

それぞれ現場の“生の声”は大変参考になるものでした。

「介護の社会化」や「在宅重視」を理念に掲げ2000年にスタートした介護保険制度ですが、当初の理念は後退していくばかりです。
必要とされる介護サービス・介護予防サービスが維持され、さらに充実させていくためには、長野市の力量が問われます。「長野市モデル」となるような施策展開を強く求めていきたいと思います。