3月議会の質問より➍…子育て支援先進都市のさらなる具現化を

 4月から「子ども未来部」が新設されるとともに、「子ども相談室」が本庁第二庁舎・2階に開設されます。子どもに関する支援サービスについて、できるだけ一元的に対応しようとする組織改編で、大きな前進であると評価しています。
 その上で、さらに子育て世代や子ども達の不安や悩みに的確に応えられ、名実とともに子育て支援先進都市にしていくために、➊ワンストップの「子ども相談室」、➋NPOとの協働による子育て支援情報サイトの立ち上げ、➌子ども権利条例の制定など、3点質問しました。
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◆ワンストップの「子ども相談室」へ機能強化を
 子どもに関する相談を最初に受け止め、相談内容に応じて関係部署との調整を行う総合的な相談窓口として「子ども相談室」が設置されます。子どもの発達障害などに関する相談も受け付けることになります。子育てに関する相談に対し、専門機関につなぐ、振り分ける役割を担う最初の窓口、いわば「総合案内」との位置づけです。
 一歩前進と評価するものの、私は、案内にとどまらず、相談にその場で答える、即応できる「ワンストップの相談室」に機能を高めていくことが重要であると提案しました。
 また、子ども貧困対策法の施行も踏まえ、子どもの貧困状態を見抜き、貧困の連鎖を食い止める的確な対策が講じられるような相談機能、子どものSOSを受け止め、子どもの人権救済につながる相談機能の拡充につなげていくことも併せて提案しました。
◆相談は複雑多岐、ワンストップよりも総合的解決を優先
 保健福祉部長は「子ども相談室は子どもに関わる様々な相談に対応する総合的な窓口で、具体的には子育てや子どもの発達に関する不安や悩み、いじめ、虐待など複雑多岐にわたる相談が寄せられると想定している。保健師、保育士、心理士、社会福祉士など専門的な知識、スキルを持った職員が的確に対応する。相談内容によっては、保健福祉部門や教育部門をはじめ民間の専門機関や関係機関と十分連携をとって、問題解決にあたることが極めて肝要。適切な相談窓口にきちんとつながるまで子ども相談室で対応し、相談者に寄り添った誠意ある対応に心がける」と述べました。
 また、子どもの発達支援についても「(各地域の)保健センターを中心に新たに発達支援安心ネットワークを構築し、子どもへのきめ細かい対応に鋭意努める」としました。
 つまり、「相談は複雑多岐にわたることから、ワンストップ解決よりも個々の悩みに不安に総合的にかつ的確に応えられる態勢を優先したい」との考え方です。
 “はじめの一歩”ですから、有効に機能していくことをまずは願いたいと思います。
 ただし、不安や悩みを窓口や対応者が変わるごとに何度も話さなくてはならないといった負担を強いることの無いような相談態勢を強く求めるところです。
 子どもの貧困対策を含め人権救済につながる相談機能の拡充については、「国・連の動向を注視しながら、子どもの将来が生まれ育った環境に左右されることの無いよう、関係部署と連携し無具体的な教育や生活の支援施策を検討する必要がある」との認識を示すにとどまりました。
 子どもの貧困対策法は今年1月に施行しました。具体的な取り組みはこれからのようですから、特別委員会等でしっかりと取り上げていきたいと思います。
 子ども相談室や発達支援安心ネットワークについて、11日の子育ち子育て対策特別委員会で集中審査しました。改めて報告します。

◆NPO等と協働し、子育て支援情報サイトの立ち上げを
 特別委員会で視察した浜松市における取り組み、市とNPO法人が協働して立ち上げている「子育て支援情報サイト=ぴっぴ」を取り上げながら、子育て支援先進都市を掲げる長野市においても、導入を検討するよう提案しました。
参考=子育ち・子育て対策特別委員会の視察より➋~浜松市・高松市編~
 市側の答弁は「全国の自治体では官民協働で運営している子育て支援のホームページが数多くあることから、今後、総合情報サイトについて子ども未来部で調査研究していく」というもので、事実上の先送りといったところです。
市としては「子育てガイドブック」を発行するとともに、市のホームページで県の「ながのイクメン手帳」や子育てに関する団体とのリンクを張っていることや市販の情報誌等でニーズは充足していると認識しているようです。「日本一の子育て支援都市」が“かけ声倒れ”にならないよう引き続き取り組みます。

◆子どもの権利条例の制定を
 子どもの権利条例制定について、市はこれまで「ながの子ども未来プランにおいて権利条例制定も含めて取り組むとされていることから、関係4課と調査研究し、県の条例制定も見据えながら、副市長プロジェクトで検討していく」と答弁してきました。
 こども未来部が創設される今日、子どもの主体と権利にしっかりと目を向け、子ども権利条例制定に前向きに着手すべき時であると改めて提案しました。
◆市…「こども未来部で引き続き調査検討」
 市は「こども未来部の子ども政策課で所管し、制定に向けて引き続き調査検討する」と述べる一方、「国の子ども・子育て支援新制度への対応を優先させたい」としました。
 H27年度からスタートする国の新制度への対応に向け準備に追われている大変な現状を承知しているが故に、「これを優先したい」との選択は理解しときます。
◆「権利の主体である子ども」を深く考えたい
 県では「子育て支援条例・要綱案」が発表されたものの、子どもの人権救済機関のあり方など県議会の自民党等の保守的会派からは厳しい修正要求が示されているようです。県条例は「権利条例」的な内容は薄まっていますが、一歩前進の内容となっています。
 知事には頑張ってもらいたい!今後の成り行きに注目です。
 特別委員会での視察でも、「子どもの権利規定」や「親・保護者の責務」が論点となり、玉虫色の条例になっているケースが多いことを見てきました。
 子どもの権利条例制定に向けては、なかなか厳しい現実がありますが、日本が批准した「子どもの権利条約」の国際的な約束事を自治体としていかに具体化していくかという問題です。
 「子どもの権利条約」は、18歳未満の子どもを、保護の対象としてのみならず、権利の主体としてとらえ、具体的な権利内容を総合的に規定したものです。
 「子どもは家族が責任をもって守ればよい。庇護の対象として大事にされればよい。権利ばかりを主張する子どもでは日本の将来はない」みたいな一部保守層の封建的発想を乗り越えていく議会の議論が問われる課題です。