防災行政無線のデジタル化に22億円…聞こえない、聞こえにくいは解消できるのか

開会中の6月市議会定例会は、10日・11日に常任委員会が開かれ、付託議案等の審査が行われ、11日は私が所属する総務委員会で議案等の審査を行いました。

14日が最終日で、議案等の採択が行われます。

➡総務委員会では、約22億円を投入する防災行政無線のデジタル化整備工事の効果や、第一庁舎・芸術館の統一感があり、わかりやすい案内表示、動線確保への見直しに5000万円をかける予算執行上の課題、来年度からスタートする会計年度任用職員制度の課題、住自協の地域間交流事業の助成廃止に伴う新たな事業展開の必要性、消防団の負担軽減などを論点に審査しました。

➡請願審査では、継続審査になっていた「沖縄県民の民意を尊重し名護市辺野古における米軍新基地建設の中止を求める請願」は、新友会からのさらに継続とする提案が否決されたうえで、賛成少数で不採択に。また、今議会に提出された「自衛隊への若者名簿提供に関する請願」「10月からの消費税10%中止を求める請願」も、残念ながら賛成少数で不採択となってしまいました。

➡まずは、防災行政無線デジタル化の課題について報告します。

防災行政無線のデジタル化で「聞こえない」「聞こえにくい」は解消できるのか

防災行政無線のデジタル化は、現状のアナログ設備の大半が2022年11月までしか使用できないことから、国が早期のデジタル化を推し進めています。市内の防災行政無線は多くの地区で整備から30年経過し老朽化しており、デジタル化の更新が迫られています。

6月議会には、21億7,800万円をかけてデジタル化を図る補正予算が提案され、総務委員会で議論となりました。公募型プロポーザル方式で日本無線が優先交渉権者となり契約を結ぶことになります。

約22億円の事業費は、全額市債(借金)で、地方交付税で70%が措置される緊急防災・減災事業債を活用するとしています。

議論となった点は、デジタル化整備による効果です。

市の危機管理防災課からは、新たな高性能スピーカーを62基増設・整備することにより、音声が届く距離=音達距離が約300mから約600mと2倍に拡大し、今まで聞こえなかった、聞こえにくかった場所が改善されること、屋外スピーカーに連絡通話機能が備わることで双方向通信が可能になること、防災行政無線で放送された内容がスマートフォン等で文字情報で確認できる防災アプリが追加されることなどを効果として示しました。

高性能スピーカーの事例写真です

戸別受信機も更新され、新たに聴覚障がい者用に画面表示される受信機を100台整備する考えも示されました。

私から、屋外スピーカーが新規に更新されることで、音声が届く範囲=居住地域におけるカバー率(戸別受信機によるエリアを含め人口及び面積カバー率)はどれだけ改善されるのか、聞こえない地域・聞こえにくい地域はどれだけ解消できるのか、具体的な数値を示し、市民の理解を得ていくことが重要と指摘しました。

市側は、「カバー率は、平面上でしか判断できず、障害物等をどこまで考慮できるか、事業者とも協議し、早期に示したい」と答弁しました。

地図を3D表示し、障害物等を読み込み、音声到達範囲(理論上の数値となりますが)を示すことは可能でしょう。契約事業者が日本無線であればなおさらです。

また、新しいデジタル設備は寿命が10年から15年で、保守点検等の維持管理費は年間1,200万円、15年間で約3億円との試算も明らかにしました。

補正予算案には総務委員全員が賛成しましたが、デジタル化による効果についてわかりやすく市民に説明していくことは不可欠です。何せ、市民の生命にかかわること、しかも22億円もかけるのですから。

議案の採択にあたり「附帯決議」をしたいくらいの課題です。国会で法案を可決する際によく使われている手法です。「すればいいのに」との声が聞こえてきそうですが、長野市議会では前例がないことを理由に、議会的な合意形成へのハードルが高いというのが実情です。議会活性化の課題です。