“朝令暮改”の「市長宣言」

加藤市長が新たな重要政策として「人口減少社会への反抗宣言」をまとめ明日の記者会見で発表するとしたものの、一転、練り直しに。

「反抗宣言」に異論相次ぎ…

26日午前中に開かれた会派合同会議(市民ネット・改革ながの・公明・無所属合同)で、市長自ら報告した「市長の重要政策宣言」という位置づけの「人口減少社会への反抗宣言」に対し、人口減少への危機感と対策の必要性は共有するものの、議員からは私を含め、「反抗」という表現や市長宣言の在り方に異論が続出、「練り直し」を求める意見を踏まえ、明日予定している記者会見では発表しないことになりました。「宣言」の命名の問題といえばそれまですが、“朝令暮改の顛末”です。

奇をてらいすぎ

市長は説明の折に「反抗はインパクトが強すぎるかも…」と述べましたが(先に報告した最大会派・新友会でも異論があったようです)、「奇をてらいすぎ」というべきでしょう。国の政策に「反抗」するのであれば、まだしもですが…。そもそも人口減少・超少子高齢化に「反抗する」という発想が違うと思います。地方からの人口流入を飲み込んでいる大都市に歯向かい抵抗し、首都圏大都市からの人口奪還を目指すといった発想であれば、「反抗も有り」かも知れませんが、どうも意味合いが違うようです。少子高齢・人口減少の本質から外れます。

満を持しての「宣言」の“つまずき”は、単に言葉・表現の問題にとどまらず、加藤市長の“思いつき・独断専行”の弊害の表れではないのか、部長会議はどのように機能しているのか、と穿ってみてしまいます。
大げさかもしれませんが、お粗末なことは確かです。

宣言よりも政策・施策の中身を

7月に全国知事会が、少子高齢化と人口減少を「国家の基盤を危うくする重大な岐路」とし、『少子化非常事態宣言』をまとめ発表しましたが、人口減少対策が中核市市長会の話題ともなり、長野市版「市長宣言」に思い至ったようです。推察です。

「市長宣言」を否定するものではありませんが、もっと大事なことは、人口減少・超少子高齢化に歯止めをかけるための体系化された政策・施策の展開と実行です。避けられない人口減少社会にどう備えていくのかという視点も必要です。

「若者定住、健康長寿」、「地方都市における雇用と所得の安定確保」に向けた政策・施策に知恵を絞りたいものです。

自治体消滅!…衝撃の推計

今年5月、専門家らでつくる民間シンクタンク「日本創成会議」が発表した衝撃的な人口減少推計は記憶に新しいところです。2010年から40年にかけ、全国の約1800の自治体のうち、約半数の896市区町村で、20~39歳の女性の人口が5割以上減るという推計で、子どもを産む世代の女性が5割以上減ると人口の減少が止まらなくなって「自治体が消滅する可能性がある」という指摘です。

長野県内77市町村の内、34市町村が「若い女性半減自治体」に該当するとされました。

人口減少対策本部の設置と新年度事業化を打ち出す予定の「宣言」

長野市の人口はH12年をピークに減少し、国勢調査による将来人口推計では今後30年間に8万人の減少が見込まれています。

こうした推計を受けて、まとめられた人口減少対策に関する「市長宣言」の内容は、タイトルはともかく、➊交流人口の増加、➋健康長寿・少子化対策・企業誘致による定住人口の増加、➌中山間地域活性化や農林業の振興による特色ある地域づくりの三つに力点を置いて施策展開を図るとし、そのために「人口減少対策本部」を設置、来年度予算編成に向けて事業化を企画するというものです。

「長野市も人口減少対策に本気で取り組みます宣言」みたいな内容です。政策の具体はこれからです。

「若者流出を食い止めるダム機能」

日本創成会議の座長を務める増田寛也・東京大大学院客員教授(元総務相)が、信濃毎日新聞のインタビューに応え、次のように語っていました(5月23日付)。

「地方分権という視点を超えた論議が必要だ。産業政策や社会政策が深く関わってくる問題であり、国家としての戦略が問われる」

「若者流出を食い止める『ダム機能』を果たせる地域拠点都市に踏ん張ってもらうという考え方を提案したい。そこに政策や資源を集中的に投入する戦略が考えられる」

まずは、地方都市からの人口流出、大都市への一極集中の流れを変えることが必要です。そのためには、若者の雇用の場の確保がカギです。そして子育て世代の定住、健康長寿の促進です。その意味で産業政策・社会政策の視点が欠かせませんし、「ダム機能」を掘り下げて考えていくことが重要だと思います。

9月市議会の焦点・論点

今日の議会へのレクは、約13億円の一般会計補正予算案をはじめとする9月市議会定例会提出議案や、健康長寿6カ条の普及約6.3億円増加する第一庁舎・芸術館の建設事業費2億6,700万円投入する善光寺御開帳対策、善光寺御開帳期間中の交通渋滞対策に1億6,300万円、松代象山地下壕の説明板等の修正に関わる検討会議の設置(いまだに未設置のまま!)、地域防災計画・水防計画の修正・補強に関するパブリックコメントなどなど、重要な課題が山盛りでした。

9月市議会の焦点・論点として、随時報告していきたいと思います。

最後になってしまいましたが、アイキャッチ画像は「新・健康ながの21」のシンボルマーク「なっぴぃ」です。「健康長寿6カ条」への”つなぎ”です。